照明機器を購入する際に『どのくらい明るいのだろうか?』と考えたことはないでしょうか。
一昔前だと白熱電球がメインだったのでW(ワット)数を見て大体のイメージはできたと思います。
現在だとLED照明が主流になり、以前の様にW数を見て明るさが分かるということは少なくなりました。
ホームセンターや家電量販店で売っている家電用LED電球やLEDシーリングライトは100W相当だとか60W相当だとか分かりやすい様にパッケージに記載されていたりします。
上記以外だとLED照明の明るさが分からない場合もあるかと思います。
ちなみにW(ワット)は消費電力を示す単位であって明るさを示す単位ではありません。
白熱電球では消費電力が大きければ明るさも大きくなっていたのでWが明るさの単位であるかの様に使われてきました。
■ ルーメン(lm)とは?
ここでLED電球の明るさの基準「ルーメン(lm)」 が登場します。
なぜルーメンという単位が現れたかというとLED照明は白熱電球と比べて低いW数で同等の明るさになるので、以前と同じ様にWで表記すると明るさが分からなくなるためにルーメンが使われる様になったと言われています。
では、ルーメンという単位がどの様な値か説明します。
まず白熱電球との比較が分かりやすいかと思うので下記を参照してください。
ルーメンの単位を白熱電球(E26口径)だと何Wに当たるか比較
- 20W 170lm
- 40W 485lm
- 60W 810lm
- 80W 1160lm
- 100W 1520lm
なんとなくルーメン表記の明るさが分かってきたかと思います。
小型電球やボール電球、ハロゲン球など、形状が違えば明るさも違ってくるので参考値と思ってください。
ここまでの説明で一般的に販売している家庭用LED照明の明るさ選びは問題なく行えるかと思います。
ではパーライトなどの舞台用のLED照明機器の場合はどうでしょうか。
弊社も含めてですがルーメン表記されているLED照明機器はほぼないかと思います。
舞台用照明は調光やエフェクトで明かりの強さも変化するので、ルーメンで表すことが分かりにくく難しいと思われます。
その代わりの単位として照度を表すルクス(lux / lx)が使われることが多いです。
■ 照度(ルクス = lux / lx)とは?
照度とは何かと言うと、平面上の物体に照射された光の明るさを指します。
具体例をあげます
- 暗所で100Wの白熱電球を点灯させ、60cm離れた所で約500lx
- 蛍光灯が並んでいる事務所内でのデスクの上が約500lx
- 街灯下 約100lx
- ろうそく20cm離れて約10lx
- 月明り 約1lx
ちなみに私のデスク上で照度計を用いて計測した結果がこちら
採光する場所によって変化はありますが大体500lx前後でした。
普段生活するにあたって500lxあれば問題ないことが分かります。
細かな作業等しないリビングとかは300lxくらいの照度があれば問題なく生活できます。
■ 舞台用照明機材の選び方
ルクスの明るさがなんとなく分かったと思いますので舞台用照明の話に戻ります。
舞台用照明にはメーカーサイトやマニュアルに必ずと言っていい程、測光グラフが記載されています。
一例を挙げます。 こちらはAMERICAN DJ ( アメリカンディージェイ ) / Dotz Par LEDパーライトのマニュアルに記載されている測光グラフです。
レンズ角の違いや点灯させる色、距離により照度がどれくらいになるか細かく記されています。
灯体自体が小さい機種ですが、照射角度が25°の場合RGB全ての色を点灯させて5m離れても街灯下より明るいことが分かります。
物事の基準点が分かっていればどの程度の明るさなのかがイメージしやすくなりますね。
顔当てにして表情を出したいのならば500lx程、シーンとして雰囲気を作りたいならば100lx程あれば十分ではないでしょうか。
設置場所の広さと用途に合わせて灯体を選ぶことが重要ですね。
AMERICAN DJ ( アメリカンディージェイ ) / Dotz Par LEDパーライト
この記事が照明選びの参考になれば幸いです。