2回目の登場。相変わらず金欠のさくです。
突然ですが、ギタリストの皆さん。バッキングでエフェクター、使ってますか?
おそらく大多数の方は使っていらっしゃることと思いますが、中にはアンプで歪みを作り、フットスイッチでクリーンと切り替えるというミニマリストの方もいらっしゃるかと。
そんな方にもお勧めできる、バッキングに刺さるエフェクターを独断と偏見でご紹介していきます。
なお、音に関する所感は全て私個人のものであるため、皆さんが聴いてみると「なんだか違う」と思われることもあるかと思います。あらかじめご了承ください。
選定基準ですが、基本的には
- ローゲイン(クランチ)セッティングが容易
- コードを鳴らした時の分離感が良い
- 手の届きやすい値段
- ギター側のVol、ピッキングへの追従性が良い
この4つです。そのため、このような所感は避けていきます。
それでは、参りましょう!
その1. BOSS ( ボス ) / BD-2
結局こいつか!と思われる方も多いでしょう。「迷ったらこれ!」の先頭を走るもはや伝説のエフェクター。
初心者がまず選ぶコンパクトエフェクターでありながら、プロの愛用者も多い、どの層にもおすすめできる一機です。
そんなBD-2の特徴はこちら。
- GAINの幅がとても広い。クリーンブーストからファズばりの潰れた歪みまで作れる。
- 高音の強いジャキジャキした音。シングルコイルとの相性バッチリ。
- ローゲインでのセッティングがハマりやすく、音作りで迷宮入りしにくい。
- TONEを上げるほど主張が強くなり、バッキングなのに目立ちすぎることも。
- BOSS特有のレンジの狭さが苦手な人もいるかも。
私自身、2番目に買ったコンパクトエフェクターで、どのジャンルにもハマって便利。
GAINは12時から13時、TONEは10時から11時のセッティングがお気に入りでした。
手放してしまいましたが、買い戻したいと切実に思うくらい最高のエフェクターです。
前段に SD-1 を置いてブーストする、というもはや王道の音作りをしていましたが、扱いに癖がなく、二万円以内で揃うため、万人におすすめです。
サウンドはこちら。
ちなみにBD-2にはBOSSによる公式モディファイである BD-2W もラインナップされています。音を太くしてリードでも存在感を発揮するカスタム・モードが備わっているので、初心者に真におすすめすべきはこっちかもしれませんね。
その2. MXR ( エムエックスアール ) / CSP027 Timmy Overdrive
こちらも割と有名な機種。“トランスペアレント系オーバードライブ”の走りとされる、PAUL COCHRANE / Timmy Overdrive の後継機です。
MXRとCochrane氏の正式コラボによって生み出されているため、限りなく本家に近い音がします。
そんなCSP027 Timmy Overdriveの特徴はこちら。
- クリーンがドライブしたような、味付けの少ない歪み。
- GAINを上げるとそれなりに歪むものの、歪みの質感は維持されている。
- HIGHとLOWの2バンドEQの効きがよく、補正としてもブーストとしても使える。
- どんなブースターとも相性が良い。
- クリッピングで得られるコンプ感が心地よい。
ギタリスト憧れのエフェクター、VEMURAM / Jan Ray の元ネタであるTimmy。私自身、Jan Rayを所有していますが、意外とはっきりとした違いがあるように思います。
Jan Rayの方がキャラクター感があるように感じるので、本当に味付けが少ないのはこっちかもしれません。
Jan Rayは40,000円強と歪みエフェクターにしては値段が張ります。しかし、こちらはなんと23,800円(税込)。およそ半額で近い音が出せるので、Jan Rayには届かないけど…という方におすすめです。
サウンドはこちら。
その3. WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / Centavo
出ました。ケンタです。ここまで紹介している3機種全て有名すぎるペダルですが、紹介せずにはいられません。
Centavoは言わずもがな、KLON / Centaur(通称:ケンタ)のクローンエフェクターです。
