1. はじめに
みなさん、こんにちは。サウンドハウス営業の高瀬です。
「DASLIGHT/DVC4 HOW TO 講座」 第3回目。
今回は「マルチユニバースの設定」についてご紹介します。
2. ユニバースとは?
世界標準の照明通信規格であるDMX512はその名の通り、1本のケーブルで512チャンネル(ch)分の信号を送受信します。小規模なライブステージやイベント演出の照明制御を行うには512ch分あれば十分かも知れません。
しかし、ドームやスタジアム級のコンサートや大規模なイベント演出には、1,000から10,000を超えるような複数のチャンネルによる照明制御が必要です。
そのような場合、512ch分ではすべての照明の動きを制御しきれません。
そこで「512ch=1ユニバース」という単位で捉え、複数のユニバースを操作することにより、大規模な照明制御が可能になります。
百聞は一見に如かず!
早速、DVC4を使用してマルチユニバースの設定を行ってみましょう。
3. 使用する機材
PC(DVC4インストール済み)
DVC4インターフェース(512ch以上対応)
LEDパーライト(DMX対応)
DMXケーブルx 2本
DVC4インターフェースには下記を使用。
DASLIGHT / DVC4 GOLD ZM DMXコントロールソフトウェア/インターフェース
また、灯体には下記の機材を使用。
AMERICAN DJ / Dotz Par
AMERICAN DJ / PAR Z100 3K
4. 接続方法
接続方法は下記の通りです。
DVC4 GOLD ZMには、DMX 出力(XLR)が2系統あります。
それぞれの出力端子からDMXケーブルを用いて灯体へ接続します。
5. 灯体の設定
まず、灯体(照明機材)のチャンネルモードとスタートアドレスを設定しましょう。
今回は下記のように設定します。
どちらもスタートアドレスを同じ「1」とすることがポイントです。
6. マルチユニバースの設定方法
それでは、いよいよDVC4の設定です。
DVC4のソフトを立ち上げ、まずDotz Parのパッチを行います。
i) 検索ウィンドウに「dotz」と入力。
ii) フィクスチャウィンドウから「dotz par / Mode 1 (3チャンネル)」を選択。
iii) Patchボタンをクリック。
iv) 右のパッチマップにDotz Parがパッチされる。
次にPAR Z100 3Kを2つ目のユニバースに設定します。
デフォルト状態ではUniverseは1つのみになっているので、右隣の+マークを押してUniverse2を作成します。
Universe2が生成されました。
先程と同様の手順でPAR Z100 3Kをパッチしてみましょう。
※PAR Z100 3Kのフィクスチャファイル(SSL)の登録が無かったため、今回はGENERICタブよりPAR64で代用しました。
チャンネルモードは同じ1チャンネルの生明かりなので動作には全く問題ありません。
PARZ100 3Kも右のパッチマップにパッチされました。
これで設定は完了!
・・・と思いきや、もうひとつ行うことがあります。
それはDVC4 GOLD ZMのDMX OUT設定です。
編集>preferences>Devicesの順にウィンドウを開きます。
DVC4 GOLDの「Output-2」が空白になっています。
これではUniverse2が出力できません。
プルダウンメニューからUniverse2を選択し、右のチェックボックスがActiveになっていることを確認してください。
7. 灯体の制御
では、試しに灯体を点灯させてみましょう!
まずはDotz Parです。
i) 画面左下のGeneralタブをクリックしてすべてのフェーダーを表示させます。
ii) 1chのフェーダーを上げます。
iii) 灯体は2台ともスタートアドレスは1ですが、Dotz Parだけが赤く点灯しました!
iv) ユニバースが1になっているからですね。
次にPAR Z100 3Kも点灯してみましょう。
i) フェーダー上部にあるUniverseプルダウンメニューにてUniverse2を選択します。
ii) 1chのフェーダーを上げます。
iii) PAR Z100 3Kも点灯しました!
8. まとめ
いかがでしたか?「ユニバース」という言葉がなんだか難しそうに聞こえてしまいますが、実はとってもシンプル!
はじめての照明制御から、512chを超えるような本格的な照明制御まで幅広く対応するDASLIGHT/DVC4はやはり魅力的ですね。
それではまた次回をお楽しみに!
DASLIGHT / DVC4 HOW TO講座
第1回「ムービングヘッド - サークルエフェクトのプログラミング方法」
第2回「MIDIコントローラーの使用方法」
第3回「マルチユニバースの設定」
第4回「Scan Libraryエディターの使用方法」
第5回「3D Visualizerの使用方法」
第6回「シーンを同時に再生する方法」