今年は春からゲリラ豪雨が各地であった。これから梅雨本番。また、厳しい夏の原因となるラニーニャ現象が起こるといわれている。とりわけ夏以降の台風の影響が、例年と違うという予報も。
ギタリストは雨が降っても、ライブ活動やスタジオ練習、レコーディングなど、外出しなければいけない。自動車移動なら道路が冠水しない限りリスクは減るが、電車・バスなど交通機関利用であれば真夏でもギターを背負って歩く事は避けられない。
昨今は金属製ギターが市場で販売されているが、一般的なギターは木工製品であり、水分や湿気、直射日光に弱い。
今後も大雨や突発的な雷雨はあるだろう。
街を歩くと、雨の中でもギグバッグを背負い、そのまま歩いている人をよく見かける。大丈夫かな?と余計な心配をしてしまう。
なんらかの対策をしている人は黒いナイロン素材のレインカバーをかけている。だいたい1000〜2000円程で、ギターケースにゴムで固定するものだ。使い終わったら乾かし、たたんでギターケース等に入れておく。
楽器店にはエレキギター用、アコースティックギター用、それぞれ数種類の在庫があるのが普通だ。
ギターケース商品の中には防水タイプ・ジッパーが付いている物が意外と雨に強いかもしれない。以前、私は某社のこのタイプのギグバッグを使っていた。
ただし、この商品のジッパーのつまみは小型で開閉しにくく、壊れそうなデメリットがあった。とっさの開閉がやりにくい事に悩み、メーカーに
「もっとつまみが大きな金具はありませんか?」と尋ねたが
「防水タイプはこれだけです」とやんわり断られた。
そのケースも縫製がほころび始め2年で処分した。防水タイプであったため、決して安価な値段ではなかったが。
ギター・レインカバーを持っていると雨から守るという役割ともう一つありがたい効果がある。
夏の炎天下、ギターケースに降り注ぐ直射日光を予防する事ができるという点だ。
ギターケースは大半が黒い。直射日光を浴びると紫外線などで、場合により変色したり、ケースの素材によってはダメージを受ける可能性がある。
せっかく高級なお気に入りのケースを手に入れても、昨今の直射日光は厳しくて暑い。
レインカバーは意外にもこのようなトラブルからも守ってくれる。この点に関しては注意をはらっていない人がほとんどであろう。
端的に言うと、レインカバーの役割は
- 雨などの水分からギターを守ること
- 強い直射日光からギターケースを保護すること
だと私は考える。
後者は別の意見があるかと思うが、これは私の経験からだ。
さて。
サウンドハウスではこの二つを見事にクリアーする商品がある。
その名も【ワンコントロール ウォータープルーフ エレクトリック ギター コート】
ギターにレインカバーをかけたらこのような感じ。少し膨らみはある。ワンコントロールのロゴが光る。
この製品は少なくとも3つのメリットがある。
① レインカバーの生地がしっかりしており、ギターケースをホールドするゴム素材が丈夫。
一般的なレインカバーの場合、ワンシーズン使うと生地が破れたりして処分する事が多々ある。また、大雨の場合にギターケースまで水分が浸みてしまい、本来の役割を果たせなくなってしまう。
その点、ワンコントロールのレインカバーは2年使用してもまだまだ使えている。雨が染みた事もない。さすがに台風上陸の際の大雨での使用をしたことはなかったが、この類いの商品のなかではかなり耐久性があると思う。
② 畳むのが容易。
多くのレインカバーはコンパクトに収納する場合、時としてちょっと面倒な事がある。ワンコントロールはクロワッサンのようにクルクル巻くと専用のケースにスッポリと簡単に入る。あまりストレスがない。
③ ギターケースの小物が取り出せ、さらに小物入れが付く
一般的にレインカバーをかけるとギターケースから何も取り出せない。取っ手あたりにチャックがあるカバーもあるが、とっさに欲しいものを取り出せない。本商品はカバー横にチャックが広く設けられており、基本的にギターケースの小物入れまで手が届き、中の物を取り出せる。
つまりギターを背負わない時は取っ手の部分だけチャックを広げて手に持つ事も可能。

サイドに大きなファスナーがあり、一般的なギターケースなら下部のポケットに手が届くだろう。
ワンコントロールはレインカバーを入れるケースを本体に取り付ける事ができ、しかも4ヶ所のフックをかけるという徹底ぶりだ。風で飛んで行くことなどはない。丈夫なチャックなので貴重品以外なら約20cm四方までの小物が入る。交通機関などで移動の際、必要な物を入れたりしてユーザーが手軽に使用できると思う。

小物入れも何かと便利。弦の袋と比べても大きさがわかるだろうか。使い勝手が良く、夏場によく使うサングラスも入る。
価格は少し高いが、それに見合った商品である。デザインも高級感が感じられ、手に取って見ればその品質に納得するはず。
一つだけ注意点を挙げればストラト、テレキャス、レスポールタイプのギター用であり、箱物など大型のGibsonES-335やエクスプローラなどの変形ギターは入らない。
2年間で数十回使用し、多少チャック部分がほころび始めたがまだまだ使える。ワンコントロールの銀色のロゴも良いアクセントとなり、購入して本当に良かったと思っている。
もちろん、各ギター専用カバーではないので少し大きめではあるが、雨が降ってきて、とっさにカバーをかける時の安心感はこの製品ならでは。
これと、以前の私のコラムで紹介したテクノスナカタの湿度調整材『ドライフォルテ』をギターケースに入れたら、梅雨から台風シーズンの対策としては万全と言えるだろう。
テクノスナカタ ( テクノスナカタ ) / ドライフォルテ 弦楽器用湿度調整剤
ギターは水分に弱いし、ネックの状態を安定させるのにもこの時期辛い。ストレスを感じながらギターを持って移動するより、多少の出費とケアで快適に夏場を過ごせると思うので、試してみることをおすすめする。
私はまだ最初に購入したこのレインカバーを使っているが、あまりに良い製品なので昨年もう一つ同じものを購入した。
街中でこのレインカバーが被った事はない。
一般の楽器店で販売しているのも見たことがない。
ファッション性もあるだろう。
防水機能を備えたギターケースもご紹介!
撥水機能と4重構造のパワーパッド内部クッションで楽器を守ります。
⇒ Ibanez ( アイバニーズ ) / Powerpad Ultra Gigbag IGB924R-BK
頑丈な縫製とジッパーを備え、防水素材を使用したエレキギター用ケース。
⇒ PROTECTIONRACKET ( プロテクションラケット ) / LPTREG (5278-06) エレキギター用ケース
ケース外部に防水性に優れた生地とファスナーを採用したアコギ用ギグバッグ。
⇒ ARIA ( アリア ) / ABC-300AG ターコイズ
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