今回はネタ探しに悶々としている中、ふと修理で不要になった故障パーツに自然と手が伸びました。私が手にとったのは、コンデンサーマイクのダイアフラムです。

ダイアフラムといってもマイクカプセルとか、マイクユニットとか、呼び方は色々あります。個人的にはダイアフラムという呼称が一番聞き馴染みがあるかなと思い、記事のタイトルではダイアフラムと称しています。
ダイアフラムは、マイクグリルの網目から覗くと見えます。
円形のキラッと輝く物体が見えるかと思います。
このような感じです。

ちなみに、いくつかマイクのグリルを外してみたら、


このような感じで、マイクに搭載されています。
ということで、早速ダイアフラムを分解していきます。
円周のリングを留めてあるネジを外していきます。

分解が終わると、このような感じになりました。

じつは反対側にも同じようなパーツがついていますが、内容物は同じです。
とてもシンプルですね。
各パーツをみていきます。
まずは振動板です。


薄いプラスチックフィルムが張られていて、中心寄りに金の蒸着が施され、振動板を形成しています。
続いて、バックプレートです。


何やら、中心に大小の穴があけられています。
調べると、この穴の大きさや位置は、マイクの周波数特性に影響するようです。
素材は、今回のものは真鍮製のバックプレートでした。
ここで少し、コンデンサーマイクの動作原理を確認しておきます。
Wikipediaからの抜粋です。
コンデンサーマイクの動作原理
互いに平行な2枚の金属板を近接させるとコンデンサになる。その一方をダイヤフラム(蒸着などにより金属を貼り付けたプラスチックフィルム、または金属薄膜)に置き換えると、振動に応じて電極間の距離が変わるため、音声信号に比例した静電容量の変化が発生する。高抵抗を介して電極間に直流電圧をかけると、静電容量の変化をそれに比例した電圧の変化として取り出すことができる
出典:ウィキペディア(Wikipedia)マイクロフォンより
言葉で羅列されると、結構しんどいですが。
コンデンサーマイクなので、先ほど紹介した、振動板とバックプレート部分を近接させることで、コンデンサを形成し、振動板で受けた音声/音波を上手く電気信号に変換しているということです。
イメージ図です。

コンデンサーマイクはミキサーなどから取得するファンタム電源が必要で、一部のマイクでは専用電源が用意されています。それはそもそも、このダイアフラム(マイクカプセル)を正常に動作させるため必要だということです。
コンデンサーマイクの管理について少しご紹介します。
コンデンサーマイクは湿度に弱い部分があるため、湿度の少ない場所で保管するのが最適です。本格的に湿度調整する場合、デシケーター(防湿庫)を利用するというのも一つの手です。
東洋リビング ( トウヨウリビング ) / ED-80CAT(BW) 防湿庫 デシケーター
100均ショップなどで販売されているシリカゲル乾燥剤でも十分ですが、定期的に入れ替えてあげる必要があります。弊社で販売されている楽器用の湿度調整剤でも代用は可能ですが、サイズが大きい場合や香りが付いているものもあるため、ご自身の用途に合わせて使ってみていただければと思います。
GRECO ( グレコ ) / DRY CREW 湿度調整剤
さて、今回はコンデンサーマイクのダイアフラム分解の話を、動作原理にも少し触れながらご紹介しました。皆様の興味が少しでも深まれば幸いです。