いきなりですが「sq」何と呼ぶか分かりますか?
普通に生活していたら目にすることがないので、分かる方はやや少ないと思います。
「sq」はスケアと呼びます。スケアとは電線の太さの単位です。1スケアはおおよそ1平方ミリメートルの断面積となっています。平方ミリメートルを英語ではsquare millimeterといい、squareの頭2文字を取ってsqと表します。
ちなみに電線には単線とより線の2種類があり、より線のみスケアの単位を使用します。単線は直径をmm(ミリ)で表します。
このsqという単位ですが、日本ではJIS規格で定められています。アメリカではUL規格においてAWG(American Wire Gauge)という単位で定められている一方、ドイツではDIN規格で定められており、国によって規格や単位は違い統一されていません。
単位が統一されていないので悩ましい問題もあります。

私が使用しているワイヤーストリッパーですが、左右に数字が印字されています。
左側はAWG、右側はMMとあります。先述した説明でAWGはアメリカの規格ということが分かります。MMはストリップ穴径(φmm)です。sq表記はないのでカットするケーブルがsqでサイズが表示されているとAWGとsqを頭の中で変換しながら行うので大変です(0.3sqのケーブルだったら22AWGでカット)。
ワイヤーストリッパーを使い始めた頃はサイズを間違って芯線まで切ってしまうこともありました。慣れれば見ただけでサイズが分かるようになります。
修理においては海外製品と日本製品によって使われている配線素材の規格が違うので、サイズ及び許容電流に問題がないか都度確認しながら行っています。
■ サウンドハウスで取り扱っている商品で規格の違いを紹介
- オーディオ用ケーブル
- 導体:HC-OFC 0.4sq
- スピーカーケーブル
- 導体芯線: 1.31mm2(16AWG)
OYAIDEとBELDENのケーブルを例に紹介します。
ここで注目してほしいのは太さの表示。OYAIDEは0.4sqに対してBELDENは16AWGとなっています。この違いは日本製かアメリカ製といったところが大きく関係してきます。
OYAIDEといったら創業70年以上の歴史があり日本を代表するケーブルメーカー、国産なのでJIS規格が適用されています。
BELDENは創業100年以上となるアメリカのケーブルメーカー、UL規格が適用されています。
こういった点に注目してケーブルの背景を調べるのも面白いですね。
ちなみに上記はわかりやすい例を取り上げました。規格によって良し悪しがあるわけではありません。また、sqとAWGどちらの記載もある商品もあります。
珍しい単位、まだまだあるので機会があれば紹介します。
お読みいただきありがとうございました。