AKG(アーカーゲー)ではドラム用のマイクセットが3種類あります。
今回は DRUM SET CONCERT I を使用してドラムの録音を行いましたので、実際の使用感を交えてレビューしていきます。
まずは実際に録音した動画をご覧ください。
使用したドラムセットは Rogers (ロジャース) のものです。

ドラマーは高岡康介さん。バディ・リッチを研究するスウィングジャズドラマーです。
Rogersを愛用されていたバディ・リッチ、そのバディ・リッチを研究する高岡康介さん。
今回の録音ではその関係性も踏まえつつ、なるべく素のドラムサウンドを録ることを意識しました。
DRUM SET CONCERT IにはオーバーヘッドにはC430が2本、スネア/タムにはD40が4本、バスドラムにはD112 MKIIが1本と計7本のマイクが入っています。

それではそれぞれのマイクの使用感を説明していきます。
バスドラム用のマイクですが、このD112 MKIIはアタックの強弱やシェルの鳴りを拾う繊細さに長けた印象を受けました。繊細なだけではなく耐音圧性能も高いのでキックの強い音でも歪まずに綺麗に録れていました。ベースアンプのマイク録音にも合いそうな感じがします。
ハイハット、スネア、フロアタム、ハイタムに使用。全体的にバランスのとれた音ですが、中域から高域にかけて艶のある音を拾う印象を受けました。打面のアタック感と筐体の響き方もよく録れるマイクだと思います。ギターアンプやパーカッションの録音にも合いそうですね。パーカッションだとボンゴとか気持ちよく録れそうです。
あと付属のマイクホルダーもフープに直接取り付けられるので、マイクのセッティングがやり易く、PA現場にも重宝すると思いました。
このセットの中で唯一のコンデンサーマイク。今回はオーバーヘッドとして使用したのですが、ドラムセットとは少し距離を離して全体をまとめ上げる用途にしました。
D112MKIIとD40は近接効果で低音が強調されていますので、撮影現場において実際に耳で聴いている音とは少し違っています。C430でシンバル類の鳴りや距離を取って聴こえる高音、回っている低音などを録っておりバランスの調整をしています。
解像度の高い自然な音を録ることができるマイクといった印象です。フィールドレコーディングで屋外の音を録音するにもよいと思いました。
まとめ
D112MKII、D40、C430 この3種類のマイクの音を混ぜると絶妙なバランスで掛け合わさって、ひとつのドラムサウンドとして完成されており、これ以上ないベストな組み合わせとなっています。ドラムの録音やPAにDRUM SET CONCERT Iがあれば、よい音が録れること間違いなしです。