昇圧トランスのご使用をお考えの方、結構いらっしゃいます。

ただイマイチ商品のことが分からない、電気的なことはあまり詳しくなく、本当にこの使い方でいいのか不安、というようなお声をいただくことがあります。
今回はそのような疑問に少しでもお役に立てるよう、記事を書きました。
目次
■昇圧トランスとは
■昇圧トランスを使用する場面
■使用時に心がけること
■ 昇圧トランスとは
ひとくくりにトランスといっても、電源用や入出力インピ-ダンスの整合用等々、用途はさまざまあります。
「弊社取り扱いの昇圧トランス一覧」
- SU500/SU500EE
- SU6 /SU6EE
- SU10/SU10E,SU10EE
- SU15/SU15EE
※容量小さい順、EEは3極コンセント対応、SHブランド
どれも電源電圧を昇圧、つまり日本国内の商用電源AC100VをAC110V~120Vへ昇圧することを目的としているトランスとなります。
■ 昇圧トランスを使用する場面とはどのような場面でしょうか
一般的に電源電圧AC115V/120Vへの昇圧は米国向け機材を使用する場合がほとんどです。
しかし、当然海外からの輸入品では、使用電源電圧が異なる場合があります。
ヨーロッパでは230Vなど、国によって電源電圧に違いがあります。
米国の電源電圧は115Vが一般的ですが、一部地域によって120Vを使用している地域があるため、2つの電源仕様があります。米国の規格「UL規格」においては115Vでの動作を基準としているため、実際には120Vと記載されていても、UL規格準拠していれば115Vで十分に動作すると考えられます。ですが、機器の表示に合わせて使用する電圧を変えるという方がより機器本来の実力を発揮できると考えられます。
ユニバーサル電源が採用されている場合は、100V-240Vの電源電圧下でも安定的に回路に電源供給できる設計につき、昇圧をしなくても良いのですが、アンプ等は昇圧をした方が音に張りが出やすい、音が前に出やすい、そういったお声もありますので、そこはお好みで昇圧されて使用するという場面もあるかと思います。
■ 使用時に心がけること
①接続機器の使用電源電圧を確認
まずは接続機材の使用電源電圧が、何Vかを確認してください。
入力電圧が過小でも過大でも、機器にとっては故障の原因となる場合がありますので、必ずチェックが必要です。
②昇圧トランスを使用する電源元を確認
弊社取り扱いの昇圧トランスでは、トランスへの入力電圧が変動した場合、出力電圧が変動する仕様です。
商品仕様の一部抜粋ですが、以下のように変動するものです。
「入力電圧100V→出力電圧115V、95V→110V、105V→120V」
※上記はあくまで参考事例、正しくは各商品ページの商品説明を必ずご確認ください。
大元の入力電圧が安定しているかは事前にテスターで確認をされた方が良いでしょう。
安定していない場合は、安定化電源を通してから昇圧させるのも一つの手です。
③昇圧トランスの容量上限、接続機器の消費電力を確認
また昇圧トランスには電力容量の上限があります。容量上限を超過すると、トランス自体の故障の原因となりますので、注意が必要です。
電力容量の見方には「VA(皮相電力)」と「W(有効電力)」があります。
弊社商品ページでは電力容量の目安値を簡単に計算するために、力率を0.8と仮定した場合の値で計算いただくようにご案内しています。
「W」表示を「VA」へ合わせる場合、W×1.25。
「VA」表示を「W」へ合わせる場合、VA×0.8。
※あくまで力率を0.8と仮定した場合の目安値です。
とにかくトランスの容量上限を超えないよう、お使いいただくことが大事ですので、少し余裕がある範囲でお使いいただければ安全です。
④接地極のある商品について ※商品名末尾「EE」表示があるもの
コンセント接続に関して、接地極(3極コンセント)があるもので、アース(接地)の効力を有効にする場合は必ず接地極を繋げる必要があります。
また、大元の電源コンセントが接地されている必要がありますので、その点もご注意ください。
初めて昇圧トランスを導入される方、これまで疑問に思って購入をためらっていたという方、少しでも参考になれば幸いです。