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Shall Weシェラック? 【第二回】アガる、使える!? SPレコードで聴く、いにしえのダンス・ミュージック。

2022-01-19

テーマ:Tips&お役立ち, DJ

現代のレコードプレーヤーでSP盤レコードを再生できるカートリッジがあるのをご存じでしょうか。

SP盤は、かつて庶民に親しまれていた蓄音機を使用して78回転で再生するアナログレコードです。現代でも一般的な「ヴィニール素材」で作られたレコード盤とは異なり、「シェラック素材」という天然樹脂で作られたレコードです。

戦後ヴィニール素材の33回転、45回転のレコードが主流になってからは、音楽市場からは姿を消していったメディアではありますが、昨今のレコード人気により、その独特な癒やされる音質と、78回転が織りなすエナジー溢れる音の魅力が見直されてきているようです。

さて前回のブログに引き続き、78回転にさえ対応していれば現在のレコードプレーヤーで再生できるSP盤用カートリッジをご紹介しながら、気分が高揚するSP盤を5枚程、ご紹介していきます。

前回のブログ『Shall We シェラック?現代のレコードプレーヤーでSP盤レコードを再生できるカートリッジ!!』

今回も使用するSP盤カートリッジはこちらです!

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT-MONO3/SP SPレコード用カートリッジ

78回転搭載の3スピードのレコードプレーヤーとこのカートリッジさえあれば、手軽にSPレコードを楽しむことができます。 ヘッドシェルへの取り付けも簡単です。

前回は弊社の管楽器担当に曲の解説をしてもらいながら、私のおじいさんが所有していた強烈な音質のクラシックSP盤をお送りしました。
そして今回は打って変わって海外のポピュラー音楽等から奇跡的に(?)生まれた、トランシーでアガるSPレコードをご紹介!今回はアーティストや曲についての資料的な詳細は省き、そのアガり方について各曲触れていきます。
ヴィニール素材のレコード盤と比較して割れやすいSPレコードではありますが、ロック・ポップスファンの方、さらにはパンク系、サバービア系DJの方にとっても変化球のレアグルーヴネタとしてSP盤を楽しむきっかけになれば筆者としてもうれしい限りです。

○ SCAPPA-SCAPPA / GALLO E LA SUA CELEBRE ORCHESTRA

男たちが「ジャンゴ!(?)」と掛け声で盛り上げるポルカパンクなインストです。アーティストクレジットにオーケストラと記載がありますが、かけてみるとサーカス・オルガンと掛け声だけのシンプルなもの。ドラムもベースもないのにこのアッパー度は、当時の録音技術による絶妙な雑味とシェラック素材にとるレコード盤、そして78回転による賜物といえるでしょう。サイコビリーを流すイベントやイギリスのテディ・ボーイがいるようなパブでも血が騒ぎそうな、シェラック・パンクと名付けたい一曲。

○ THE WEDDING SAMBA/XAVIER CUGAT AND HIS ORCHESTRA(Vocal ABBE LANE)

東京キューバーンボーイズに通じる、ボッサ/ラテングルーヴナンバー、1951年ものです。
とは言え一部アビー・レーンという女性ヴォーカリストの歌が入るラウンジテイストです。サバービア/渋谷系仲間の同窓会パーティにもいいかもしれません。
実にファンキーで上品な大人グルーヴ。
ちなみにカップリングB面の”MY SHAWL"は初期ゲンズブールのラテンナンバー好きにも聴いていただきたいインスト。
好みによってはWサイダーな一枚と言えるでしょう。

○ GO ON! GET OUT!/TEX RITTER

映画「真昼の決闘」(High Noon)の主題歌のB面に収録されたノベルティチックなグッドタイム・ミュージックです。
少しボールルームなテイストもあるので、DJとなると使える場面はかなり限られると思います。
しかしノベルティ風ならではの効果音とコーラスは、ハマった時の盛り上がりは凄まじいと思いますので、いざという時のためにケースに忍ばせておきたい一枚。

○ CARIOCA / MARGET CARMEN and HIS DANCE ORCHESTRA

戦前に日本でリリースされたオムニバスアルバム「ダンス・ヒット・メモリーズ」にも収録された中から1曲。
カリプソも少し入ったような高速ボッサ/ラテン・グルーヴ。大昔のダンス・ミュージックとは言えやや辺境な感じもしますが、ジョージィ・フェイムのESSO BESSOをかけるようなDJの方には面白いかもしれません。

○ YODEL BOOGIE/ROSALINE ALLEN AND THE BLACK RIVER RIDERS

もうタイトルからしてイッちゃってる感ある、ヨーデル声で歌うブギー・ミュージック。
ヨーデルというと、歌声にリバーブがかかっているイメージが強いですが、まだリバーブのない時代なのでしょうか、この録音ではナチュラルハイな女性ボーガルが支配する怪しげなアーリー・ダンス・ミュージックです。
酔っぱらった状態でかけて大音量で踊るべし!

さて、それぞれ簡単にですが、大昔に蓄音機で親しまれていたSPレコードの世界をお伝えいたしました。 割れやすかったり、蓄音機でかけると音量が大きかったりするうえ、音量調節もできないハードが故に、今でもアンダーグラウンドなメディアではありますが、 このSP盤カートリッジがあるじゃないですか!

ノスタルジックに楽しめるだけでなく、聴き方によっては音楽の楽しみ方の一つとして、もっと定着していく事を願います。 あなたのお父さん、お爺さんのお家からもSPレコードがいつか出てくるかも知れません。 Shall we シェラック?

営業部 / 市原 雅之

45歳にしてオヤジバンドにベーシストとして参加。バンドでサウンド・ハウスの存在を知りその勢いで入社。 趣味はUKロック、60年代ソウルやソフトロック等のレコード・コレクション。最近はSPレコードも愛聴しています。ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイとP.I.L.を愛する永遠の29歳。

audio technica / AT-MONO3/SP SPレコード用カートリッジ

audio technica

AT-MONO3/SP SPレコード用カートリッジ

¥16,500(税込)

モノラルカートリッジ、SPレコード専用、高出力MC型

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