ケンタといえばブースターとしての使用が有名で、私自身Jan Rayの前段に置くのが大好きで、どんなアンプ相手でもやってしまうのですが、ふとJan Rayを切ってみた時の音が良く、意外にも単体でのバッキングにも向いているなと思い、選出しました。
そんなCentavoの特徴はこちら。
- 言わずと知れた“ケンタ”の、ミドルの強いもわっとした音。
- GAINを上げるに従ってミドルも強くなるが、TREBLEを上げることで温かさとジャキっとしたエッジを両立できる。
- ローゲイン時は温かみのある歪みを作ることができ、ストラトのシングルコイルでも太いサウンドを出せる。
- 弦の一本一本が歪む印象。まとまりはあるものの弦の存在感は残る。
- MODスイッチによって、低音域の拡張ができ、より芯の強い音が鳴らせる。
ケンタクローンは他にもたくさんありますが、Centavoが最も近い見た目をしています。このデカさはボードを圧迫してしまいますが、ケンタに憧れる人にとって嬉しい要素です。
何より、メインの歪みとしてもブースターとしても遺憾無く活躍してくれるという汎用性の高さは、他のペダルにはない強みでしょう。
サウンドはこちら。
余談ですが、2012年、KLONが公式にCentaurの後継機種であるKTRをリリースしています。
見た目こそCentavoに比べると似てはいませんが、公式なだけあって音はそのものです。ニッチな方はこちらもいかがでしょうか?
その4. MAD PROFESSOR ( マッドプロフェッサー ) / Royal Blue Overdrive Factory
最後はこちら。マッドプロフェッサーの放つトランスペアレント系オーバードライブです。
そんなRoyal Blue Overdrive Factoryの特徴はこちら。
- GAINの幅がとても広く、クリーンブースターからディストーションライクな歪みまで作ることができる。
- GAINを上げるとともにミドルが強調されていき、抜けの良いリードサウンドにもなる。
- BASS、TREBLEの可変域がちょうどよく、どの位置にしても良い音が得られる。
- Timmyと比べると歪ませた時の質感が荒く、トランスペアレント系とは違う印象。なんとなくTSっぽい歪み方。
トランスペアレント系なだけあって、もちろん味付けは少ないですが、こちらは他の機種よりレンジが広い印象。
TimmyやJan Rayと比べるとキャラ付けがあり、バリッとした歪み感です。音に個性が欲しかったり、ただのトランスペアレント系に飽きたという方に、ぜひ一度試して頂きたいです。
サウンドはこちら。
いかがでしたか?既知のエフェクターが多かったよ!という方も多いかと思いますが、これらをバッキング目線で考えることはあまりないかと思います。
リードの音作りにはシビア。けれどバッキングは適当なんてギタリストのいかに多いことか。(個人調べ)
私はいつもアンプでクリーンを作り、メインの歪みをほぼかけっぱなしにして、ここぞという場面でブースターを踏むという形をとっているため、メインの歪みには慎重になります。
今回ご紹介した機種以外にも、ローミッドにキャラ感を持つZEN DRIVEのクローンである WARM AUDIO / Warmdrive、トランスペアレント系の第三選択肢となるJHS Pedals / Morning Glory、アンプライクなOCDのクローンである WARM AUDIO / ODD Box V1 など、バッキングにハマる歪みエフェクターはたくさんあります。
バッキングの音作りは単純に見えて、バンド内で抜けすぎずこもりすぎずを狙わなければならないために非常にシビア。
その中で、自分の気に入る音を鳴らせた時の快感は、リードのそれに劣らないと断言できます。
ぜひ皆さんも、個性の詰まったバッキングサウンドを作ってみてくださいな。
【こちらも要チェック!バッキングにおすすめのエフェクター】
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / ODD Box v1
MAXON ( マクソン ) / VOP9 Vintage Overdrive Pro
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