ディマーパックにおけるちょっとした話をします。
電源が落ちて以降、点灯しなくなってしまったという症状でDP415Rが修理に持ち込まれました。

動作チェックをしてみると、確かにランプが点灯しませんでした。
内部基盤のチェックをしていきます↓

なんと、CH1からCH4まですべての抵抗、ヒューズに焼損の形跡が見られました。
となると基盤自体の品質が悪かった?不良品?となるかもしれませんが、通常使用している場合はこうはなりません。原因はきちんとあったのです。
■ ハロゲンランプとLEDランプの違い
この2つの点灯方式の違いとしては、交流電源か直流電源のどちらで点灯するかにあります。
ハロゲンランプは交流電源をフィラメントに流し、そのまま点灯させることができます。
一方、LEDランプの点灯部分であるLEDダイオードは直流電源でなければ点灯しない・一方向にしか電気を流さない性質があり、電気を流す方向を間違えたりするとダイオード自体が焼損して壊れてしまいます。
そのため基本的にLED照明には、交流(AC)を直流(DC)に変換する装置が搭載されています。
ディマーパックは位相制御方式ですので、交流電源の位相を利用して点滅タイミングを操作しています。位相操作によって電源波形が歪むことで、LED照明に搭載されているAC/DC変換装置などの回路に影響を与えてしまい、過負荷状態となります。そして、回路への突入電流が最大定格電流を超えてしまうのです。
言わば、ディマーパック回路の直接的な破壊につながっています。
位相制御方式については過去ブログ「ディマーパックは電源タップではない?」で紹介しています。
今回お預かりしたDP415Rも、持ち主のお客様にお話を伺うとやはりLEDランプ複数台接続していたとのことでした。
■ まとめ

家庭用のLEDランプはコンセントに接続するタイプが主流で、ディマーパックでもそのまま点灯すると思ってしまうかもしれません。
ですが、性質や構造を理解していない場合、こういった形で故障に繋がることもあります。
ディマーパックのような調光機器に照明機器を接続する際は、必ず調光器対応タイプかどうかご確認ください。
電気についての正しい知識を持ってご使用いただきますと幸いです。
以上、ご精読ありがとうございました。