私はそれなりに失敗してきた人間です。初心者に失敗談を伝えることによって辛かった体験を活かしたい。そんな記事です
今回は
1. やったこと
2. なぜこうなったのか
3. どうすれば良かったか
上記のように項目を分けてやっていきます。 2で細かく説明し、1と3は簡単に書くので2は斜め読みでも飛ばしても大丈夫です。
今回は下手すりゃ怒られるだけでなく、殴られたり賠償を求められたりするミスを取り上げています。 また、あくまで「初心者」向けです。簡単に回避できますよ。
目次
● ヘッドとキャビの接続に楽器用シールドを使った話
1. やったこと
楽器用シールドケーブルをスピーカーケーブルとしてアンプヘッドとキャビの接続に使ってしまいました。シールドが熱を持ち、危うく火事に…
2. なぜこうなったのか
楽器用シールドケーブルは音声信号を送るためのものです。対してスピーカーケーブルは音声信号と同時にスピーカーを鳴らすための電力も送ります。シールドケーブルにスピーカーケーブルのように大きな電力を送るキャパはありません(不十分なだけで送電能力そのものはあります)送りきることができない電力が熱となってシールドケーブルに溜まります。結果として発熱、発煙、最悪の場合発火します。
*パワーアンプやパワードミキサーとパッシブスピーカーを接続する場合も同様。アクティブスピーカーは音声信号のみ送るので楽器用でも代用可能です。勧めませんが。
3. どうすれば良かったか
スピーカーケーブルを使いましょう。 ケーブルにはメーカー名と型番が表記されているのでよくわからないなら型番で検索してみましょう。
● スイッチ1つでリハを飛ばした話

これは私がやらかした話ではないのですが、聞いただけで胃がキリキリしそうな話なので紹介します。
1. やったこと
とあるライブハウスにて。 駆け出しPAがミキサーの電源投入。だがファンタム電源のチェックをせずにゴーサインを出し、アーティストは音出しを始めてしまいました。ミスに気づいたのはある程度進んでから。結果、リハをやる時間が足りなくなり、アーティストはほぼぶっつけ本番でライブをやるハメになりました。
2. なぜこうなったのか?
機器の保護のため、電源は全ての機器のボリュームやゲインをゼロにした上で入力側から入れて出力側から切って行くのがルールです。このルールに違反した場合、機材にダメージを与え、下手すれば破壊しかねないです。具体的な例を挙げるとアンプのボリュームをゼロにせず電源を入れるとスピーカーからボン!というデカい音がします。この場合、上流にあるアンプヘッドが下流にあるキャビネットにダメージを与えたということです。下手すりゃスピーカー飛びます。
ファンタム電源の場合も同じで、下流にある機材(マイクプリ、コンプ、ゲート、スピーカーなど)にダメージを与えます。なのでミキサーの電源を入れたら必ずファンタム電源スイッチをチェックしてから下流にある機器の電源を入れます。下流の電源投入前に気づけば何の問題もありません(電源が入っていなければ信号を自動でブロックします)が、このケースだとある程度音を作ってから気づいたのがまずい。ルールに従い下流にある機材のボリューム類を全てゼロにしてから電源再投入、音作り。元々リハを行う時間は少なかったらしく、ギリギリしかない時間を更に少なくしたため後半のリハは全くできず、PAと会話しながらぶっつけ本番なんてシャレにならない事態になりました。
3. どうすれば良かったか
ファンタム電源のチェックを忘れずに。忘れがちですがアクティブDIもファンタム電源を使います。
これに限らず機器にダメージを与えるような行為は信用に関わります。ルールを疎かにしてはなりません。奏者としてステージに上がる時はPAに許可を得てから電源に触りましょう。トラブル回避に繋がります。
● 静電気で基板が壊れた

1. やったこと
さてエフェクターの修理でも、と基板チェックし始めたところ、バチっと静電気が飛んでしまい、壊れた…。
2. なぜこうなったのか
一般的な電子部品は1000V程度で壊れると言われています。静電気の電圧は意外と高く、バチっと音がしたら2000Vは出てます…。
回路全てが死んだわけではないのですが、一々調べて修理するのは面倒なので新しいものを買いました。
人間の皮膚は案外抵抗値が高く、1000V以上でなければ感知することができないと言われています(静電気の話ですよ、念のため)つまり知らず知らずのうちに静電気で基板上のパーツを破壊してしまっている可能性があります。
3. どうすれば良かったか
静電気防止手袋を着ける、基板に触れる前に金属のもの(ドライバーとか)に触れるなど溜まった静電気を逃がす。大事。
セーターのように静電気を溜めやすい服を着て作業するのもやめた方がいいですね。裸でやる人もいますが社会的にまずい事態を招きかねないのでやめましょう。余談ですが自作パソコンも同じリスクがありますので気をつけましょう。
● チューニングはステージでやろうねって話
1. やったこと
野外イベントで演奏することになったバンド。室内で楽器のチューニングとウォームアップを行い、いざ本番!が…チューニングが狂ってた
2. なぜこうなったか
楽器は主に木を材料としています。木は気温や湿度等環境に応じて収縮、または膨張します。
暖かい室内から寒い外に持ち出ししたり、涼しい控え室から暑いステージに行った時、温度や湿度の差によって楽器がわずかに変形し、それがチューニングの狂いとして出てきたということですね。
3. どうすれば良かったか
ステージでチューニングしてそのままステージに置いておくようにしましょう。 室内でのウォームアップはサブでやれば良いです。チューニングが狂った楽器では台無しです。
奏者本人がやらかしたのならまだいいのですが、ローディーやアシスタントがやったら大事になります。マジで。
苦い体験が皆様の役に立ちますように。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら