今回は電源周りの「もしかしたら役に立つかもしれない」豆知識についてお話します。
目次
- 豆知識その1 ACとDCって何、マルチメーター(テスター)の記号の意味って?
- 豆知識その2 世界各国の電源に違いはあるの?
- 豆知識その3 電源コンセント3極と2極って何が違うの?
- 豆知識その4 電源タップのノイズフィルターって何?
豆知識その1
ACとDCって何、マルチメーター(テスター)の記号の意味って?
電源でACとDCと言いますと……
- AC(Alternating Current)
- =交流(の電気信号)
- DC(Direct Current)
- =直流(の電気信号)
を意味します。
身近には、交流はいわゆる壁コンセントから、直流はDCアダプターから出力されています。それぞれの出力をオシロスコープに入力して、電気信号の波形を見るとより視覚的に理解できます。
AC(交流)
横軸の中央が0Vですが、上下いわゆるプラス領域、マイナス領域を交互に行き来しているのが交流の電気信号となります。一般的な家庭用コンセントからは正弦波が出力されており、図のように均等な弧を描くものを正弦波と呼び、その他に三角波や矩形波といった波形も存在しています。

DC(直流)
直流の電気信号は必ずプラスかマイナスかが決まっていますので、プラス/マイナスどちらかの領域において直線で表されます。

マルチメーターの計測モード選択の記号は、上記を理由に示されています。
どちらがAC計測レンジかDC計測レンジか、分かりますよね?

豆知識その2
世界各国の電源に違いはあるの?
(当たり前のように)違いはあります。どうして世界で一つの規格にできなかったのだろうかとも思いますが、歴史的背景から考えれば国家間の問題やその後のインフラ整備の過程などを通じて世界中で現在のように複雑になってしまったのだろうと思います。
よく聞くところで言えば、欧州、アメリカ、日本、それぞれ違いがありますよね。
ざっくりと、欧州230V、アメリカ120V、日本100V、といったところでしょうか。
近年ユニバーサル電源を採用し電源電圧100V-240Vまでをカバーした機器が多くなりました。メーカー側もワールドワイドに展開する製品についてはそのような電源を装備するということが多くなってきたようです。
もっと詳細を知りたい方は、以下を参照していただければ分かりやすく紹介されています。
株式会社 計測技術研究所
お役立情報 世界の電源電圧/周波数
豆知識その3
電源コンセント3極と2極って何が違うの?


上記のような、3極3つ穴タイプの電源コンセントとそうでない2つ穴タイプの電源コンセントがあります。3つ目の穴、これはアースピンの接続をするためにあります。一般家庭だとエアコンの電源コンセント、電子レンジ・洗濯機用の電源コンセントには3つ穴タイプかアースラグを取り付けるための接続口があります。

アースには以下のような目的があります。
- 「感電防止」
- 水気や湿気の多い場所では、人体は感電のリスクが高まります。そのような感電リスクを防止します。
- 「落雷、ショート(短絡)時の事故防止」
- 落雷・ショートなど一時的に大電流が流れた場合でも、アースへ落とすことで、火災などの事故を防ぎます。
- 「外来放射ノイズの軽減」
- 身の回りの電子機器は多かれ少なかれノイズを放射しており、外部から飛来する放射ノイズによる影響を受けています。金属筐体で電子機器を覆うことで、電磁波として飛んでくる外来ノイズを防御できます。このとき、金属筐体を大地に接地しておくと、ノイズ電波のエネルギーは大地に吸収されてしまうのでより効果が上がります。
豆知識その4
電源タップのノイズフィルターって何?
電源タップにはノイズフィルターというものがあります。一見するとその電源タップに繋ぐと聞こえるノイズがカットされるように思いますが、実はそういうことではありません。
具体例を挙げて解説します。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / 電源タップ PDS8 3m
こちらの製品のノイズフィルターの性能は以下のようになっています。
■ ノイズ減衰:トランスバース > 26dB、200kHz~10MHz
トランスバースとは簡単に言うと、横波≒電磁波のことを指します。

「>26dB」ノイズ減衰量の目安
「200kHz~10MHz」ノイズの周波数帯域
つまり電磁波ノイズ(200kHz~10MHz)を26dB以下まで減衰させています。
周波数帯域から聴感帯域ではありませんので、聞こえるノイズをダイレクトにカットしているのではありません。機器の回路・電源部へ影響及ぼす高周波ノイズをカットすることで、機器への影響や、オーディオ雑音ノイズの原因を減らす役割を果たしているということになります。
以上、豆知識でした。