まだまだ残暑が厳しく8月の終わりを感じさせない気候ですが、セミの鳴き声からコオロギ、スズムシの鳴き声に移り変わっていることに気づきちょっとだけ嬉しくなっている今日この頃です。皆さんお元気ですか?
秋と言えばキノコ類に果物、魚介。どれをとっても最高です。一年中秋ならいいのに。
そんなことはどうでもよくて、今回も今回とてギターのお話です。
筆者、一年ちょっと前にもFloyd Roseについてのブログを書いたのですが、
その時はモデルごとに見比べるだけでした。今回は、取り付ける際のとある加工について書いていきますね。
まずはこの二つのギターのブリッジとその周辺を見比べてみてください。


横からみるとこんな感じ。


ブリッジの取付けによる高さが全然違いますよね。黒いほうはボディの上に乗せるようにして取り付けられていますが、白いほうは沈めるようにして取り付けられています。これが今回取り扱う内容です。
黒いほうの取り付け方法を”ノンリセスド”、白いほうを”リセスド”と呼んだりもしますが、ブリッジ周辺を一段掘り下げる加工を指します。最近では2点シンクロのギターにも時々見られるようになった加工ですが、個人的にはやはりFloyd Roseならではの加工だなと感じます。
では、この加工をするメリットとはなんでしょうか。
Floyd Roseが登場した当時の取り付け方法は、ノンリセスドでした。ストラトのシンクロトレモロをただ付け替えただけ、という感じです。ですがこの方法には以下の弱点があります。
- ブリッジの取り付け高が高くなるため、ネックの仕込み角を稼ぐ、もしくはネックポケットを浅くする必要がある
- アームアップ方向への猶予があまりないため、アーミングの幅を広げられない
- ブリッジ下部の猶予もないため、ブリッジだけでの弦高調整の限界が狭い
- ボディトップと弦の距離が空く場合が多いため、テクニカルなプレイにおいて不利
などなど。人によっては他にもいろいろあると思います。ここで考案されたのがリセス加工なのです。問題であったブリッジの取り付け高、ブリッジ周辺のスペースの猶予、それに付随する調整/アーミングの幅の限界、ボディトップと弦の距離、これらを一気に解決する世紀の大発明です。正確に言えば、アーミングに関してはノンリセスドでもできるのですが、かなり極端なフローティングのセッティングにしないと音程の可変幅が稼げません。しかも弦高が上がるデメリット付きです。
そして今ではFloyd Rose搭載のほとんどのギターにこのリセス加工がされています。というより、Floyd Roseを載せるためにはリセスが必須、くらいになっているような気がします。
要は昔ながらのスタイルを貫きたいならノンリセスド、そうでないならリセスド、というわけですね。
ちなみに筆者は、断然ノンリセスド派です(自分のギターを見てほしいだけ)。

リセスについてこのブログで知ったという方は、ぜひ今後はこういった取り付けの違いにも目を配りながらギターを選んでみてください。きっともっと楽しく選べるようになるはずです!
ではさよならのBGMはこれで!
■ Ratt - You're In Love (Official Music Video) - YouTube
比較したギターたち
■ 黒いほう
CHARVEL ( シャーベル ) / Warren DeMartini Signature San Dimas Cross Swords
■ 白いほう
CHARVEL ( シャーベル ) / Pro Mod San Dimas Style1 HH FR Snow White