JBLから久しぶりにPAスピーカーの新商品が発売されましたので、さっそく紹介していきたいと思います。旧モデルEON600シリーズは軽量、高音質でとても人気のあるスピーカーだったので、後継となる新商品ともなると、自然と期待が高まります!!
わかりやすいように、EON612とEON712を並べてみました。
大きさはほとんど変わらず、片手で軽々と持てる感じも変わりありません。

一番違いがわかりやすいのは背面にある入出力パネル部分ですね。

EON612は、シンプルにEQプリセット切替ボタンと各チャンネルとマスターのボリュームつまみという構成でしたが、EON712には、なんと、カラー液晶ディスプレイが搭載されています。使い方が難しくなったと思う人もいるかもしれませんが、そんな心配はいりません。EON712も音量調整は各チャンネル、マスターのつまみで同じように簡単にできます。ただ、それ以上に高機能になっていることに注目してほしいです。

何がそんなにすごいのか!?
さっそく見てみましょう!!
■ Ducking by Soundcraft
マイクで話すときに、自動的にBGMの音量を下げてくれる機能です。ダンスなどレッスン系の用途で嬉しい機能ですね。EON700ではどのマイクで喋ったらダッキングが動作するか、またそのかかり具合まで細かく設定できます。

■ AFS(automatic feedback suppression)by dbx
これはスゴイ。。。。DBXのAFSと言えばPA屋さんの救世主!!とりあえずラックに入れておけば一安心みたいな、そんな位置づけのあのプロセッサーが内蔵されているとは。マイクや楽器などをスピーカーの目の前でわざとハウリングさせてみたんですが、ハウリ音が出だしたところでストンと消えました。その後はその帯域ではハウリングが起きないんです。これはライブでプレイヤーが動き回ることによって、思いがけないハウリングが起きかけたときに重宝しますね。とにかく設定をONにするだけで、あとは自動で処理してくれるんだからこれはONにしときましょう!!ちなみに右側の画像は専用アプリ「JBL PRO CONNECT」の画面です。

■ OUTPUT EQ
EON600シリーズでもプリセットEQが用意されていましたが、EON700シリーズにも、もちろん搭載されていて、8種類に増えています。イコライジングが苦手な人でも簡単に用途に合わせた音質で楽しむことができます。ちなみに画面に出ている詳細なEQグラフはアプリで確認とあるので見てみました!!


■ Pass Thru XLR
これも使う機会が多そうな機能です。よくあるパワードスピーカーの出力端子だと、フルレンジ信号を出すだけというパターンが多いですが、EON700シリーズでは、フルレンジを送るのはもちろん、それ以外に、サブウーファーを接続するのに便利な80Hz以下の低域だけを出力するSubモードが選べます。この時、フルレンジスピーカー側では80Hzより上の帯域が鳴るように変わるため、高域と低域を適材適所で鳴らすことができます。チャンネルデバイダー(クロスオーバー)が無くても、まとまりのある、バランスに優れたサウンドにすることができます。

■ Bluetooth音楽再生
実はEON600シリーズはBluetooth音楽再生に対応していませんでした。EON700シリーズでは可能になったので、例えばマイク1本とBGMでイベント、レッスンをしたり、マイクとギターとBGMで弾き語りライブしたりと対応できる幅が広がっています。

■ JBL PRO CONNECT

EON700シリーズにも、ワイヤレス・コントロールアプリが用意されています!!
使い方は簡単で、アプリを立ち上げて、スピーカーの電源を入れて、上記画面にある「BT Control Pairing」を選ぶと、スピーカー側のディスプレイに下記のような表示が出ますので「Yes」を選択してください。アプリ側の画面でスピーカーの横にある「Connect」をタッチして完了です。


こちらは、各チャンネルのレベルコントロール、スルーアウト、マスターレベルコントロールをする画面になります。他にも本体と同じセッティングを離れたところから設定することができるので、実際に客席やステージ上に立って、音を聴きながら、プレーヤーたちの意見をもらいながら、スピーディーにリアルタイムで対応ができる点は大きなメリットになると思います。
■ 音質がどう違うか
これは感覚の話になるので、あくまで私個人の感想として参考にしてもらえればと思います。
ズバリ、ワンランク上の音がします。
音量的にもそうですが、情報量が増えたという表現がぴったりだと思います。
EON600シリーズも手頃な価格ながらも非常に良い音がしていたのですが、EON700シリーズは全体的にレベルアップされているという印象です。中高域はすっきりとしていて、ベールが1枚取れたようなクリアさを感じました。低音も聴き比べれば、向上しているとはっきりわかる違いがあります。軽量で樹脂製のPAスピーカーが鳴らす低音というと、アタック音のあと、なんとなくボワッと広がっていってしまうイメージがありましたが、EON700シリーズは、ちょうどよいタイト感があり、体に響いてくるロー感を味わうことができました。サウンドハウスでは、比較用音源と動画を用意していますので、ぜひ聴いてみてください。
定番PAスピーカー(パワード)比較
ガチで比較してみました ~JBL EON700シリーズ篇
EON700シリーズはこんな人にお薦めです。
- 各メーカーから出ているエントリークラスのパワードスピーカーを使い込んでいて、もっと良い音がするPAシステムを組みたい。
- ワンオペ現場もあり、PA卓から離れて客席やステージ上で鳴っている実際の音を聴きながらスマホで色々なコントロールをできるほうがいい。
- 難しい操作をしなくても、簡単に良い音が出せるPAスピーカーが欲しい。
JBL EON700シリーズは、さすが最新モデルというだけあり、至れり尽くせりのパワードスピーカーでした。スピーカー選びに迷ってしまったら、とりあえずコレを選んでおけば間違いないと自信を持っておすすめできるスピーカーです。