毎月楽しみにしている雑誌Sound&Recording(通称サンレコ)で紹介されている色々なスタジオ、ミュージシャンの使用機材コーナーの中で真っ白な大きな丸いウェーブガイドが目を惹くスタジオモニターをよく見かけるなと思っていました。そんな矢先、なんと今回ミックスウェーブ様のご協力により、Amphion「One12」「One15」をお借りする機会に恵まれましたのでさっそくレビューしていきたいと思います。
Amphion Loudspeakers Ltd. は 1998 年に設立されました。当社は、正直で正確なサウンド再生を特徴とするスタジオモニターを設計および製造しています。
すべての製品はフィンランドで手作りされており (Amphion アンプはフィンランドで組み立てられています)、永続的なリスニング品質を保証します。
まず外観ですが、超真四角です。スタジオモニターの外観というと、真正面から見ると四角くても側面から見ると、どこかしらカーブしている部分があったりするものですが、Amphion One12、One15はどこから見てもきっちり四角です。個人的な感想ですが、スタジオモニターはやっぱり四角いほうがカッコいいと思います。昔の車のカクカクしたデザインが好きなのと似ています。



作りもかなりしっかりしています。目にとまった点として、エンクロージャーに継ぎ目が一切ありません。これも他のスタジオモニターだと、前面パネルとボディーが分かれているものが多いのですが、それがないというのも凄みを感じました。
最近の売れ筋、人気と言われているスタジオモニターは多くがパワーアンプを内蔵しているパワードタイプですが、Amphionはパッシブタイプ。専用パワーアンプで駆動するというのも大きく異なる点です。スタジオモニターから出てくる音を純粋に追求していくと、余計なパーツはスタジオモニター内部には配置しないほうが良いということなのかもしれません。そして、汎用ではなく、専用のパワーアンプを用意していることにも強いこだわりを感じました。

さっそくいつもの弊社ショールームにあるDTMルームへ持って行き、サウンドを聴いてみました。

音量自体は、他の同じサイズのスタジオモニターと比べて特に大きな差はありませんでした。ただ、音質となると話は変わってきます。
「価格の安いスタジオモニターと高いスタジオモニターは何が違いますか?」とよくお問い合わせをいただくのですが、言葉でその違いを表現するのが難しいので、一つの答え方として「情報量の多い音」という言い方をしています。
Amphionの音は、まさに「そこに本物がいる」です。
これには正直びっくりしました。定番ブランドのモデルの音も好きで良い音質だなと思っていますが、横に並べて両者比較をしてみると、その違いが浮き彫りになりました。

↑ツイーター: 25mm / 1inch チタニウム
Amphionオリジナルのウェーブガイドにより、ドライバー同士を確実に一体化させつつ、キャビネットの回折を除去し、広い周波数帯にわたって均一なレスポンスを生み出し、広いリスニングエリアを実現しています。

↑ミッドレンジ / ウーファー: 15cm / 5.25inch アルミニウム

↑バスレフポートではなく、パッシブラジエーターを採用することにより自然なエネルギー伝播と低域 特性の改善が可能になるだけではなく、中域の明瞭さも向上
イメージとして、他のモデルはスタジオモニターの正面の面の部分から音が鳴っていると感じるのに対してAmphionは、スタジオモニター周辺全部から鳴っているような感覚です。違う例え方をすると、他のモデルはライブをテレビで聴いている感じに近く、対してAmphionはライブ会場にいてリアルに聴いている感じくらいの違いがあります。
Amphionは「分解能が高く、自然な音の再生ができるスタジオモニター作りを目指しています」とのことですが、今回のサウンドチェックをしてみて、その意味を非常に納得しました。私はDTMをしない人間なのですが、ここまで音が違うことがわかるとシンプルに欲しくなりました。
音を聴く環境、製作する作品のクオリティをワンランクもツーランクもアップさせてくれるスタジオモニターならAmphionおすすめです。ぜひチェックしてみてください。