最近、私の周りでギターの購入ラッシュが起きており、ほぼ同時に5人からギターを購入したという報告がありました。
やっと暖かくなり、どこか気分も良い日々が続いている中でこんな報告を受けると、私も買わない訳には行きません。購入したギターについてはいつかのブログでご紹介するのでお楽しみに!と言うより私が楽しみです笑
さて、本題の謎ギターですが、今回は大詰めのフレット交換です。
現状はこんな様子。既にフレットは抜かれており、ポジションマークもありません。

フレット打ちの手順などは飛ばし飛ばしとなりますが、まずはネックを真っ直ぐに調整するために、画像にあるような長いアルミスケール等を使用してネックの状態を確認していきます。

こんな感じでなるべくネックが真っ直ぐになる位置を探し、何度かロッドを調整します。
ここでネックを真っ直ぐにしてやらないと後の工程や完成度に支障をきたすので、よくチェックしていきます。

トラスロッドで可能な限り調整ができたら、平面が出ている木材に紙やすりを張り付けて不揃いな箇所を削り、再び定規を当ててチェックを繰り返します。

その工程が完了した姿がこちら。
気が付いた方もいるかも売るかもしれませんが、そう。ポジションマークが付いています。
魔法でも何でもなく、単純に私が写真を撮り忘れただけです。ごめんなさい。
今回使用したのはこちらのインレイ。
落ち着きのあるパーロイド柄がカッコいいです!
MONTREUX ( モントルー ) / Pearloid main position set (10) [9110]

指板のラジアスを崩さないように注意はしますが、先ほどはあくまでも最終フレットから1フレットまでの直線を出す作業。どうしてもRが崩れてしまうので、Rが付いたブロックにペーパーを張り付けてRを整えていきます。

このように治具を使って、指板のRが均等かチェックを行いながら作業を続けます。
紙やすりの番手を上げて削り傷を消したら、いよいよフレット打ちに入ります。が、その前にも準備があります。
今回使用するフレットはこちら。
Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / EM-W-013 ステンレスフレット
ステンレスながらニッケルシルバー並みの柔らかい硬度となっており、まさにいいとこどりをしたような製品となっています。

フレットのタングと言われる指板に打ち込まれる個所の長さが、大体2mm弱。

指板調整で削っている分、指板に切られている溝の深さが浅くなっているので、箇所によっては2mmないような部分場所もあります。その状態でフレットを無理やり打ち込んでも浮いてしまうだけなので、新たに溝切りが必要ですね。


ノコギリの刃から2mm少しのところにスケールを張り付けて、均一な深さで溝を切れるようにしました。
作業中はこんな様子で、スケールが指板に当たり不要に削れることを防いでくれます。
そしていよいよフレット打ち!

ですが、終わった写真しか撮ってませんでした.....
打ち終わった後のフレットはこんな感じで飛び出ているので、邪魔な端をカットしてしまいます。この姿、なんか魚の骨みたいでかわいいですよね。

各工程を説明すると長くなってしまうので、ここからは速足でご紹介。
フレットの端をカットした後に打ち込みの精度をチェック、その後摺り合わせを行い、ヤスリの番手を上げながらコンパウンドまで研磨します。

そしてこんな感じの見慣れた姿になりました。
しかしこの状態はまだフレットのバリ取りを行っていないので、丸めた姿がこちら。

フレットのエッジが丸まったことで、すべすべの手触りになりました。


前回加工を進めたボディ側と合わせてみましたが、どうでしょう??
なかなかかっこいいんではないでしょうか。
個人的にはこんなルックスのギターを見ると、スティーヴ・ルカサーっぽいな〜と思います。
ここからの調整が意外と大変で、シムで弦高を稼いだりナットの接地面を削ったりという作業がなかなか難航しています笑
今回は一旦ここまで!次回には全体の調整をして最終回をお届けします!