今回は、日頃メンテナンスを通して感じたギターやベースの不具合が出やすい箇所の紹介と対処&対策方法をご紹介します!
1. ネックの反り
もし自分のギターやベースが前よりも弾きにくいと感じるのであれば、まずはネックの反りを確認しましょう!
ネックの調整方法についてはサウンドハウスさんが詳しく紹介しているページがありますのでそちらをご覧ください!
ネックを調整する際には六角レンチやパイプレンチを使うのですが、大事なのは”必ず楽器に合った正しいサイズの工具を使うこと”です!
サイズの合わない工具を使うと穴がナメてしまってネジが回らなくなってしまうことがあります。
特にインチとミリには気をつけましょう!
2. ジャックの緩み&不具合
ジャックというのはシールドの抜き差しがある分、ナットが緩みやすいです。
レッスンをしていてもアンプからノイズが出ている生徒さんのギターを見てみたら、ジャックが緩んでいたなんてことはよくあります。
そんな時は緩んだナットを締めるのですが、そのまま締めるとボディー内部でジャックが回り最悪の場合、断線してしまいます。
ジャックプレートを一旦外して、ジャックを押さえた状態でナットを締めるようにしましょう。
ジャックの緩みを直す時、同時にチェックした方が良いのがジャック内部の汚れです。
埃や錆などで汚れていると音が出なかったりするので、接点洗浄剤を使って洗浄した後接点復活剤をスプレーしましょう。

接点復活剤だけではダメなのか?
接点復活剤だけですと接点の洗浄が十分に行われずスプレーした箇所に埃などが付きやすくなります。
洗浄成分を含んだ復活剤もありますが、個人的には接点洗浄剤を使って汚れを洗浄&脱脂を行い、そのあと接点復活スプレーを使うことをオススメします。
もしナット締め&洗浄をした後でも音が出ない場合、ジャック本体の不良が考えられます。
ペンチなどを使ってバネを修正することもできますが、接点の多いホールド力があるジャックに交換するのもオススメです!

3. ストラップピンの緩み
ストラップピンはボディの振動をダイレクトに受け取ることもあり、知らず知らずのうちに緩みやすい箇所です。
ストラップピンを手で回してみて動く場合は緩んでいますので、ドライバーなどで締めましょう。
キツく締めすぎると塗装が割れたりネジ穴がバカになる可能性があるので気をつけましょう。
自分はロックピンを使っているから大丈夫と油断したそこのアナタ!
ロックピンでも本体側のネジは緩んできますし、特にストラップピン側のナットは緩みやすいです。
大切な楽器を守るためにロックピンを導入したのに、ネジが緩んで落っことしたなんてならないように定期的にチェックしましょう!
4. PUの陥没
ピックガードマウントやエスカッションマウントのギターはPUの高さ調整のネジが下がる方向に緩みやすいです。
特にハムバッカーの方が緩みやすい傾向があると個人的には思います。
PUの高さが低くなると音の抜けも悪くなりますし、最悪の場合、本体側に陥没してしまってネジやバネが紛失してしまったりするので定期的にPUの高さはチェックしましょう。
PUを手で押さえた時にガタガタ動いてしまう場合は、遊びが大きくPUが下がりやすい状態にある可能性が考えられます。PUの周囲をスポンジなどで埋めてあげると、PUが動きにくくなり高さが勝手に変わってしまうことも少なくなります。
また、動きにくくすることによってハウリング防止効果もあるので非常にオススメです!
(この方法はジョー・サトリアーニが紹介していました)

< 筆者のギターにもスポンジを入れています >
5. ポットの緩み&ガリノイズ
ポットを固定するナットが緩んでいる状態で使用しているとポットが動き、配線とポットの接点部に負荷がかかります。このままにしていると、はんだ割れや断線することがあるので、緩んでいる場合は締めましょう。この際もジャック同様、裏側からポットを押さえた状態でナットを閉めてあげましょう。
ポットを動かした時にガリガリというノイズが出た場合、ポット内部の接点が汚れているので接点洗浄剤や復活剤を使用して綺麗にしてあげましょう。
オススメのメンテナンスグッズ
これ一個持っておけば出先でもメンテナンスができる優れものです!
折り畳みできてコンパクトなので携帯性がいいです!
ESP ( イーエスピー ) / MS-10 MULTI SPANNER マルチスパナ
様々なナットの締め付けに使える優れものです。
ケースに一個入れておけば楽器、エフェクター、アンプなど様々な場所で使えます。
DR ( ディーアール ) / Stringlife Liquid Polymer
弦用のコーティング剤ですが潤滑効果や防ザビ効果があり、ナットやサドルにも使える優れものです。
プロに任せた方がいい場合
先ほどまでに紹介した事例は比較的簡単に直すことができるのですが、そうでない事例もあります。
素人が手を出すとうまく直らないことがあるので、プロのリペアマンさんに任せましょう。
ネックの捻れ/波打ち/ハイ起き/ロッド締切り
ネックを調整したはずなのに特定の箇所で音詰まりや弾きにくさを感じる場合があります。
そういう場合は、ネックの捩れ/波打ち/ハイ起き/ロッド締切りが考えられますので一度リペアショップに持っていくことをオススメします。
フレットの浮き/減り/バリ
弾いていくうちにフレットが削れていったり、乾燥などによって浮いてきたりバリが出ることがあります。
フレットの修正作業は高度な技術が必要ですのでプロに任せましょう。
ボディ割れ&ネック折れ
落としたり衝撃でボディ割れしたりネックが折れることがあります。
リペア代は高価になりますが、接着が甘いと再度割れたりするのでプロに任せましょう。
いかがでしたでしょうか?
日頃から楽器のメンテナンスを行いベストコンディションに保たせて楽しい音楽ライフを送りましょう!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら