こんにちは。こちらに投稿させていただいておりますYoshitakaです。
いきなりですみません。私、男性ですが、身長162cmと小柄で筋力も弱いので、ベース選びは何度かの試行錯誤の後、30インチショートスケールに落ち着いています。オクターブ奏法等の際に運指がラクですし、重量も例えばアッシュ材のジャズベース(音が良いのは重々承知です。)からするとかなり軽く取り回しが良いので、気に入っている次第です。今回の投稿ではそんな私が愛用する少しマニアックなショートスケールベースを紹介させていただきます。
1. 有名どころのショートスケールベース
おそらく最も有名なものはFender Mustang Bassだと思います。こちらについては2020年に記事を書いておりますので、ご興味ある方はまずはご参照ください。
それ以外ではGibson SG Bass やポールマッカートニーで有名な Hofner バイオリンベースでしょうか。これらについては多くの記事や動画、演奏シーンが確認できるので、当記事ではこれら以外のある意味少しマニアックな機材を紹介いたします。以下、紆余曲折の末、現在私の愛機となっていますので、単なる製品紹介のみならず個人的なレビューをお届けいたします。
2. G&L Tribute Series FALLOUT Short scale BASS

G&Lのショートスケールベース FALLOUTはMustangを彷彿させるデザインでハムバッキングピックアップを搭載しています。
Tribute はインドネシア製ですが、ハードウェアはUSA製、作りもしっかりしていると思います。ピックアップの性能からか、小ぶりなサイズらしからぬ太いサウンドが出せます。
セレクターでハムバッカーらしい”Parallel”、リア側コイルのみの”Sprit”、そして直列接続した”OMG(Oh My God)”のサウンドの3つを選択できます。個人的には”OMG”が一番音の芯がしっかりしている気がして、メインがこの設定です。
G&L Tributeシリーズはストラト系ギターなども含めて製造年によって、材が変わることがあるようで、私が所有しているFALLOUTはバスウッドですが、2022.4現在ではポプラになっているようです。
あまり見かけない楽器かもしれませんが、ロック等、ルート弾きでボトムを支えたりする形にも良く合うと思っています。
Fender Mustang(USA,JAPAN)で見られる弦の裏通しはないのですが、テンションはしっかりしていて、快適です。重量については、小ぶりでバスウッドの割には少し重く私の個体で4.07kgです。G&Lのギター、ベースはブリッジ等にかなりしっかりした金属パーツを使用しているのでそういう影響もあるかもしれません。
なお、付属ギグバッグが物凄くしっかりしています(販売時期にもよるのかもしれません)。USA製より良かったのではと思います。
3.GrassRoots G-AC-BASS
ESPのミドルエントリーブランド、GrassRoots のアコースティックベース G-AC-BASSです。
マホガニー単板をくりぬいた厚さ50mmの極薄胴アコースティックベースです。アコースティックベースとされていますがピエゾではなく、1Vol1Toneのシングルコイルピックアップ搭載モデルです。
価格帯としてはエントリグレードかもしれませんが、この機材のライバルは多分不在なので、唯一無二の存在として重宝しています。ピエゾ搭載アコースティックベースやエレクトリックアップライトベースとは性格を異にする機材で、小型(30インチより若干短い753mmスケール)、くりぬきボディゆえに超軽量です。ベースとは思えない軽さ(私の個体で2.07kg)で、気軽に手に取ることができ、取り回しも抜群です。
ESP設計のこの機材、演奏性にかなりの工夫がなされています。サウンドホール下側にフィンガーレストが設けられ、またソリッドボディでないにも関わらず、弦の裏通しを採用、ヘッド角も少しつけているため、緩くなりがちな弦のテンションを確保しています。低弦高で弾きやすく、適度な生鳴りがあるため、アンプを通さない練習にもぴったりです。

