今回は、ELATION ( イレーション ) / UNI-PAK II ディマーパックの修理例をひとつご紹介します。
ELATION ( イレーション ) / UNI-PAK II ディマーパック
今回の個体は「調光ができなくなった」ということでお客様からお預かりしました。
それでは症状を確認していきましょう。
コンセントに繋ぎ、電球を接続してみるとすぐに症状の確認ができました。

写真のようにフェーダーの値が「0」なのにも関わらず、電球が点灯しています。
さらに、フェーダーを動かしてみても調光できず点灯したままです。
お客様の言う通り、調光できません。
詳しい原因を探るために、ケースを開けて中を見ていきましょう。

なにやら中央に3本足の黒い部品が見えます。これはトライアックという部品です。
このトライアックで電球に供給する電力を制御しています。
ここで簡単にトライアックの説明をします。
トライアックとは半導体部品で、主に「スイッチング」と呼ばれる電気を止めたり通したりする動作によく使われる部品です。
このスイッチング動作で電気を流す量を変化させて、電球の調光を行っています。
主にディマーパックではフェーダーを上げ下げした値に合わせて、トライアックで電気の量を調整し、照明の明るさを変えています。
電気をたくさん流す→明るく光る
電気をあまり流さない→暗く光る
この様なイメージです。
一般的には下の図のような回路記号で表され、G端子に信号を入力することで、T1からT2(T2からT1)に流れる電力を制御します。

簡単に説明したところで、トライアックの状態を確認してみます。
テスターでT1とT2の導通を測ってみます。

テスターは0Ωで導通しています。本来であれば、G端子に信号が入らないと電気が流れないので、導通してはいけません。
常に導通しているため、電気の量を制御するしないに関わらず流れ続けてしまいます。そのため電球が常に点灯してしまうという訳です。
原因が分かったところで、トライアックを交換して再度症状が出るのか確認します。
交換したトライアックはT1とT2は導通していないので、O.L表示となっています。

コンセントに繋いでみると、フェーダーが0ではちゃんと消灯しています。

フェーダーを上げてみると・・・

しっかり光ります。 トライアックの故障で間違いないですね。
これにて修理完了となります。
ディマーパックを使用する際は、最大出力電流に注意してご使用ください。
この値(UNI-PAK IIは10A)を超えてしまいますと、ヒューズが切れたり、今回のようにトライアックが壊れてしまったりと調光できなくなってしまう恐れがあります。
以上、お読みいただきありがとうございました。