『じゃじゃ馬』と聴いたときに、皆さんは何を思い浮かべますか?言葉の意味そのままに、なかなか言うことを聞かない性格でしょうか。あるいはシェークスピアの喜劇?もしくはゲートで立ち上がり大幅に出遅れをかました宝塚記念でのあの馬でしょうか。いや、あのレベルはじゃじゃ馬とかそういうレベルじゃないかもしれませんね。
……閑話休題。今回扱うじゃじゃ馬はこれです。


そう、ムスタング。車ではなく、ギターのほうです。今回はこのギターが主役です。
改めて今回のギターの紹介です。
Squier Vintage Modified Mustangです。
これを見て某アニメを連想した方、残念ながら違います。決してギターがめちゃ上手い黒髪ツインテの後輩キャラに寄せてチョイスしたわけではありません。なんならそのアニメだって、原作漫画(続編含む)とアニメ1期2期、劇場版くらいしか知りません。
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はい。キャンディアップルレッドのマッチングヘッドにダイナミックトレモロ。ムスタングらしい仕様です。

ペグは、構造自体はクルーソンタイプそのままですが、8角形の白ボタン。ボタンだけ若干Fキーに寄せていますね。とはいえ、ボディにコンターがなかったりするので、全体のEarly ’60sな雰囲気とはややミスマッチな気がします。まあこれはSquierらしさと言えるかもしれません。
2023年になってすぐに中古で買ってからというもの、弦すら交換していません。弾けなくはありませんが、各所もろもろ改善の余地ありです。
というわけで、今回はこのムスタングを頑張って調整したいと思います。
■ ネックの作業

まず、ナット溝の高さ調節ついでに、使いたい弦のゲージを考えて幅をやや拡張しておきました。ナットで弦への締め付けがないことは、左右の遊びがないことと同じくらいチューニングの安定性の観点からとても大事です。
次はフレットと指板を磨きます。個人的に、常にフレットをピカピカにしておく必要はそんなに無いと思っています。ですが、錆は絶対に防いだほうがよいです。弦へのダメージが非常に大きくなります。
……やることがこれだけだとなんか悔しかったので、ヘッドトップをポリッシュでこれでもかと磨きました。完全に気分です。
■ ボディの作業
続いてボディです。今回はあくまで調整ということで、ネック以上にやることがなかったため、無理やり増やしました。


はい。コンパネ側の配線を一新しました。いくらパーツが余っていたとはいえ、いくらボディ側の作業が磨き上げくらいしかなかったとはいえ、もったいないことしたなって、ちょっとだけ今は思います。
ポットはミリサイズのCTSを使ったんですが、コンパネの穴は最初からインチでした。わざわざミリ規格を選ぶ必要ありませんでした。事前確認って大事。
ちなみにピックガード裏はこう。

ダンカンデザインのストラト用、リア/センターのセットです。この組み合わせにすることで、同位相時のハーフトーンでハムキャンセルが可能、つまりノイズが減るということですね。
しっかりボディも磨きます。

■ 組み込み
各部OKになったら、あとは組み込むだけです。ばらした時と逆の手順を踏むだけですが、このギターに関してはネックポケットにシムを噛ませておきました。ムスタングだけではなく、ジャズマスター、ジャガー等の演奏性を改善するのにも有効な手段です。
あ、ちなみにパーツも磨きましたよ。
パーツの実装が終わったら弦張り、調整です。今回はGHSの10-52
GHS ( ジーエイチエス ) GB-TNT BOOMERS 6-STRING - Thin-Thick
を張りました。個人的にショートスケールに太めの弦はマストです。
■ 完成


堂々と完成後の写真を載せた割に、見た目にほぼ変化がありませんでした。まぁ外から見える場所のパーツは変えていませんからね。
とはいえ、作業前後で弾き心地は雲泥の差です。サウンド面でももちろん変化はありました。
電装系、セッティング、弦のゲージをすべてマルっと変えてしまったため、ここを変えたのが大きかった!といったところが分からないのはご愛嬌。
チューニングの安定性はぼちぼち、といったところでしょうか。チョーキングしてもずれにくくなりました。アーミングしたら滅茶苦茶ズレますが……。
今年が始まってすぐに、安かったからという理由でなんとなく購入したこのギターですが、せっかくここまでやったし、たまには弾こうかなって思います。

では、サヨナラのBGMは
The 1975 - Chocolate (Official Video) - YouTube
で!Gt. Vo.のマシュー・ヒーリーのムスタングが個人的に印象深いです。
ちなみにサウンドハウスでもいろんなムスタングを取り扱っています!