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シンセサイザー鍵盤狂 漂流記 ~音楽を彩った電気鍵盤たちとシンセ名盤の数々~ その26

2021-01-15

テーマ:sound&person

トップドラマー村上ポンタ秀一が参加… 高中のセカンドアルバムのシンセソロの素晴らしさ!

ミキさんのファーストアルバムの前にするお話があります。それはドラマーの村上ポンタ秀一氏の事です。村上ポンタは私の一番好きなドラマーの1人です。私がポンタを意識したのは17歳の時、今から数十年前のことです。高中正義の2枚目のアルバムを聴いた時でした。

このアルバムは高中の最高作だと私は思っています。このアルバム1曲目の「サマーブリーズ」という曲があります(素敵な曲です!)。「サマーブリーズ」のドラミング…特にハイハットワークが素晴らしいのです。ハイハットが開いている時にハイハットを叩き、その瞬間にハイハットを閉めると「ピシッ」という音になります(スミマセン!ドラマーでない為、適切な表現ではないかもしれません)。特にこのハットワークはポンタの得意技の1つです。シンコペーションな楽曲の時に有効であり、リズムの裏部分が強調されます。17歳の少年は「ピシッ」にヤラレ、初めてドラムという楽器を意識しました。

■ ギタリスト高中の2枚目。実はシンセサイザーソロの宝庫!

話が逸れますが…「ピシッ」が素敵なのは勿論ですが、このアルバムはシンセサイザーソロの宝庫なのです!その代表的なソロが「サマーブリーズ」にも入っています。また、鍵盤楽器もさることながら、サックスソロも素晴らしい!そういう意味でこのアルバムは意識的に各プレイヤーのソロスペースが演出され、当時の若手プレイヤーの才気がほとばしっています。その後の日本ジャズ、フュージョンを支えていくプレイヤー達のイケイケの音が聴ける必聴盤です。

推薦曲:「サマー・ブリーズ」

サマー・ブリーズは一番最初にミニモーグが発する雷の音から始まります。その後、遠雷にフェードインする形でアープオデッセイ(シンセ)?のサンプル&ホールドの音入り、更にフェードインするのが梅雨明けを思わせるソリーナの弦の音です。ソリーナにMXRのフェイザーがかかり、とても気持ちのいいイントロです。そこに楽曲のキメフレーズが被さって大ユニゾン大会になります。このイントロは数多のイントロの中でも傑作だと思います。遊び心と想像力に溢れています。 曲の終盤に深町純のミニモーグによる祭りのお囃子を思わせる素敵なソロが展開されます。ミニモーグのベンドホイールとモジュレーションホイールを上手く使ったシンセサイザーライクなソロは深町氏の演奏能力と想像力の高さを想起させるものです。

ソリーナ・ストリングアンサンブル

■ ソリーナはポリフォニック(和音)シンセの代用だった

1970年代当時はシンセサイザーといえば単音しか出せない楽器でした。それを補ったのがソリーナです。ソリーナストリングアンサンブルはアープ社が販売した楽器です。バイオリン系の弦の音を音数制限なく出すことができ、その音は爽やかでさっぱりとしていました。ですからある種の暗さが要求されるプログレシブロックでは使われることが少なく、プレグレのプレイヤーはメロトロンを使っていました(この辺りの話は別の機会にします)。80年代、ポリフォニックシンセサイザーが普及しその役目を終えました。 当時、ソリーナ(55万円)やメロトロンは学生にとって高嶺の花で購入できる価格ではありませんでした。私はソニーのオーディションの際、現場にあったソリーナを使わせてもらい、憧れの楽器を弾けたという記憶があります。やはり、イイ音でした(^^♪

推薦曲:「マンボマジック」

この曲はシンセサイザープレイヤー(3名)による8小節ずつのソロリレーが楽しめます。其々のソロが素晴らしいのです。松岡直也のアコースティックピアノソロの後……

  • 深町純によるミニモーグにトーキングモジュレーターをかけ♪~「マンボ、マンボ、マンボ~」の後、その声が溶けてミニモーグの音色になるという裏技を使った素敵なソロ。
  • 次のソロは今井裕(サディステイックス)。柔らかな優しい感じのシンセ音色はミニモーグではなく、愛用していたスタイナーパーカーだと思われます。当時、池袋のヤマハでスタイナーパーカーのシンセサイザーが20万円位の破格バーゲン価格で売られていました。学生だった僕には購入する財力が無く、軽音楽部の後輩に話したところ、その後輩はあっさりとスタイナーパーカーを購入…という思い出があります。後輩のスタイナーパーカーはイイ音していました。
  • 3番目は佐藤博!佐藤さんらしいリズムの捉え方のソロ。この矩形波でソロをとるシンセはモーグか?佐藤さんの名演ソロはシンセサイザーだけでなく、エレピも多い。このシンセソロを聴くと南佳孝の「月夜の晩には」の素晴らしいローズのソロを思い出します。
  • シンセサイザーソロはこれで終了ですが、この後のソプラノサックスソロも素晴らしい‼プレイヤーは元ウエストロードブルースバンドの薩摩光二。流麗なソロは唯一無二だ!薩摩は曲間でソロをとらせたらピカ一のプレイヤー。サンボーンも真っ青だ。事実、高中のこのアルバム、「レディー・トゥ・フライ」でも素晴らしいソロを繰り広げています。今回のテーマはシンセサイザーソロでしたが、「レディー・トゥ・フライ」の薩摩のソロがあまりに素晴らしかったので書かずにはいられず、ここに記します。ウエストロードの「ライブ・イン・トウキョウ」でのプレイも素晴らしいが「レディー・トゥ・フライ」のソロは出色です!

今回取り上げたミュージシャン、アルバム、推薦曲、使用鍵盤

  • アーティスト:高中正義、深町純、佐藤博、今井裕、薩摩光二
  • アルバム:「TAKANAKA 」
  • 曲名:「サマーブリーズ」「マンボマジック」「レディ・トゥ・フライ」
  • 使用機材:ソリーナ・ストリングアンサンブル、ミニモーグ、スタイナーパーカー、アープオデッセイ

コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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音楽ライター / シンセ鍵盤卿

高校時代よりプログレシブロックの虜になり、大学入学と同時に軽音楽部に入部。キーボードを担当し、イエス、キャメル、四人囃子等のコピーバンドに参加。静岡の放送局に入社し、バンド活動を続ける。シンセサイザーの番組やニュース番組の音楽物、楽器リポート等を制作、また番組の音楽、選曲、SE ,ジングル制作等も担当。静岡県内のローランド、ヤマハ、鈴木楽器、河合楽器など楽器メーカーも取材多数。
富田勲、佐藤博、深町純、井上鑑、渡辺貞夫、マル・ウォルドロン、ゲイリー・バートン、小曽根真、本田俊之、渡辺香津美、村田陽一、上原ひろみ、デビッド・リンドレー、中村善郎、オルケスタ・デ・ラ・ルスなど(敬称略)、多くのミュージシャンを取材。
<好きな音楽>ジャズ、ボサノバ、フュージョン、プログレシブロック、Jポップ
<好きなミュージシャン>マイルス・デイビス、ビル・エバンス、ウェザーリポート、トム・ジョビン、ELP、ピンク・フロイド、イエス、キング・クリムゾン、佐藤博、村田陽一、中村善郎、松下誠、南佳孝等

 
 
 
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