WARM AUDIO WA-47のレビューを書かせていただくことになった。個人的にこのマイクは好きなバンドのプライベートスタジオで使用されていたり、気になっていた一台である。当スタジオは私、ドラマー粕谷謙介のプライベートスタジオなのである。
ここで最近よく録音するのが、Amsableというアプリのコンテンツ制作である。ジャズのビッグバンド編成を基本的な編成として、個々に管楽器、リズムセクション、ヴォーカルを録音し、アプリ上で自由に個別のトラックをオンオフできるものである。そのコンテンツ制作で大事なのはまるで隣にプロの管楽器奏者がいるような「臨場感」。それを実現するにはより近くて迫力のある音像というものが大事になってくる。それを期待しての試用である。
WARM AUDIO ( ウォームオーディオ ) / WA-47 コンデンサーマイク
まず、箱やホルダーの質感が良いのが気に入った。それだけで、所有感を満たしてくれ、作業に思い入れが強くなる。マイクのルックスも、まさにヴィンテージのそれで文句がない。

マイクプリに通しただけの、マイクの素の音で試してみた。今回はサックスで使用してみたが、大事なのは5000Hzから10000Hzの倍音表現。しかし、それが強調され過ぎている現代のマイクだと、音のボディである500Hzから1000Hzあたりの部分が痩せてしまう。このマイクはEQ調整しなくてもそのバランスが理想的で高音域も艶があり痛い感じはない。サックスのサブトーンが心地よい。

スタジオ所有のコンプレッサーWA76を通してみるとニュアンスは変わらないままより張り出し感のあるサウンドとなり、アプリに必要な「臨場感」を体現しているサウンドとなった。

コストパフォーマンスもとても良く感じる。これは本来のヴィンテージサウンドの入口としてベストチョイスと言える一本になると確信した。
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