簡単セッティングで誰でも手軽に音楽イベントができるというので人気のコラムスピーカー。今回は超ロングセラーBOSE「L1 compact」の後継モデル「L1 Pro8」「L1 Pro16」、そして先日入荷したばかりのJBL最新コラムスピーカー「PRX ONE」を触ってみました。
1. サイズ感の違い
高さは大体同じくらいですね。わかりやすいように正面、側面、背面の画像を用意してみました。L1 Pro8が一番スリムで、PRX ONE、L1 Pro16の順でガタイが大きくなります。重量はPRX ONE、L1 Pro16が約25kgと重いように感じるかもしれませんが、運ぶときは、アレイスピーカー部分を外しますので、あまり心配しなくても大丈夫だと思います。アラフォー男1人、片手で持ち運べましたのでご安心くださいw




2. 入出力端子とコントロール部分について
L1 Pro8とL1 Pro16は共通になります。とてもシンプルで間違えようのない潔さがカッコイイです。VOLUME / TREBLE / BASS / REVERBは、ツマミを押して項目を切り替えて、それぞれ調整するタイプなので、とっても簡単です。BOSE独自のTONEMATCHはマイク(MIC)、楽器(INST)、それ以外(OFF)を選ぶだけで最適なセッティングができるので初心者も安心。もちろんBluetooth音楽再生にも対応しています。

PRX ONEは、いかにも多機能そうなカラー液晶ディスプレイが目にとまります。さらに入力チャンネル数がコラムスピーカー界では最多クラスの7系統もあり、アナログミキサーいらず。マイクもラインも接続できるコンボジャック4系統とエレキギター/ベースを直接接続できるHi-Z入力が2系統、そしてBluetooth音楽再生/ステレオミニのAUX INが1系統あるのでちょっとしたバンド編成にも対応できてしまいます。

MASTER / MENUボタンを押して、各メニューを選べるのですが、かなり充実しています。ダッキング、エフェクト、AFS(ハウリング制御)、EQ、リミッターなどに加えて、親切だなと感心したのは、Passthroughでした。そのままフルレンジを送ることもできるし、サブウーファーを増設したい時のために、低域だけを出力、PRX ONEからは低域を除いた帯域を出力させるなんてこともできてしまうので、柔軟なシステム構築に対応しています。

3. 専用コントロールアプリについて
どちらのモデルも専用のワイヤレスコントロールアプリが用意されているので紹介していきたいと思います。
BOSE L1Proシリーズ用のアプリは「Bose L1 Mix」
スピーカー本体の電源を入れた状態で、アプリを立ち上げるとこんな感じですぐに検知してくれて、接続ボタンを押すとペアリングを開始してくれます。

接続が終わると、こんな感じで本体パネルと同じレイアウトの画面になります。指でタッチしてVOLUME、EQ、MUTE、TONEMATCHを変更することができ、右上の歯車マークを押すと、もう一階層下の設定もすることができます。

それがこれです!!BOSEには、尋常ではないほど多数のEQプリセットが用意されているのに驚きました。こちらはマイクの設定画面ですが、メーカーを選ぶだけではなく、その先のモデル名まで選べます。例えばSHUREならSM57/58、Beta57A/58A/87Aと定番どころがきっちりカバーされていました。

もちろん、楽器も超いっぱいですw ギターはもちろんですが、エレキベース用のプリセットも定番ジャズべ、プレべはもちろん、「えっ!?そのブランドもいけちゃうの??」みたいな痒い所まで手が届いています。EQプリセットの試し弾きだけで、ごはん3杯は余裕でいけますw

ちなみにこちらがアプリ上の画面と、その時のL1Pro本体の状態を見比べたものです。当たり前ではありますが、アプリを変更すれば本体も変わり、逆も同じで、しっかりリアルタイムで追随してくれます。

続いて、JBL PRO CONNECTを見ていきましょう!!
立ち上げるとすぐに、PRX ONEが表示されたので、こちらも接続はとっても簡単でした。

画面下枠のSET UPを選択した状態で、PRX ONEにタッチすると各チャンネルのレベル調整ができる画面に移動します。ここから各チャンネルにあるDN(ダイナミクス)、EQ(イコライザー)、FX(エフェクト)をタッチするとそれぞれのパラメーター設定画面に移り、より細かく設定していくことができるようになります。

ダッキングは、マイクで話をしている時だけ、後ろで流している音楽を小さくすることができる機能です。スポーツインストラクターさんなんかに最適とイメージしてもらえるとわかりやすいですかね。これも各チャンネルでON/OFFが切り替えられます。

チャンネルごとにかなり細かくセッティングを作り込むことができるな、というのが第一印象でした。EQは楽器ごとにプリセットが用意されているので、よくわからない人でも、まずはそれを選ぶだけで簡単に最適な設定にすることができます。あとはそこから好みに合うように微調整していけばいいという形です。ノイズゲート、コンプレッサーも個別にON / OFFできるし、視覚的にわかりやすい表示なので、DTMを普段からしている人からすると、かなり使いやすいと思います。


エフェクターも、リバーブだけではなく、コーラス、ディレイ、さらに超低音を生み出すサブシンセが用意されています。ボーカルだけでなく、ギターやキーボードなど様々な楽器に良い感じのアクセントを加えることができます。


Pass ThruXLR出力についてもアプリ画面から設定可能です。単純にPRX ONEや一般的なフルレンジのスピーカーを追加したいという時はもちろん、ハイパス/ローパスフィルターを設定してサブウーファーと組み合わせる時、また、ディレイを設定して、少し離れた場所に追加するスピーカーを設置する時にも対応できてしまいます。

画面下枠のSPEAKERSを選択した状態でAFS、EQにタッチすると、ハウリングを自動的に抑えてくれるAFS(Automatic Feedback Suppression)画面、全体に効くパラメトリックEQ画面に移ります。やはり、特筆すべきはAFSでしょう。これさえあればライブ本番中にボーカルがステージを動き回って、うっかり音源の近くに行っちゃってハウリング発生!!なんて時にもズバッと原因となっている周波数をピンポイントでカットしてくれます。


4. 音の違いについて
あくまで私個人の感覚なので、その点はあらかじめご容赦ください。 正直、3モデルとも何もEQとかいじってないのに、良い音だなぁというのが素直な感想です。好みにはなりますが、音量、低域の厚み感だけで言うと、「L1 Pro8 < PRX ONE < L1 Pro16」という感じでした。低域から高域までのバランスはどれもしっかりしているので、特にこのモデルが良いという感じではなく、どれも微調整してあげれば同じ理想の音にすることができるなという表現が自分的にはしっくり来る感じです。
5. 選ぶ基準について
使い方がシンプルで簡単に良い音が作れるほうが良いという場合は、BOSE L1 Pro
各設定を細かく自分好みに追求したい場合は、JBL PRX ONE
という感じでしょうか。
あとはチャンネル数が違うので、
弾き語りとかマイクx1、ギターx1のようなシンプルな用途ならBOSE L1 Pro
たくさん楽器を接続するならJBL PRX ONE
がおすすめになります。
正直、どちらも良い製品なので甲乙つけがたいですが、結果として、私が伝えたいのはどちらを選んでも正解ということです。
コラムスピーカーは、カバーエリアが広い、低音もサブウーファーがあるからしっかり音量を出せるとシンプルに音が良いというだけでなく、簡単操作で誰でも使えて、さらにミキサー機能を内蔵しているので、本当にこれ1台あれば音楽イベントができてしまうというオールインワンな手軽さが今の時代のニーズにマッチしていると思います。
サウンドハウスでは他にも様々なコラムスピーカーを取り扱っています。比較用音源も用意していますのでぜひ一度チェックしてみてください。