ROOT SOUL 池田憲一です。ベーシスト、トラックメイカー、サウンドプロデューサーで自身の作品ではミックスも行います。
今回 Warm Audio の真空管オプティカルコンプ WA-1B のレビューをやっていきます!
スタジオのド定番である名機Pultecタイプのコンプですね。このタイプはプラグインも各社からたくさん出てますね。
開封してセッティングしていきます。
前回レビューしたイコライザーの EQP-WA と同じくノブを回しているだけで創作意欲が湧きます!w

中身はサイトの写真を見るとこんな感じ。

かっこいいですね!写真上のちょっと左に丸く2つあるのが真空管ですね!
実際にケースの網から真空管が光っているのを確認!
前回のレビューEQP-WAでEQを施したものに今回のコンプWA-1Bをかけていきます!!
今回もジャズベース、打ち込みのドラム、エレピを以下のように接続してコンプをかけました。
UA Apollo x4のアウト → Warm Audio WA−1B → UA Apollo x4のイン
僕のスタイルであるミュージシャン兼DAW宅録派のアウトボードとしての使用のレビューが参考になれば幸いです。
(もちろん Warm Audio WA−1B の素晴らしさは掛け録りでもわかると思いますよ!)
まずはジャズベースから
■ WA-1B バイパス
そして
1) Manual モード
マニュアル:アタック:0.5~300ミリ秒、リリース:0.05秒~10秒
で設定できるようです。

- アタック:10.5時(アナログなので数値というより感覚でw)
- リリース:8時 速めがグルーヴ出る感じしますね
- レシオ:9時
- ゲインリダクション:-9~-5dB だいたいぐらい
小さいスピーカーだと分かりにくいかもですが 強めに設定して底辺にへばり付くように重心低くしたような感じにしました。とても好きなアナログコンプ感です!
2) Fixed モード

モードの切り替え以外はほぼ変えてないですね。
でも、かかり方はだいぶ違います。
3つの中では一番緩めにかかってます。
マニュアル見るとFixedモード(固定)はアタック:1ミリ秒、リリース:50ミリ秒のようです。
3)Fixed / Manual モード

マニュアルには固定モードとマニュアル・モードのリリース時間をブレンドと書いてあります。
再現してあるであろうオリジナルのPultecや同型のものの情報を調べる限り、リリースは可変でアタックノブで信号がピークを超えてからリリースタイムにどれぐらいかかるか時間をコントロールできるようになるものではないかと。
- アタックノブを早く設定するとリリースが有効になるまでの時間が長くなる
- アタックノブを遅く設定するとリリースが有効になるまでの時間が短くなる
ということらしいです。ちょっと難しいですねw
実際効きは違いスレッショルドをさらに深めに設定。
ここら辺は方向性と好みで。最終的には全体の中で判断するとしましょう!
ローズ系 エレクトリックピアノ
■ WA-1B バイパス
■ WA-1B オン Manual モード

音量のレベル差をそろえていきます。
- アタック:11時
- リリース:8時
- レシオ:9時
- ゲインリダクション:-5~-3dB だいたいぐらいでかけてます
とても自然にレベルが揃いますね!良いですね!
次はドラム
打ち込みなのでレベルは比較的揃っているので、バスコンプとして使ってみます。(一台なのでドラムは男らしくモノラルです!w)
せっかくなのでサイドチェインも試します!!
■ ドラム全体 WA-1B バイパス
■ ドラム全体 WA-1B オン マニュアルモード

控えめにゲインリダクションメーターも -1dB ぐらい引っ掛けているだけ。
■ サイドチェイン オン

ドラムにローカットをしたものを別アウトで出力して、サイドチェイン1に入力します。
通常サイドチェインオフだと、やはりキックに全てかかってしまうので、ローカットしてインターフェース別のアウトchから本機のサイドチェイン1へ入力します。

打ち込みでキックのレベルも割と揃っているのでけっこう下はカットして送るのが好みでした。
スネアが良い感じになりました!!
ちなみに左側が Logic X のI/Oプラグイン。
(インとアウトch番号が揃ってないのは 3,4の入力を使っていたからですw)
ミックスの完成はこちら!!
パーカッションも足しました!
好みで
- ベースは Fixed / Manual モード
- ドラムは Sidechain モード
をチョイス!!!
簡単なグルーヴトラックですがアナログらしい、なかなか良い仕上がりになったのではないでしょうか?
僕のようなヴィンテージサウンド好きには実機のVUメーターの揺れを見ての作業はものすごく創作意欲を掻き立てられましたし、レベルの管理は少し勉強する必要がありましたが、そのことでより機材やミキシングへの理解が深まったのではと思いました。
現代では アナログ実機とDAWデジタルとの合わせ技は最強だと思います!
余談ですが、僕はDAWはLogic Xなんですが、I/Oという大変便利なプラグインがあり、アウトボードとして使用する場合、オーディオトラックに挿し、インターフェースのアウトとインのチャンネルを設定すると、あたかもプラグインを使っているかのようにアウトボードを使用できます。
おそらく、他のDAWでも似たようなことができると思うので、興味のある人はぜひ調べてみてください。
ただ再生は割と簡単なんですが、録音はレーテンシーが関係して結構ズレます、、。
あと、再生トラックと同じトラックに録音ができないので、AuxでI/O の送り用のBusと戻した信号のBusを作った方が便利です。(戻した信号のBusを新しい録音用のトラックの入力割り当てる。)
再生も録音もレーテンシーない環境を作るのは結構難しくて、それだけで一日かかりましたw
(Pro Toolsとかだともっと簡単にできるのかな?)
アウトボードで使用する際はここら辺の環境を整えないと、実際はDAW&アナログ機材という現代最強の環境を味わえないのでとても重要だと思い少し触れました。
(エンジニアが専門の方は当たり前のことかもですがw)
ちなみに、WA-1Bのボーカルでの使用についてはこのSound Houseさんのサイトで Hiro-a-key a.k.a. Nenashi & 福田 聡さんが(実はお二人とも僕のミュージシャン仲間ですw)すごく分かりやすい良いレビューをしてますのでそちらもオススメです!
⇒ 【製品レビュー】WARM AUDIO / WA-1B 使ってみた! その2 by Hiro-a-key a.k.a. Nenashi & 福田 聡
次回は同社のコンプ WA-76 をレビューする予定です!こちらもお楽しみに。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら