エレキギターとアンプはセットで一つの楽器と言われているが、それと同様にギタリストと“歪み”は切っても切り離せない関係にある。
その永遠のテーマとも言える歪みエフェクターは“沼”と言われるほど数多くの個体が存在し、世に放たれている。
昨今は半導体の不足や各パーツの希少化により、エフェクターの価格も高騰を辿る一方。
そんな中「良い製品を良い価格で提供する」と言うコンセプトを掲げ、往年の名機をコストを抑え再現しているのが「WARM AUDIO」だ。

そんな「WARM AUDIO」から今回は「ODD Box v1」を試奏してみた。
ルックスから分かる通り某有名オーバードライブのオマージュ系ペダルだと思われる。
Volume、Tone、Driveと言うオーソドックスなツマミに、UK/USと言う2つのモードを切り替えるトグルスイッチが付いている。電源は9VDCで駆動する。

試奏にあたって、ギターはSTタイプとES-335を、アンプはMESA BOOGIE Expressのクリーンチャンネルを使用し、SHUREのSM57でマイキングしてDAWにレコーディングした。
■【製品レビュー】WARM AUDIO/ODD Box v1 by YamashiRoll
まずはSTタイプから
ここでは「ODD」のモードをUKに設定。
低めのゲインでのサウンドをチェック、、。
音にハリとコシが出て、オープンで元気な印象。ピッキングのニュアンスにも反応してくれて、カッティングでもブライトなキレを出してくれた。
個人的にもとても好きなサウンドだ。
次にゲインをフルテン、、いや、日本人特有の遠慮を入れてフルテンの気持ち手前のサウンドをチェック、、。
近年のハイゲインペダルほどは歪まないが、ブリッジミュートでのザクザク感は出るのでハードロック辺りまではしっかりカバー出来る歪み量はある。分離感も良いのでテンションコードを弾いても潰れない。
ハムバッカーとの相性も良い。
続いてはギターをES-335に持ち替えて
「ODD」のモードをUSに設定。
ここでもまずは低めのゲインからサウンドをチェック、、。
UKモードと比べて落ち着いたサウンドで自然でウォームな印象だ。
勿論ギターを持ち替えた事も関係しているが、それと同様にUK/USのモード切り替えは「ODD」の音作りに大きく影響する。
USモードはオールドなサウンドでブルースなどにも合いそうだ。
次にゲインを半分くらいまでアップさせて、サウンドチェック、、。ジューシーで歪んだ中にも温かさを感じる印象。こちらも割と複雑なテンションコードを入れても歯切れは失われなかった。
弾いていて凄く気持ちが良い。
総評としては
ローゲインからハイゲインまでどんな設定でもしっかり“音楽的なサウンド”を作れる良質なオーバードライブペダルだと感じた。ギターやアンプとの相性を考慮してモードを選ぶとスムーズに音作りが出来るだろう。
このクオリティーを考えると価格もとても良心的なので、初心者の最初の一台としても中級者や上級者のスペアの一台としても“持っておいて損は無いペダル”だ。

コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら