最近はすっかり凍えるほど寒くなりましたね。
こういうときにハロゲンランプ系の照明機器の修理依頼が来ると、なぜか積極的に修理したくなるものです。(決して暖をとりたいからじゃないですよ。決して。)
それはさておき、ハロゲンランプってなに?というところからざっくり切り込んでいこうかと思います。
目次
■ ハロゲンランプとは?
ざっくり言うと電球です。商業施設や街中でも見かけたことがあるかもしれません。
呼び名は「ハロゲンランプ」「ハロゲン電球」どちらも同じものを指しています。
『白熱電球と同じじゃないの?』と、思われるかもしれませんが、すこし違うのです。白熱電球と比較して特徴を解説していきます。
(白熱電球と対比するため、以下よりハロゲン電球という呼び名に統一します。)
特徴としては、白熱電球よりもサイズが小さい、白熱電球よりも光が強い、かなり熱くなる、といったものが挙げられます。
スポット的に光量が必要となる場面で使用されており、強い光を放つためステージ照明でも使われています。また、通電し点灯させている間は明るさや色温度が変わる事がほとんどありません。
左が白熱電球、右がハロゲン電球
■ ハロゲン電球の構造
ガラス球内部のフィラメント(細い金属の線)に電気を流して発光させています。そしてこのガラス球内部にはハロゲン系のガスを封入しており、そのことからハロゲン電球と呼ばれるのですね。
(ちなみに、白熱電球は主にアルゴン等が封入されているようです。)
■ ハロゲン電球のメリット
電球自体のサイズが小さい上に光量が強いので、照明機器もコンパクトに抑えられ、設置コストの削減とパワーのある照明としての役目を果たすことができます。
明るさや色温度が変化しにくい特徴があるため、店頭ディスプレイを照らす用途で商業施設での使用や、スタジオや演劇などのスポットとしての使用にも適しています。
■ 豆知識~ハロゲンサイクル~
ハロゲン電球にはとある機能があります。
ハロゲン電球が発光した際、発光(発熱)の中心であるフィラメントは蒸発をします。その時、蒸発したフィラメントは発光管内部を漂い、一度ハロゲンガスと化合します。そしてガスの状態となったフィラメントは熱されることで再びフィラメントに戻るのです。
こうしたサイクルがあることによってフィラメントが細くなる劣化が抑制され、長期間の使用を可能にしています。 具体的には、白熱電球と比較して約2.5倍も寿命が長いそうです。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか。 ハロゲン電球というのはかなり高温・高出力の光源となりますので、寿命が短そうですよね。
でも実際は、意外にも白熱電球より寿命が長いということで私たちの生活に欠かせないものとなっています。
例えば、毎日見かけるような自動車のヘッドライトなんかもハロゲン電球が使われていますね。
ただ、近年ではエコの観点から高エネルギーのハロゲン電球の使用を段階的に禁止になる国が増えており、イギリスの例を挙げると高エネルギー電球は販売が法律で禁止になっていたりします。スタジオやステージ照明などに設計された専用照明は除外されているそう。
日本国内でもハロゲン電球の生産が終了というメーカーも増えてきており、LEDへの移行が推奨されています。しかし、ステージで使用するハロゲン電球はまだまだ需要があると思われるので無くならないで欲しいですね。
以上、ご精読ありがとうございました。