受注生産でフレットレス仕様もESPは提供しています(G-AC-BASS-FL)。ショートスケールフレットレスはひょっとしたら個別カスタムオーダ等を除けばこの機材一択かもしれません。
宅録機材として、フォークソングやボサノバなどアコギ編成曲で活躍していますが、楽器からミキサー直だとやはりアコースティック感に物足りなさを感じます。そのため、L.R.Baggs Para Acoustic DI経由で録音しています。個人的にコストパフォーマンスはかなり高い機材ですが、超軽量ゆえに立演だとヘッド落ちします。もちろん座演であれば問題なしです。弾き語りストさんからベースもやってみたいと相談されたので当楽器をお勧めしました。ただアンプラグドで使えるほど生音は大きくはない点注意が必要です。
【参考】ESPホームページから当製品を探す場合、GrassRootsのBASSESカテゴリではなく、GUITARSカテゴリG-ACに中にあります(2022.4.8時点)。G-ACギター系は「単板」の記載がない気がするのですが、こちらは「単板くりぬき」と記載されています。材の量はベースが多い気がするのでお得な気持ちになっています。
4. Ibanez EHB1000S-ヘッドレスベース
世界的に珍しい(多分他にない)、「ヘッドレスの」ショートスケールベースです。Ibanezが2021年に発売し、現在カタログから落ちています。アニバーサリーや特別仕様を販売することもあるIbanez Workshopの中でも、この機材は特に販売期間が短くなりそうです。既に市場在庫のみで中古市場に出回ることも稀だと思うので、気になる方はお早目が良いと思います(2022.4.8時点でサウンドハウスさんに在庫があります)。

Ibanezは2021秋発売のエレキギターQシリーズでヘッドレス市場を席巻しています。ベースに関してはそれよりも少し早く2020年だと思いますが、この2年間で様々な機種が発売されたようです。4弦はショートスケール、ノーマルスケール、5弦,6弦はマルチスケール(ファンフレット)とさらに上位機種など。現在、バリエーションは整理されつつあるようで、多弦マルチスケールに向かっている気がします。
Ibanez EHBシリーズ。もちろんヘッドが無く、ボディも小さく、チャンバー(空洞)ボディ採用のため、軽量です。当機材はショートスケールなのでさらに軽いです(私の個体で3.12kg)。
反面、ヘッドレスという構造上、ヘッド角をつけたり、裏通しにしたりという弦のテンションを稼ぐ方法が使えないためか、テンション感にかける弾き心地になります。それでもアクティブピックアップの性能や機能もあってか、上記で紹介した2機材よりスラップ、タッピングなどのテクニカルな奏法にも十分対応できると個人的には思いました(高度な技術駆使できるほどではない点ご了承ください)。コンパクトボディの影響もあり、Mustangよりさらにスケールが短く感じます。慣れの問題かもしれません。テンションが稼げていない反面フィンガリングはラクで、オクターブ奏法なども他のベースより弾きやすく感じます。カラーバリエーションがもう少し落ち着いた色だと良かったのですが、若い女性ベーシストさんがターゲットだったのかもしれません。確かにもっとも弾きやすいベースのひとつかもと思える楽器です。
ピックアップはアクティブのみならずパッシブにもなるのはありがたく、使い勝手の良い楽器だと思います。特にアクティブの調整幅がかなり広いため、パッシブでシンプルにVol、Toneだけで他はミキサーやアンプのイコラザーで調整したいと思う要求に対応できます。ケーブルロックシステムが使いにくい点だけ気になっています。なおヘッドレスは軽量機材ですが、構造上ヘッド落ちしないため、座演、立演ともにバランスが良いです。ライブステージで活躍する機材ではないでしょうか。
5. 最後に
ショートスケールベースはカタログラインナップされても、突然廃盤になることが大手メーカーでも
ある、そういう楽器だと思います。もしご興味があるのでしたら、早めの購入が吉かもしれません。
私自身、譜面みながらベース弾く(指板を見ない)際、スケールが統一されていた方がラクなので、試行錯誤の後、ショートスケールのみで運用しています。正直、一番オールラウンダーはFender Mustangだと思いますが、諸事情で手放して、今回紹介した3本で宅録、Instagramコラボ(コロナ落ち着いたらバンド再開予定)で運用しています。小さくて軽いベースの世界、少しでも知っていただければ幸いです。
以上
長文お付き合いありがとうございました。
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