みなさまは普段、クラシック音楽を聴くことはありますか?
ピアノはソロだけでなく連弾や2台ピアノ、協奏曲など複数人で演奏するスタイルの作品も数多く作曲されています。
私は学生時代、親友とたくさんのデュオ曲に取り組んでいました。ピアノは他の楽器に比べて大人数で演奏するという機会が少ないですが、そんな中でも2人で1つの楽曲を作り上げていく楽しさは今でも覚えています。どの楽器よりも音域の広いピアノはソロでも十分に厚みがありますが、たった1台、あるいは2台のピアノで広い音の空間に包まれるような感覚を味わうことができます。
今回はピアノ連弾曲、2台ピアノ曲からおすすめ曲を紹介させていただきます。
サン=サーンス:動物の謝肉祭より「水族館」
フランスの作曲家サン=サーンスによって作曲された全14曲からなる組曲です。曲名のとおり、たくさんの動物が登場します。私自身、ピアノの音だけで、頭の中にさまざまな動物の姿が浮かんでくることに驚きました。
なかでも第7曲の「水族館」はとくに有名で、2006年に放送されたテレビドラマ「のだめカンタービレ」でも、千秋がのだめの催眠術にかかっているシーンで使用されています。
分三和音(和音をバラバラにし1音ずつ弾く演奏法)によって奏でられる繊細なメロディーは、水族館で魚たちが水の中を泳いでいる様子や、夜になり光に照らされた水が左右に揺れ動く様が想像できます。不思議な和音の連続によって、まるで水の渦に吸い込まれていくような、ふわふわとした空間に包まれる作品です。
サン=サーンス:動物の謝肉祭より「終曲」
全14曲の最後に演奏される「終曲」は、作品の中で登場した動物たちが集結し、盛り上がりが最高潮に達した様子を想像できる作品です。冒頭のトレモロを聴けば、振り向かない人はいないと言い切れるほどの華やかさ。そして、そのあとに続く軽快なメロディーにわくわくする気持ちが抑えられません。演奏のパフォーマンスにおいて特に目を引く部分は、プリモ(ピアノの右側で弾く人)とセコンド(ピアノの左側で弾く人)が全く同じメロディーを演奏するところです。過去の経験談ですが、テンポは速く細かい音符だったため、2人のタイミングがずれてしまわないよう何度も何度も練習を重ねました(汗
体の大きな動物が大きな歩幅で歩くような安定感のあるセコンドの伴奏、そして、楽しいあまり速まる足が止まらない細かなパッセージを奏でるプリモが合わさり、聴いている間ずっと高揚感に包まれる感覚を味わえる素晴らしい作品です。
動画を見る際、先ほどお話しした見せ場の部分が、どこで出てくるのか楽しみにしながら聴いていただけたら嬉しいです!
ガーシュウィン:3つの前奏曲
ガーシュウィンは、“近現代”と呼ばれる時代を生きていたアメリカの作曲家です。クラシックだけでなく、ジャズやポピュラー音楽の要素を取り入れた、バッハやショパンとは全く異なる作風が特徴的です。まるでステップを踏んで踊っているかのような軽快なリズムが、聴いている人の心を惹きつけます。ロマン派や古典派の時代の作品と比べると、全ての曲に言えることではありませんが、流れるような豊かな曲想よりも、アクセントのあるおしゃれで生き生きとした、即興的な曲想を感じられます。
モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ K.448より第1楽章
またまたこちらの曲も、テレビドラマ「のだめカンタービレ」で有名な1曲です。
モーツァルトは古典派を代表する作曲家。特にきらきら星変奏曲やトルコ行進曲が有名ですね!無邪気に子供がはしゃいでいるような雰囲気を醸し出している、明るく爽快な作品です。まるで会話をしているかのような、プリモ(第1ピアノ)とセコンド(第2ピアノ)の掛け合いがとても魅力的♪私自身、親友と音で語りあっているような感覚を味わいながら、楽しく演奏しました(^▽^)/落ち込んだ時、この曲を聴けば嫌なことも吹っ飛んでしまうような、モーツァルトの陽気な性格がたくさん表れているおすすめの1曲です!
ブラームス:「16のワルツ」より第15番
私がブラームスの曲の中で、1番好きな作品です。
ブラームスは、ドイツを代表するロマン派の作曲家。ハンガリー舞曲のような重々しい、力のある楽曲を作曲している一方で、「16のワルツ」第15番はメロディーがとても繊細で美しく、聴いていると心が浄化されるほどです。自然に囲まれ、心地よい風を浴びている気持ちに包まれませんか?
ハーモニーもそれほど複雑ではなく、シンプルですが、このシンプルさが安心感を与えているのかなと感じます。後半部分で、冒頭のリズムが変奏されていることもあり、メロディーが繰り返される中でも、変化も感じ取りながら聴くことができる、素晴らしい作品です。
ここまで5曲をご紹介してきましたが、どこかで聴いたことがある!という曲もあったのではないでしょうか?聴いたことはあっても、どの作曲家の何という曲なのかまで調べることはなかなか少ないと思いますので、この機会に知っていただけたら嬉しいです。
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