ギターリストはみんな大好きエフェクター。エフェクトペダルとも言いますね。
ときより『このエフェクターはどういった使い方が正しいのでしょうか?どうつなぐのが正しいのでしょうか?』といった質問が見受けられますが、メーカーや設計者が考えた推奨するセッティングではない使い方をしてもよい訳です(パワーアンプのアウトからエフェクターにつなぐ、みたいなのは当たり前ですがNGです。壊れます)。そもそもディレイで発信させるような使い方も最近では当たり前ですが、開発された時の本来の用途とは違う訳で、それが面白ければよいのです。
今回はエフェクタトペダルの使い方の裏技をいくつか紹介します。上級者の知っている人からしたら「こんなの常識だぜ!!」てなものかもしれませんが一読あれ!!
01 エフェクター接続順は『コーラス→ディレイ』が絶対なのか?!
一般的に言われているエフェクターの接続順としてモジュレーション系(コーラスやフェイザーなど)の後にディレイ、というのが定説かと思います。
しかし私は思うのです、「ディレイの後にコーラスでもよいじゃないか!!」と……
実際にコーラスでうねっている音にディレイをかけるのと、ディレイがかかった音にうねらすのでは聴こえ方はかなり変わります。私自身の印象だとディレイの後にコーラスをかけた方がスッキリするような感じがしました。
スッキリするのが良いか悪いかは自分自身で決めればよいのだ!!自由だ!!
02 クリーンブースターの使い方
近年クリーンブースターなどがかなり一般的になっていますが、よくある使い方はメインの歪みの前に繋いでソロの時に『ブースターーーーーON!!!!』みたいな感じですかね。しかしそれだと『歪みの量が増えるだけでいまいちガツンと来ないなぁ』なんて思ったことはありませんか?ありますよね?きっとあるはず!
それもそのはず、最終的な音量は後ろにつながっている歪みエフェクターのボリュームに依存するので、それ以上は上がることはありません。入力レベルが増えた分、音量は上がりますが歪みが増えるだけで大きな変化はないと思います。
ではどうするか。
音量を稼ぐなら『メインの歪みの後にブースターを入れるのだ!!』
こうすると音量がガツンとアップし、バッキングとソロのメリハリができます。
ちなみに筆者は以前、定番どころのXOTICのRC Boosterを使っていました。
XOTIC ( エキゾティック ) / RC Booster V2 オーバードライブ/ブースター
クリーンブースターブームを巻き起こし定番となった機種なだけあってRC Boosterは使いやすく優秀です。筆者の使い方としてメインの歪みペダルの後につないで、Bassは少し上げ、Trebleは少し下げ、GAINは軽く歪みが加わる程度、音量はガツンと上がるようにしていました。『少し大きすぎかな?』と感じる程度に設定した方が客席側からすると丁度よかったりします。
RC BoosterのGAINを上げるとファズっぽい歪みになりますが、これがピッキングなどのニュアンスが出やすくなり弾きごたえのある音になります。
逆に言うと弾くのが難しくはなります……そこは練習練習!!
小さいライブハウスやライブバーのようなハコだとPA担当のスタッフがずっと注視して見ているわけではないので音量のコントロールは重要です!!
03 アンプの歪みを使いたい時にこそ歪みペダルを使う
いきなり言っていることが矛盾していると思ったでしょう。
例えばアンプで歪ませてギターソロでよい音量の音を作った場合に、そのままバッキングを弾いてしまうと音がでかすぎてボーカルは歌を歌えないわ、お客さんはギターの音しか聞こえない、ということになってしまいます。
昨今、アンプはクリーンサウンドにして、歪みはエフェクターで、というのが主流になっている感じがしますが、ライブハウスやスタジオには立派なマーシャルのスタックアンプがあるのに歪みの音を使わないのはもったいなくないか?!と考えるかたも多いはず。
とは言っても、アンプのチャンネル切り替えの専用フットスイッチを用意してもらうのも申し訳ないし、使い方もよくわからんし、短いリハーサルやセッティング時間で何チャンネルもセッティングできない!などの問題があります。
これを言うと「ギターのボリュームを絞ればいいのだ!!」という意見も出てきますが、歪み量が減りはすれど音量自体はそこまで変わらない場合もあり、「そもそも歪んだバッキングがしたいから歪みの量が減ってしまうのは困る!!」なんて意見も聞こえてきます。
ではどうするべきか。
そんな方にこれ!
『ディストーションペダル~~~』
「おいおいアンプの歪みを使うって話はどこに行ったんだよ!!コノヤロー!!」
という読者の心の声が私の頭に響いています。
まぁ話は最後まで聴いてください。
説明すると……
- アンプを歪ませてソロで丁度よいセッティングにする。
- ディストーションはGAINとLEVELを下げてONにした際にボリュームが下がるようにセット。
- そこからGAINを必要な分まで上げます。
要するにブーストOFFにするためにディストーションをONにするのです。
アンプの入力レベルが減った分歪みは少なくなり歪み量が減りますが、そこにディストーションの歪みをプラスするようにバッキングのサウンドを作るのです。もちろんバッキングの歪みの音は100%アンプの歪みではなくなりますがアンプの歪みにディストーションの歪が少し合わさった音になり、アンプの歪みを生かした音になります。
今まで歪みペダルのボリュームはエフェクトOFFの時と同じくらいに合わせるか上げる方向にしかセットしたことない!なんて方いませんか?それでしか使わないなんてもったいない!
もちろんオーバードライブでも同じ使い方ができます。
何故、先ほどDS-1をとりあげたかというと、DS-1は他のディストーションペダルと比べて「音量の下げ幅が広い」という特徴をもっています。ボリュームつまみが9時以下くらいの位置で原音と同じか少し上がるくらいの音量になってしまうディストーションペダルが多いのに対してDS-1は12時辺りでも少し音量下がるかな?という具合にバッキング用に音量を下げて調節するためのディストーションペダルとしては使いやすく最適です。
もちろん他にもこの使い方によいペダルもあると思います。こればっかりは使ってみないとわかりません。
という訳で……
さぁ!再び歪みペダル探しの海に繰り出すのだ!!!
アンプを歪ませたらパキッとしたクリーンサウンドが出せないじゃないか!
と思った方
それはクリーンサウンド用のアンプを用意するなりしてください。
筆者自身パキっとしたクリーンサウンドでファンク系のカッティングをするようなバンドをやっていました。その場合はやはりアンプをクリーンにしてエフェクターで歪ませていました。こればっかりは仕方ないですね。
他にも、アンプがFENDER Blues Juniorなど15Wくらいのアンプを使用する場合に必要な音量を出すと歪んでしまう、なんて時にもクリーンブースターの音量を下げるようにONにすることで歪みも減らして比較的クリーンなサウンドにする。なんてやり方もあります。
この場合のクリーンブースターはイコライザーなどでも良いかと思います。
RC boosterが発売されクリーンブースターが一般的になる前はイコライザーのボリュームレベルのみを上げて使うなど、クリーンブースター的に使用している方も割といました。
歪み量や音量調整などのためにブースター、オーバードライブ、ディストーション、アンプの歪みのセッティングを今一度考えてみると面白い発見があるかもしれませんよ!!
という訳でエフェクターの使い方の裏技!!3つの例を紹介しました。『裏技か?』と言われると何とも言えませんが(笑)「そんな使い方もあるのか!試してみよう!」と思った方、そういった姿勢で色々試してみるのが自分のサウンドを見つける第一歩かと思います。
リバーブやコーラス、フェイザーなどを歪みの前につなげたって面白い音が出ればいいのです!自由だ!
壁の外には炎の水、氷の大地、砂の雪原があるはずだ!!
それがエレキギターの他の楽器にはないよい所なのだ!!
と考えつつも、筆者はライブの際の音量に関してはリハーサルの時に入念に探るようにしています。演奏する場所によってかなり違ってくるため適切な音量を探します。
自由だー!!アンプは全てMAXのフルテンだーー!!
では弾いているあなたは気持ちいいかもしれませんが、聴いている人には騒音でしかない場合が多々あります。
「音量のコントロール」もギターリストの実力を問われる一つであると考えましょう!!
この手のエフェクトペダルの使い方のアイデアは色々ありますので、またネタを思いついたらVol.2を書くかもしれません!ではまた!!