デスメタルバンドTHE HAUNTEDのギタリストであるOla Englundによって創設されたブランド『SOLAR GUITARS』。モダンなヘヴィメタル・ギタリストのためにデザインされたギターを多数ラインナップするブランドです。この度、幅広い音楽シーンで活躍するギタリスト後藤貴徳氏を迎えて、SOLAR GUITARSの魅力を紹介する動画を公開しました。
まずは、動画を御覧ください!
TVドラマやアニメ、ゲームと様々な音楽シーンで活躍する後藤貴徳氏。アイドルマスターシリーズ、アイカツ!、NieRシリーズ、SINoALICE、Ace Combatシリーズなど携わった作品は枚挙に暇がありません。そんな数々の作品で演奏を披露している後藤氏、ご自身でも自虐されていましたがオフィシャルサイトなどがなく、意外とそのバイオグラフィは謎に包まれていたりします……。
今回の動画撮影の合間にお伺いすることができた、ギターに触れるきっかけとなったエピソードや、スタジオミュージシャンならではのこぼれ話をこちらで紹介!後藤貴徳氏のファンは必見です!
—— ギターを始めたきっかけは何だったんでしょうか?
もともと実家が楽器屋だったんです。両親も楽器をやっていて、僕も最初はトランペットをやっていたんですよ。中学の時にメタルに触れてしまい、「これはやりたい!」と思ってギターを手にしました。
—— メタルへの目覚めはどんなアーティストだったんですか?
もともと邦楽が好きでTM Networkとか米米CLUBを聴いていて、メタルへの目覚めは聖飢魔IIでした。聖飢魔IIのギターソロがいまの演奏スタイルに繋がっている気がしますね。この間、聖飢魔IIを聴き返したんですよ。「BAD AGAIN ~美しき反逆~」って曲があるんですけど、これを目指しているんだ!って感じでしたね、ソロのメロディラインとか特に。
—— 当時好きだったギタリストは?
やっぱりルーク篁参謀や、エース清水長官。あとはヌーノ・ベッテンコート(Extreme)とか。ヌーノのシグネチャーモデルは当時持っていましたね。Extremeのあとはいわゆるシュラプネル系も通りました。
—— ありがとうございます。では改めて、今回試奏して最も印象的だったモデルは?
AB1.7BOPですね。このギターをデザインした方(Ola Englund)のセンスが出た、すごく潔いモデルだと思います。フロントがシングルコイルなのもいいですね。シンプルでありながらサウンドバリエーションを持たせられるので。
—— ボリュームポットを引き上げることでリアのコイルタップも可能です。
あ、そうなんですね(笑)。ほんとにバリエーションが豊富ですね。でも、コイルタップがあることも知らないような状態で触っても良い音が出るのは良いですね。そういう意味でもコントロールがシンプルなのは魅力だと思います。
SOLAR GUITARS ( ソーラーギターズ ) / AB1.7BOP Artist LTD 7弦ギター
あとは実はいま、24フレット仕様、2ハムで、ロック式トレモロが付いてるっていうモデルを持ってないんですよ。収録現場で結構メタル系の依頼も多いので、実は欲しかったりします。
—— やはりロックタイプのトレモロのほうが収録には向いているんでしょうか?
そうですね。アーミングの幅も広いし、クリケット奏法や、ハーモニクス・スクウィールとかも試せるかなって思います。
—— チューニングがすぐに変えられないことは、現場ではデメリットにならないのでしょうか?
現場では一曲毎に録音を切るので、そこまで困らないですね。たとえばドロップチューニングでレコーディングをして、次の曲はレギュラーチューニングで、となっても時間があるので。
—— なるほど。では、フロイドローズ搭載モデルが入荷した際には、ぜひデモンストレーションの第2弾を(笑)。
ぜひぜひ!収録でもアームをグニグニやりたいんですよ(笑)。
劇伴で、アーミングしてノイズを出すようなリクエストを貰うこともあるんです。たとえば後ろで爆発が起こっているような音をギターで入れて欲しい、だとか。とある曲ではギターソロ全部がそういう音だったこともありましたし、アームの需要は大きいと思います。
僕の場合、仕事はレコーディングスタジオが多いんですけど、ギターの種類をいっぱい持って行ったほうが喜ばれるんですよ。「これ1本で何でもできます」というより、たとえばレスポール、ストラト、そしてSOLARのような、ルックスもサウンドもわかりやすくメタルなギターを持って行くと、「じゃあ次はそのギターで行きたい」と作家さんがリクエストをくれるんです。
他にも、収録現場にMarshallのヘッドを持っていくと喜ばれますね。ギタリストとしては、KEMPERとかAXE-FXとかで事足りてしまうじゃないですか。十分にいい音が出せるし。
でも、収録で大きいスタジオを用意してもらっているときに、KEMPERなどコンパクトなセッティングで済んでしまうと「これだけ広いスペースがあるのに、後藤さんこれだけしか使わないの?」となってしまう。なので、実機を持って行くというのはとても大事だと思います。その中でもMarshallというのはブランドのネームバリューがあるので、持っていくと喜んでもらえます。
あと、今日はギターをいっぱい持ってきました!と言うと現場で喜んでもらえるのはもちろん、次の依頼から「ギターいっぱい持ってきてくれる?」となるんです。
実際に弾き比べてみると、ギターの種類によって音が全然違いますし、今回の収録でも感じましたけど、シールドでも音が違う。お仕事を貰う上で、そういう「幅」を持たせておきたいんです。
—— スタジオミュージシャンでも、SOLAR GUITARSのようなメタルに特化したギターを持っておくことは大事、ということでしょうか?
持っておくべきだと思います。サウンドの幅も重要で、1本でいろいろできるギターも持っているんだけども、違うギターで弾くと当然サウンドが違ってくる。できればたくさん持っていって、1本1本とっかえひっかえしながら、その時に合った音を入れていくようにしたいですね。
たとえばアルペジオはテレキャスにして、メタルっぽい、ディストーションの壁を作るようなときにはSOLARのようなギターを使うと、いろいろなギターを使ってくれたとクライアントが喜んでくれる。
—— では、ある意味振り切ったサウンドキャラクターのギターも必要?
欲しいです。メタル系のギターではないですけど、いまジャズマスターも欲しいんです。サウンドが欲しいだけならほかで代用が効くのかもしれないけど、ジャズマスの実機を持っていたい。ジャズマスを持っている、というだけで「じゃあ後藤さんにしようかな」と選んで貰いやすくなると思うんです。
スタジオミュージシャンとして活動されているギタリストさんはいっぱいいらっしゃって、皆さんすごく上手なので、機材でも幅を持たせて、選んでもらえるように努力しています(笑)。
■ デモンストレーター : 後藤貴徳(ごとうたかのり)
TVドラマやアニメ、ゲームなど幅広い音楽シーンで活躍するギタリスト。
主な参加作品は、アイドルマスターシリーズ、アイカツ!、NieRシリーズ、SINoALICE、Ace Combatシリーズなど。ギターエフェクターメーカーOvaltone社製ディストーションペダル「GD-013」の開発に携わるほか、オンラインレッスンも行うなど多方面で精力的に活動中。
Twitter - 後藤 貴徳 Takanori Goto