UPSを初めて購入される、そういったお客様向けに必要な知識をご紹介します。
今回は、UPS選びに事前に確認が必要な「消費電力」がテーマです。
さっそくですが「消費電力」について、深堀りしてみましょう。
■ 目次
1. 消費電力とは
機器類に記載されている消費電力は、見たことがある方は多いと思います。
↑機器に記載されている消費電力の例
この記載されている消費電力は、一般的に「交流回路における有効電力」が表示されています。
「交流回路における」と言いましても、家庭用壁コンセントは交流電源です。
ですから、コンセントに直接挿して使用する機器は交流回路の機器と言えます。
↑代表的な交流電源 家庭用壁コンセント
交流の対義として直流がありますが、直流電源を使用する機器は必ずアダプタを挟んで使用します。アダプタは交流出力のものも一部存在しますが、その多くは直流出力で、直流のものは必ず出力表記に極性が表示されています。
スマートフォンやノートパソコンは、身近な直流電源を使用する機器となります。それらは、軽量コンパクト化及び内蔵バッテリーでも動作できるよう設計するため、内部回路は直流電源で動作するよう設計されています。
↑代表的な直流電源 DCアダプタ
それでは、有効電力とは何でしょうか。
有効電力とは、回路(電気回路)における有効利用できる電力を指します。
直流の回路では回路に流れる電力は「全て」有効電力となります。
交流の回路ではコイルやコンデンサを挟むと、無効電力というものが発生します。そのため有効電力は無効電力を差し引いたものとなります。
※実際の計算式は、「皮相電力(全体の電力)の2乗 = 有効電力の2乗 + 無効電力の2乗」となりますので、ここではイメージをつかむため、簡易な説明としております。
↑回路上のコイルやコンデンサ類
無効電力が発生する要因ですが、コイルやコンデンサは交流回路では、電圧または電流において位相のズレを起こしてしまうためです。
一見、無駄な電力ではと考えてしまいますが、実際の回路ではコイルやコンデンサの素子なしでは機器(回路)を動かすことができませんので、必要不可欠な要素となります。
そのため交流回路では、どうしても無効電力が発生してしまいます。
2. 消費電力を調べる
冒頭の画像のように機器に消費電力を記載してある場合はそちらを参照します。
機器に記載がない場合は、まずは取扱説明書やメーカーサイトにて表示があるかを確認して、最も正確な情報を得てください。
以下のような、サポートサイトに記載されている機器もあります。
検索しても情報が取得できない場合は、おおよその目安表を参考にするか、実測を行うことで目安を把握することもできます。
目安表を参考にする場合
千葉県 家電製品の消費電力
実測する場合は、ワットチェッカー/モニターを使用します。
基本的にはコンセントと機器の間に挟むだけで、自動計測してくれるので、おおよその目安を把握できます。
サンワサプライ ワットモニター
このように、機器の消費電力を把握しUPSを選択していきます。
3. UPSと消費電力
UPSにも各シリーズにおいて、UPS本体の力率(有効電力率)というものがあります。
つまり、容量(VA)に対して力率を掛けたものが、そのUPS本体の許容電力(W)となります。UPSへ接続する機器の消費電力の合計は、UPS許容電力以下でなければなりません。
許容電力の範囲内であれば、その許容範囲内の消費電力の機器をUPSで停電時サポートすることができます。
但し、レーザープリンタやモーター付きの機器(扇風機、サーキュレーター、ドライヤー、冷蔵庫等)は、消費電力が許容電力範囲であっても、UPSでは使用できません。
また突入電流(電源ON時など一時的な高い電流)が高い機器を接続されると、瞬間的に許容電力量をオーバーする場合がございますので注意が必要です。
最後に弊社取り扱いのUPS一覧をご紹介致します。
LXシリーズ
■ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UPS500LX 無停電電源装置
容量:500VA 許容電力:300W
■ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UPS1200LX 無停電電源装置
容量:1200VA 許容電力:720W
PSシリーズ
■ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UPS1000PSII 無停電電源装置
容量:1000VA 許容電力:800W
■ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UPS2000PSII 無停電電源装置
容量:2000VA 許容電力:1600W
RTシリーズ
■ CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / UPS1000RT 無停電電源装置
容量:1000VA 許容電力:900W
以上、お読みいただきありがとうございました。