はじめに
世のギタリストは、理想の音色を追い求め、様々なエフェクターを駆使しています。それは練習でも本番でも同じこと。
でも、たくさんのエフェクターを揃えていくのは、かなり大変なことだったりします。
そこで!今回はZOOMから発売されているマルチエフェクター「G1 Four」を活用して、ギターライフをより充実させる方法についてご紹介します。
ZOOM ( ズーム ) / G1 FOUR ギター用マルチエフェクター
ZOOM G1 Fourとは
G1 Fourは、ZOOMの誇る格安マルチエフェクター。発売以来、その豊富で高品質なエフェクト、気軽に持ち運べる小型軽量な筐体、そして何より新品で約1万円という良心的な価格設定によって、多くのユーザーを獲得してきました。実は筆者もそのうちの一人。
G1 Fourは便利なマルチですが、それでもハイエンドモデルと比べれば、「これ一台で何でもできる!」というわけにもいきません。適材適所、G1 Fourが活躍できる場面を見極めて使いたいものです。
ここからは、「おすすめエフェクト」「パッチ制作例」の二本立てで、本機の活用法を提案したいと思います。
おすすめエフェクト
まずは、G1 Fourに収録されているエフェクトの中から、筆者おすすめのものを紹介します。ここでは、コンパクトペダルの代用としてではなく、積極的に使っていきたくなるエフェクトを紹介しています。
MATCH30/UK2x12
MATCHLESS「DC-30」のアンプシミュレーターと、VOX「AC-30」のキャビネットシミュレーターです。
本来はどちらもコンボアンプですから、「DC-30」のアンプ部分と「AC-30」のスピーカー部分を合わせて使うのは難しいです。しかし、シミュレーターなら簡単にできてしまうのです。
Exciter
エキサイターです。エフェクトスロットに挿入すると、音の存在感が増すような感じがします。クリーントーンの隠し味に入れておくと良いかもしれません。
ZNR
ノイズリダクションです。G1 Fourにはコレ以外にもノイズゲート等がいくつか収録されていますが、筆者のイチオシはZNRです。細かい設定をしなくても、ノイズをしっかり抑えてくれます。
MuteSW
ミュートスイッチです。消音する滑らかさも設定できるので便利です。
ライブで使えば、MCなど演奏していないときのノイズを遮断できます。
BOMBER
ZOOMのマルチ定番の飛び道具エフェクトです。「爆発音を発生させる」との説明文通り、大爆発が起こります。
曲中で使うには尖りすぎているように感じますが、ここぞというときの一発にはもってこいでしょう。
例えば、millennium paradeの楽曲「Fly With Me」では、楽曲の最後が爆発音で締められます。
BOMBER一つだけをセットしたパッチを作っておけば、ライブでもスムーズに大爆発させられます。
パッチ制作例
G1 Fourでは、使用するエフェクトの組み合わせや、各種パラメーターの設定を、「パッチ」として保存することができます。
ここでは、本機を使用するシチュエーションに合わせて作った、筆者おすすめのパッチを提案しています。
自宅練習
小型のマルチを使う大きなメリットの1つは、手軽に練習システムが構築できることです。ギターをG1 Fourに繋いでヘッドフォンを着用すれば、アンプやペダルボードがなくとも、本格的なサウンドを楽しめます。
練習がすぐにできるのは、とても重要なポイント。実際に筆者は、G1 Fourを使い始めてから練習の回数が増えたように思います。

ZNR
ノイズリダクションです。効きが良いので重宝します。環境に合わせて、パラメーターを適宜調整してください。
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EP Stomp
ブースターです。Gainの数値を小さめに設定します。
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MATCH30
「DC-30」のアンプ部分です。Gain1がクリーン、Gain2がドライブサウンドです。それぞれ使い分けることも、混ぜて同時に鳴らすこともできます。
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UK2x12
「AC-30」のキャビネットです。MICのパラメーターをオンにした方が、良いサウンドになると思います。
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Hall
ホールリバーブです。Decayを短くしても、はっきりとした残響があります。
ライブ
ライブ用のセッティングは、エフェクターボードの足りない部分を補う構成です。
モジュレーション系やディレイをG1 Fourに任せています。歪みなどこだわりのエフェクターは個別のペダルを使い、リバーブはアンプのものを使うと良さそうです。
バッキング用・ソロ用をそれぞれ作ったので紹介します。パッチを隣同士で配置すれば、(音切れは少々あるものの)演奏中の切り替えにも対応できます。
バッキング用
同時使用数の制限の中で、余裕を持たせています。読者の方それぞれが、自分に必要なエフェクトを追加することができます。筆者はExciterを加えることが多いです。
アンプはクリーンの状態にして歪みペダルを用意すれば、歪みのオンとオフでバリエーションを増やせます。

ZNR
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Gt GEQ7
7バンドのグラフィカルEQです。ライブ会場や自身の機材に合わせて、音質を微調整します。
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CloneCho
SmallCloneをモデリングしたコーラスです。Depthはスイッチ式で、2の方が個性的なサウンドになります。筆者は常にうっすらとかけて厚みを出します。
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Soft Echo
柔らかく、あたたかいエコーです。エコー音にモジュレーションをかけることができます。ショートディレイとして使用しています。
ソロ用
ギターソロと言っても多種多様ですが、ここでは伸びやかなドライブサウンドで演奏できるようなセッティングにしています。
具体的には、音量アップ、フランジャー、ロングディレイで存在感を増す作戦です。

Gt GEQ7
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EP Stomp
コンパクトの歪みペダルの後に繋ぐことを想定しています。音量をブーストするために入れていますが、Gainを上げれば歪みを足すこともできます。
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VinFLNGR
アナログフランジャーです。目立ちたい場面でオンにすると効果的です。
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Soft Echo
バッキング用と同じエフェクトで統一感を出します。こちらはより長いディレイタイムで設定しています。
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Hall
アンプのリバーブに少し足す感じで使っています。隠し味なので、Decay、MIXともに小さめの値で良いでしょう。
おわりに
以上です。格安マルチの市場はまさに戦国時代。各社から強力なアイテムが多数発表されています。
そんな中、ZOOM G1 Fourは価格と機能(そしてデザイン)のバランスに優れた素晴らしい設計で人気を誇っています。
これまでG1 Fourに興味があった方も、そうでない方も、この記事をきっかけに、本機に手を伸ばしていただければ嬉しく思います。
今回もありがとうございました。
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