今回は前回お話しした続きの【持ち運びに必需品のギターケースについてPart2】だ。今まで数十個のハードケースやギグバックを使った。ここ数年は以下のギグバックを使っている。
MONO と REUNION BLUES = RB と分けながら述べる。
外観
● MONO
この会社のギグバックは独特なデザイン。『個性的だが奇抜ではない』黒とライトグレーをスタイリッシュに使い分けており、どちらかと言うと若い人に受けるデザインかなと思う。宇宙から来たバックと言えようか。SF映画に出て来そうだ。全体を覆う生地は軍事用クラスの生地を使用されているだけあって、さわってみてたらザラザラしてタフ。独特の質感である。個人ではさすがに防水性を試せないが価格が高い分、品質の良さはアマチュアでも実感するであろう。
MONOの他のギグバックで、ギター本体と小物を僅かに収納するスマートなモデルもあり、そちらも人気がある。
● RB
質実剛健・・・上品なオーラが漂うケース。シンプルで綺麗なデザイン。使用するプレイヤーを選ばない。表側は『3ヵ所のブルーライン』がケースの魅力を引き立たせている。スタイリッシュ。ReunionBluesと書いてあるプレートが貼り付けられている。他社のギグバックには無いので面白いかなと。今のところ剥がれたとか外れたと言う事はない。
ケース最上部と底面は摩擦に強い加工が施されている。この御時世、帰宅したらアルコールで底や側面、取っ手など全体を拭いている。劣化等の問題は今のところ無い。
またリッチー・ブラックモアのファンならReunion Bluesと聞くだけで、彼の『ギターストラップ』を思い出すと思う。ブラックモアはメインの1974年製フェンダーストラトキャスターに、この会社のストラップを長年愛用してしてきた。蛇足ながらジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンも使用していた写真がある。長さが違い、色も濃い。

2つの比較写真。MONOは一回り大きい
収納
● MONO
このケースの様々な工夫の中でも他社との差別化として、ネックサポートの横にジッパーで『ピック入れ』がある事。高く評価する。ティア・ドロップのピックなら10枚ほど収納でき、ギターをストラップでかかえたと同時に、ベストタイミングでピックを取る事が出来る。あまり目立たない仕様だが、とてもありがたい配慮だ。
下部のアクセサリー入れは普通のつくり。大きなマチで横からこぼれない様にしてある。コンパクトエフェクターは横に最大3個位まで。少し余裕がある時は折り畳み式傘を入れるとぴったりになる。広告の画像でシールドが収まっているが細い3m一本ならまだしもニ本はホールド無理?エフェクター等、小物の収納第一に使うのなら、シールドは別に持参する方がよいのではないかと思う。高級シールドなら尚更だ。
他の収納としてCD1枚やパッケージ弦が入る『チャックがついた袋』がついている。スタジオでCDを使う場合や不足の事態で弦が切れた時にさっと取り出せる。
上部のミニポケットは使い勝手が良さそうでしっかりしている。ただし貴重品は入れない方が良いだろう。紛失してもまた買えるものなら収納しても良いと思う。スマートフォンも入るがあまりお勧めしない。ライブハウスでの暗い所で活躍する小振りな懐中電灯や、ミーティング時、打ち合わせでの筆記用具、ギターを弾く際に必要不可欠な爪切りやヤスリ等を入れたら良いだろう。下部の大きいポケットのマチと同じく上部ポケットにも脱落防止のマチがある。いずれにしても取っ手を持って歩く時はポケットのジッパーが閉まっているか確認した方が安全だ。もちろん背負う時でも。
ギター部分に開閉するジッバーはしっかりしている。アクセサリー入れのジッパーも同様ストレスがない。万が一沢山入れようとしてもジッバーが先に悲鳴をあげるので、壊れた経験はない。その他の使用感は私が撮った写真でもわかるように『外周の細いビニール』がほつれてきた。特に表側の外周はほとんど剥がれて来ている。また内装のネックサポートのマジックテープは、ルーズになってきている。しかし3年ほど使用しているので仕方ないかと。

MONOケースの底周りのビニール剥がれ
● RB
全体的に良好。先日、全く同じモデルを再度購入した。何故かと言うと、アクセサリーポケットに物を沢山入れすぎてファスナーが機能しなくなったので。
さらに。ファスナーが不良になった全く同じケースを『ハンドル辺りにシャワーを最大限の水量で約30秒間水をかけた。』底面と側面の境が湿ったが、ハンドル近辺に水はしみ込んでいなかった。写真も撮ったがほとんど漏れていない。これは引退するケースに試したのであり、くれぐれも真似しないでほしい。

Riunionbluesのケースの取っ手中心に30秒間シャワーを浴びせた。本体内部の側面と裏面の継ぎ目が僅かながら湿った。ほとんど漏れていない。
ポケットは『無理矢理押し込めなければ』問題なく使える。ギターを取り出す時、いれる時にもギターを傷つけない設計で機材をファスナーの当たる傷から最低限守る。もう少し丁寧にアクセサリーを入れようと反省。
欠点
● MONO
広告画像ではスリムだが、何もアクセサリーを収納していないから。この点は注意が必要だ。小物をケースに入れすぎないように。ケース容量八割以上収納すると膨らむ。するとギターケースに疎い人の第一印象としてキツい一言を街中で浴びる。
例えば
「重そうだね・・・」と。
楽器に詳しくない一般の方からは
「大きいケースだね・・・」などと散々言われて今日に至っている。
外出時ある程度の大きさや、いろいろなストレスがある事を念頭に使おう。

MONOにアクセサリーを目一杯入れた状態。

Reunion Bluesにアクセサリーを目一杯入れた状態。
● RB
特にない。ジッパーのつまみに普通の鍵が通せる穴があれば良かった。MONOも同じくつまみの穴が小さい。対策として、つまみの小さな穴に金属製の輪を2つ付けて鍵を付けたり、頻繁にバックを開閉する代わりにカラビナを掛けている。
小さい『つまみ付き外面の一番小さなポケット』に雨天時に被せるレインコートがin caseみたいに付いていたら万全かと。しかもin caseのレインコートのカラーは真っ黄色。夕方、雨降りの中で目立ち、車が通る狭い道を歩く時に助かった。
注)in caseとは15年以上前に市場に出て いたギグバックの事であり、ジョン・メイヤーのシグネチャーモデルの付属ケースとほぼ同じ仕様。外観のデザインは異なる。
持ち運び
● MONO
大きなバックなので手に取ると重い。しかし持ち手のパッドは安定感がある。ボディ下部は幅が広いため前回Part1で紹介した『GigBagと同様』に背負って狭い通路など歩くのには適さない。対ショック性はかなり良い。背丈が高い人には映えるだろう。
● RB
特に無いが、急いで背負う時にストラップが『ねじれる事がある』。ストラップの厚みや耐久性のアップデートを希望する。またストラップを収納する裏面のジッパーの品質を向上して欲しい。
価格
MONOとRBは、ほとんど同じ価格。
オリジナリティ
● MONO
満点 。しかし中高年男性には向かないかも?
● RB
普通~渋い 。 個性は無いが上品。高級感がある。激しいパフォーマンスが売りのギタリストには違和感があり、物足りないかも。あくまでギター本体を守る事に力を注いでいる。
結論
どちらもギターを守る機能は互角なのでデザインで選んでみたら良いと思う。私のレビューと違う意見を持つ方もいるだろうし、私が正解のコメントを書いていないかもしれない。 ただ両方とも価格が安くないので実際に見てから判断した方がよい。
最後に+α
上記のケースは品質に太鼓判を押せるケースだが、やはり雨天時は防水能力に疑問を持つかも知れない。昨今の豪雨にはどちらも対応できるが限界があると思う。木製のギターに水分が入ると大変なので、また電装系にも危ない。レインガードを購入するのを勧める。安ければ¥1000~。高くても¥3000前後で手に入るし、軽いので是非ともギグバックの中に入れてみたら如何だろうか?
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