先日、バンドのPA依頼をいただいた。
打ち合わせを重ねて必要な機材の確認と準備を前日までに完了させ、当日は余裕を持って現場に向かう。
今回のPA内容はお祭りのステージでのバンドのオペレーション。同じような現場は何度も経験しているのだが、過去に経験したものとは違ったPAとなった。
その違いとは、イベントを通して別の音響屋さんが入っていて、メインのミキサーとスピーカーなどの音響システムが組まれている。バンドのステージの時のみ、別のミキサーでバンドの音をまとめてメインのシステムに送るといった内容であった。
しかも準備時間は30分とタイトなスケジュールで、その間に楽器準備と配線及びマイキングを完了させる必要があり、リハーサルはないといった状況。おそらく打ち合わせ通り行くことの方が少ないので、状況に応じ即座に判断が求められる現場だった。
とりあえずステージの準備ができる時間になる前にPA卓の準備を行う。

今回私が使うミキサーはUi16。
Soundcraft ( サウンドクラフト ) / Ui16 Wi-Fi コントロール・デジタルミキサー 16ch
自宅である程度仕込みができるので、こういった現場には向いている。ミキシングもタブレットを使ってPA卓から離れて行えるので自由度が高い。
ケーブルはステージまでの距離が不明だったのでマルチケーブルを準備していたのだが、これが正解。PA卓からステージまで20mはあるので、バラで配線を行うとかなり大変な作業となる。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MULTILINK16/4-20
このあたりの下準備ができていたこともあり、バンドのオペレーションは時間内に行えた。
ここで今回のタイトルにある「配線」について考える。
マルチケーブルがあることによって時間の大幅な短縮が行えた。これはとてもよいこと。しかし準備と撤収の際に重さが気になってしまった。店舗に常設したり、時間や人員に余裕のある現場ならば大して気にならないだろう。今回は時間も限られていて、一人で準備を行う中で重さの問題に気付いてしまった。
この問題の答えとしてはステージボックスがあればよいが、私の場合はアナログミキサーを使うことや現場のミキサーを借りることも多い。そうなるとデジタル系のステージボックスはハードを選ぶので使用するのは難しい。
何かよい方法はないかなと帰りの車の中で考えていたら、丁度よい機材があることを思い出す。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / BDF104L マルチケーブルボックス
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / BDM104L マルチケーブルボックス
BDM104LとBDF104Lだ。
イーサコンケーブルで接続すると4chのマルチケーブルボックスになる。チャンネル数が少ないかなと考えたが、ステージの上手や下手で分けて使えることやモニター用の送りを別で作れること。汎用性は高いのではないだろうか?
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CAX812 4ch(メス)+ 4ch(オス)
ラックマウントできるタイプもある。
来年はマルチケーブルボックスを導入して、配線システムを一新してみようと計画することになった。
つづく