
プロのキーボーディストが使用する機材と言えばnordやmoogなどが人気です。
RolandやYAMAHAといった低価格帯商品を出しているメーカーもありますが、実際にプロが使っているのはフラッグシップモデルが多いので数十万円はしてしまいます。
機能を絞ったステージピアノも本格的なものは30万円オーバーです。 アマチュアミュージシャンはかなり思い切らないと購入できる金額ではないですよね。
しかし、プロが愛用するサウンドでも10万円を切る値段で手にする方法も存在します。 プロと同じサウンドがお手軽価格で手に入るというのは魅力ですよね。
限りなくアナログっぽい音に近づけたデジタルシンセで、アナログモデリングシンセというカテゴライズをされたシンセサイザーです。
操作の簡単さや値段からシンセサイザー初心者向けとされています。 しかし、初心者向けというのはサウンドがチープという意味ではありません。 プロでも使用している人はけっこういらっしゃいます。
toconomaの西川さんがライブで使用している姿はよく確認できますし、マカロニえんぴつの長谷川さんは楽曲の目立つところで多用しています。
以前、TwitterでmicroKORG XL+をメンテナンスに出していることをツイートしていたので長く使っているのがわかりますね。
37鍵しかないのでこれ1台でライブをやるようなものではありませんが、メインのワークステーションや電子ピアノと合わせてセットを組むと一気に幅が広がります。
こちらもアナログモデリングシンセです。
microKORG XL+とGAIAは発売から10年以上経つロングセラーで、機種の移り変わりが激しいシンセサイザー業界のなか、いかにこの2機種が好まれているかがわかりますね。 小室哲哉さん、Silent Sirenの黒坂さんなどがライブで使用しているのが確認できます。
フェーダーやボタンがたくさんあり複雑そうですが、逆にたくさんあるので操作が簡単でハードだけで音を作りこんでいくことができます。
また、このサイズのシンセサイザーはミニ鍵盤が一般的なのに対しGAIAでは標準サイズの鍵盤が使われています。
サウンドの違いもありますが、ボコーダーが欲しい人はmicroKORG XL+、鍵盤の大きさを求める人はGAIAという選び方をする人も多いようです。
メイン機ではないですが、紅白や配信などで藤井風さんが使用していたのがこのROLANDのGoPianoです。
ピアニストがいつも悩むのが楽器の重さです。
アコースティックピアノを持ち歩くわけにはいかないので、いわゆるステージピアノという電子ピアノをライブなどで使用することが多くなりますが、電子ピアノとは言えかなりの重量です。
軽くても10kg、重いものは20kgを超えます。 これはアコースティックピアノらしい鍵盤のタッチを求める以上は仕方のないことです。
そこで、ちょっとした演奏の機会の時にわざわざ辛い思いをして20kgもある電子ピアノを運搬したくないという時にこのGoPianoが大活躍します。
鍵盤のタッチはセミウェイト鍵盤というちょっと重さがあるもので、アコースティックピアノの弾き心地とまではいかなくてもピアニストにとって少ない違和感で弾くことができます。
そして、重さはなんとたったの7kgです。
生後半年の赤ちゃんと同じくらいしかないので気軽に扱うことができます。
他にも本体内蔵スピーカー、電池駆動など便利機能がたくさんあるのですがなんと価格は3万円ほど。
サブ機としても手を出しやすい価格なのが嬉しいですね。
ROLANDのYouTubeチャンネルでも8台の電子ピアノを弾き比べる動画がアップされていますが、試奏している人も便利さに驚いていました。
ハラミちゃんがローランドの最新電子ピアノを弾いてみた!
ちょっと番外編的な商品を紹介します。
DeepMind6自体を使っているプロミュージシャンを見つけることはできませんでしたが、これはROLANDが1984年に発売したJUNO106というアナログシンセサイザーを模して作られたものです。
JUNOと言えば現在はワークステーションシンセの入門機というイメージですが、実はアナログシンセから始まったシリーズだったんですね。
現在、JUNO106はヴィンテージシンセとして中古市場では高額取引され、状態がいいものは20万円を超える値段がついています。
もちろんそれだけ人気のシンセサイザーなので、様々なワークステーションシンセではJUNO106がモデリングされていますがそこはデジタルです。
アナログサウンドの分厚さまでは再現できません。
それをアナログシンセサイザーで復刻したのがDeepMind6です。
メーカーも違うので完全再現ではありませんが、エフェクター類をうまく使えばヴィンテージサウンドだけでなく近代的なサウンドにも対応できます。
ここでBEHRINGERを紹介したのはDeepMind6をとりあげたかったのもあるのですが、BEHRINGERというメーカーそのものをお伝えしたかったからです。
BEHRINGERから発売されているシンセサイザーの多くはクローンモデルと呼ばれる往年の名器を再現したものばかりです。
JUNO106のように生産終了しているもの、オリジナルが高額なものでも10万円を切るような価格で販売しています。
本物にこだわりがなければクローンを購入するのもアリですね。
■ まとめ
プロが使う機材は高額なものが多いことからわかるように、いいものは高いです。
ですが、中にはお手頃なものでプロのサウンドに近づくことも可能です。
特にキーボーディストはお金がかかるパートなので楽器購入前には熟考して選んでください。
ちなみにハードシンセではなく、ソフトシンセとMIDIキーボードという組み合わせならさらに手軽にプロのサウンドを楽しむこともできます。
別な記事で紹介しているのでよろしければそちらもご覧ください。
⇒ 関連記事『キーボーディスト以外にもおすすめしたいmidiキーボード』
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