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機材紹介 ドライバー編

2021-12-01

テーマ:実録 ! サービスマン日記

今回は私の使用している機材の紹介をしたいと思います。
機材といっても楽器や音響機器ではなく、修理に使用している工具の紹介です。
工具も結構な種類があるので、その中からドライバーに焦点を当てて紹介します。

そもそもドライバーとは?
分かっている方も多いと思いますが、ネジ回しです。ドライバーと呼んでいるのは日本くらいではないでしょうか。
Driverは運転手、動力の伝達機構、電気のドライバー回路、ネジ回し以外にも多くの意味を持っていて混同を防ぐために海外ではScrewdriverと呼ぶのが一般的です。

では早速紹介していきます。

まずプラスドライバーとマイナスドライバーです。
ほとんどの方が使用したことがあるのではないでしょうか?
なぜ複数種類あるかといいますと、ネジ溝にも種類がありましてプラスだと代表的な形状がJIS規格、Phillips、Frearsonがあります。日本だとホームセンターなどで置いてあるネジはJIS規格が多いです。JIS規格はPhillipsとの互換性がありますが厳密には違うもので、隙間が生じて溝を削ってしまう(なめる)こともあります。そうならないためにも、規格に合ったドライバーを使用することをおすすめします。FrearsonはJIS規格、Phillipsとは互換性がないので専用のドライバーを使用する必要があります。また、サイズも複数あるのでネジ溝に合ったサイズを選んで使用します。

マイナスだと国によって規格が違っていてヨーロッパのDIN規格だと軸と刃先の幅が等しくなっていたりします。日本では刃先が広くなっている物が普及しています。こちらもサイズが複数あるのでネジ溝に合ったサイズを選んで使用します。

ちなみに赤と青のドライバーは10年以上使い続けている相棒です。
クリスタル型の持ち手が手に馴染んでいます。

次に紹介するのがポジドライブドライバーです。
十時から斜め45度に溝が付いているのが特徴で、先に説明したプラスドライバーより締め込みの力が加えやすくなっています。
一見するとプラスドライバーに見えますが、規格が違っており別物として扱われています。
イギリス発祥なのでヨーロッパで使用されることが多いです。ポジドライブネジは日本製品ではあまり見かけることはなく、海外製のエフェクターの裏蓋で見ることが多いですね。

トルクスドライバー

これも日本ではあまり見ない形状です。トルクスネジを回すためのドライバーで六角ではなく六個の突起があるのが特徴です。ヘックスローブとも呼ばれています。
ヨーロッパで広く普及していますが日本だと普及が進んでおらず、それを逆手にとって開けて欲しくない箇所にトルクスネジを使用する場合があるのだとか…

六角ドライバー
ドライバーではなく六角レンチとして見たことがあるのではないでしょうか。
スタンド、椅子、ケースなど自分で組み立てる必要がある商品に同梱されがちですね。
サイズがミリ規格とインチ規格があるので、ピッタリのサイズを見つけるのが煩わしい時がよくあります。

スタビードライバー
最初に説明したプラスドライバー、マイナスドライバーの短いタイプです。

短くする必要あるの?

といった疑問をお持ちの方もいると思います。
短くないと入らない箇所があったり力の入れ具合が変わったりと、この短さでなきゃダメな時があります。

オフセットドライバー / オフセットラチェットドライバー
スタビードライバーよりも狭い箇所のネジを回す際に必要です。特にラチェット式は回す幅が少ない時に役に立ってくれます。
また、ビット交換タイプもあるので適宜ネジ溝の形状に合わせて交換もできます。

特殊ビットセット
珍しいサイズ、形状のビットです。
プラスドライバーの00番とか三角ネジ、Y字、星形と普段の生活では目にする機会がない形状ですが、音響機器の内部では特殊なネジが使われていることが多いのでこういったビットには助けられています。

電動ドライバー
一度に多くのネジを外す際に使用しています。RYOBIのこの機種はトルクが強くなく回転数も少ないのでネジ溝を傷めずに作業できるのでその点は良いです。困る点は3.6Vの電動ドライバーにしては重いことです。長時間使用していると腕が疲れます。
ちなみに電動ドライバーでネジ締めは行っていません。電動だとネジ頭やネジ溝が傷つくことがあるので基本的にネジ締めは手作業で行っています。

インパクトドライバー
修理ではほぼ出番なし。固着したネジ外しや解体作業で使用。
この機種の良い所はバッテリーが同じシリーズで使い回せる点、機能的には不満はないですがマキタのインパクトドライバーが欲しいです。

機会があったら電動工具の紹介もいつかやりたいと思います。

今回紹介した以外にもまだ多くの種類のドライバーがあります。
機材のメンテナンスでドライバーを使用する方も多いと思いますが、形状とサイズがあったものを選んで頂ければネジも長持ちします。逆にネジに合わないドライバーを使用するとネジ溝が削れて無くなり外すことが出来なくなりメンテナンスや修理が難しくなる場合も考えられます。

この記事が役に立ち、機材を末長く使用していただくきっかけになれば幸いです。

技術サポート / 黒巣 翔太

ESPミュージカルアカデミーでギター・エフェクター・アンプ製作の技術と知識を学び、卒業後はライブハウスでPA・照明を担当。ステージ上の全ての機材をメンテナンスするようになり現在の修理業務のベースが完成。照明のムービングヘッドやフォグマシンをメインに修理を行っていますが、ジャンルにとらわれず修理業務に従事しています。最近はアナログレコードの面白さを覚え、レコード屋を巡っています。

 
 
 
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