
この線って何?
ブログをご覧の皆様こんにちは。
ギター弾いてますか?
トレモロユニットを搭載しているエレキギターのトレモロパネル、外してみると現れるハンガー部分についているこの線。初めて目にした時はなんだこれ?って思う方も多いのではないかと思います。
じつはこの線、とっても大切な役割があるのです!!
ということで今回はこの線について簡単に説明させていただきます。
※今回の記事では初心者の方に向けてできるだけ簡単、かつ分かりやすく解説していくことに重きを置きます。少々軽めの内容となりますが最後までお付き合いください。
さて。この謎の線はいったい何なのか?
結論から言うと【弦アース】をとるための線なんです。
いやいや弦アースってなんなの??ってお話ですが、皆さんはエレキギターやエレキベースを演奏する際に、弦やブリッジから手を離すとノイズが出て、触れるとノイズがなくなる、なんて経験ありませんか?
めちゃくちゃザックリ言うとこれが弦アースなんです。
そもそもエレキギターは弦(金属)の振動をピックアップ(マイク)で拾い、アンプで増幅させてスピーカーから出力しています。
このピックアップというモノ(その他の電子部品も)は構造上、弦の振動だけでなく外来の電磁波も沢山拾ってしまうんです。
で、それを踏まえてギターの形をよーく見てみると
弦振動や電磁波を拾うマイクを中心に電子部品と長ーく伸びた6本の金属弦……
なんかラジオみたいじゃね?
弦なんかまるでアンテナじゃないですか!!
加えて私たち演奏者も導体、つまり電磁波を集めてしまうアンテナになってしまいますのでノイズを増やす原因となっているんです。
弦アースをとってあげると、弦やブリッジに触れることでこの線を通しノイズ源(演奏者)からギターのアースまでが繋がり、そのことによって不要な電磁波(ノイズ)がアースに落ちて快適に演奏が楽しめる、という訳です。
ちなみにトレモロ系のギター以外ではどこに弦アースの線がついているのかといいますと、ベースの大半はブリッジの下に穴があいていてそこから線が出ています。
またレスポールモデルなどに使われているTOMタイプのブリッジでは、ストラップテイルピースのアンカーと繋がっていたりします。

と早々に謎の線についてのお話が終わってしまいましたが、もう一つお伝えしたいことがあるんです。
じつはこの弦アース関係でお客様からのお問い合わせが多いのが、ノブに触れる、または回すとノイズが発生してしまうというものです。
一見すると弦アースとは何の関係も無いように思えるのですが、このお問い合わせをいただくお客様の大半には共通点が見られます。
それはメタルノブのギター/ベースを使用されているお客様ということ。

メタルノブは素材が金属なので演奏者が集めたノイズが、人体→ノブ→ポット→アースと流れていき、弦アースの線と同じ役割を果たしています。
じゃあなぜガサガサ、チリチリとノイズが出るの?ってお話なんですが、それは弦アースとしての金属の接触が不安定だからです。
ノブとポットのシャフト部分は多くの場合、イモネジ1つで固定されています。そのため、シャフトを回すことにより弦アースがくっついたり離れたりしてガサガサ、チリチリとノイズが出てしまうんです。
この症状にお悩みのお客様も多いと思いますのでいくつか対策方法を紹介させていただきます。
弦に触れた状態でノブに触れる
この方法が一番楽でコストもかからない方法だと思います。
これだと先に弦アースが落ちていますからノブに触れても大丈夫です。
ノブを樹脂製のモノと交換する
プラスチックなどの樹脂は電気を通さないので、ノブが弦アースの役割を果たす(ノブに触れることでノイズが落ちる)こともないためノイズも発生しません。
しかし、テレキャスターやジャズベースに樹脂製のノブは格好が悪いよ。という方は次のプラン。
お役立ちグッズを使う
ESP ( イーエスピー ) / METAL KNOB NOISE KILLER
弊社でも取り扱っている商品、ESP「Metal Knob Noise Killer」。
こちらの商品はノブとポットの間に入れることで、ノブとポットのシャフト部分が常に触れている状態になります。弦アースの接触部分を安定させ、ノブにふれたときのノイズを減らすことができます。
いかがでしたでしょうか。
今回は弦アースについての説明と対策について書かせて頂きましたが、少しでもお客様のお悩み解決の手助けとなれば幸いです。
またポットのノイズに関しては、一概に弦アースだけが問題というわけではなく部品の劣化など様々な原因がございます。
あと、エレクトリック・アコースティックギターに関してはほとんどの製品で弦アースがとられていないのですが、そのあたりはまた機会がありましたら別のブログにて紹介できればと思います。
それではまたサウンドハウス・スタッフブログで会いましょう。
さようなら!