みなさまこんにちは。こんばんは。
今回、修理していくのはこちら。
エフェクトホイールが回らなくなったという症状で運ばれてきたH2O DMX IRです。
AMERICAN DJ ( アメリカンディージェイ ) / H2O DMX IR ウォーターゴボ
6色のカラーを搭載したウォーターゴボプロジェクター。水面のような紋様のエフェクトをうつし、空間を演出します。80WのLEDとパワフルな光量があり、雰囲気づくりに大活躍です。
ではさっそく、作業に取り掛かっていきます。
動作検証を行ってみると、確かにエフェクトが動きません。(画像では伝わらないですが……)
モーター自体の故障か配線不良か、もしくは電圧不良か、いろいろな可能性が脳裏をよぎります。
いずれにせよ、原因を探るために筐体を開けていきましょう。
( ぱか~ )
右からLED、レンズ、カラーホイール、エフェクトホイール、という順番で構成されています。
今回の症状はエフェクトに関与しているので、その周辺を確認してみると……
おやおや。
これはモーター1機とエフェクトホイール2つをベルトで繋いで、モーター1機で2軸分の動力としているようです。
そうなると、ここの軸に入っているベアリングも怪しいですね。1つ1つ外して確認していきます。
かくかくしかじかと分解しまして、無事にエフェクトホイールを取り外せました。
凹凸のあるガラス板がついており、ここにLEDを照射することで光が乱反射。水面のようなエフェクトが出力されるというわけです。
で、ベアリングをチェックしてみると、先ほどの予想は当たっていたようで、手でギリギリ回せるくらいにまで固着していました。
これでは回るはずがありません。
ひとまずパーツクリーナー、グリース、さび落とし剤などで改善するか、いろいろ試してみましたが……
ダメでした。
手で回るくらいには復活しましたが引っ掛かりが残っており、いつまた固着するかわかりません。
ベアリング内部でサビや金属ゴミが溜まってしまっているのでしょう。
こうなってしまうとベアリング自体を新しいものに交換しなければなりません。
ここからはベアリングの交換作業を行っていきますが、せっかくなのでベアリングを外すときに使う道具をご紹介。
これは「ギヤプーラー(引抜き治具)」という道具です。
ワインオープナーとは逆の仕組みで、左右のツメがベアリングを引っ張る形になっています。
実際に使ってみるとこんな感じです。
左右のツメをベアリングにひっかけて真ん中のボルトを回していくと…
ベアリングが引き抜けました。
この器具を使うことで、ベアリングやその周辺パーツを痛めることなく取り外すことができます。
ベアリングが外れたので、あとは新しいベアリングを組み込んで圧入します。
斜めに入ってしまわないよう、時間をかけて慎重に圧入しました。
あとは仮組みして動作確認となります。
はたして、どうなるでしょうか……
動作確認という工程は、修理作業のターニングポイントとなります……
では、気合いを込めてスイッチを………
オォォォン!!!
やった~!回りました!(画像では伝わらない2回目)
モーター類に異常もなく、ベアリングを交換することで無事にエフェクトホイールが正常動作するようになりました。
ということで、組み上げして完了です。
意外と分解しなければならない場所が多く、特にベアリング周辺の分解作業自体に思ったよりも時間がかかってしまいました。
日々、精進ですね。
ただ、正常に動作している様子を見ていると、苦労した甲斐があったものです。
キレイなエフェクトに癒されます。
無事、修理が完了したH2O DMX IRに向けて、今日も今日とて画面外でサムズアップ。
以上、修理日記でした。
また次回もよろしくお願い致します。