はじめに
20年以上にわたり世界の音楽シーンを支えてきたピッチ補正ソフト「Auto-Tune」。日本の音楽シーンにおいてもHIP HOP、POPSなどを中心に使用されています。
そして、今回のブログで紹介するのがFocusriteのオーディオインターフェース「Scarlett 3rd Gen」や「Clarett+シリーズ」などを購入した際に無償でバンドルされるAntaresのプラグイン「Auto-Tune Access」。
どのようなことができるのかを紹介していきたいと思います。
オートチューンとは
簡単に言えばボーカルなどの音程を自動で補正するものです。俗に言う「ケロケロボイス」はオートチューンを極端に設定して音程を無理やり補正した結果生まれるエフェクトで、特定の年代・ジャンルにおいて流行にもなりました。それでは「Auto-Tune Access」でどんなことができるのか、さっそく見ていきましょう。
Key and Scale

Auto-tune Accessの画面上で「Key」・「SCALE」を選択するとキーボードが有効な音階を表示してくれます。上記画面だとGメジャーの音階が表示されていますが、例えばここで音階に無いFの音を検出すると、その音に近い「F#」か「E」の音へ補正してくれます。(ズレがより近い音程側へ補正します)
Keyboard
Key and Scaleで設定するだけでなく、キーボード部分を操作すれば自身の好きな音階で補正させることも可能です。音楽的な表現でわざとスケールから外した音を残すような場合に有効です。初めて触る方は、単音だけ有効にして声を入れてみると、機械っぽさがでて面白いので遊んでみてください。笑
Retune Speed

ここではピッチを補正する速度を選びます。速く設定するほど分かりやすくピッチが変わり、逆に遅く設定するほどより自然に補正されます。ケロケロボイスを目指すならFASTがおすすめです。加工的な意図でなく元のニュアンスを残したまま補正したい場合はMEDIUMかSLOWのほうが良いでしょう。
Humanize

Humanizeの値を大きくすると、音価の長い部分でよりゆったりと補正させることができるため、自然に変化させられます。Retune Speed をいじっても自然にならないと感じたらこの機能を使ってみましょう。
その他機能
上記のパラメータを細かくセッティングした後、デフォルトの設定として保存しておくこともできます。お気に入りのセッティングが見つかったら保存しておくと良いでしょう。
Auto-Tuneが使用されている楽曲について
若干脱線しますが、Autotuneがどんな効果をもたらすかを知るには、実際に楽曲を聞くのが早いでしょう。二つ程例をご紹介します。
BAD HOP / Life Style - T-Pablow, YZERR (Prod by Gold Digga)
こちらの楽曲では分かりやすくかけている部分と、ナチュラルなかけ方をしている部分で行き来しているのが伝わると思います。
Kanye West - Love Lockdown
個人的にはAutotuneのおいしい部分をフルに使っている楽曲だと思います。ピッチの揺れ具合がとても心地よいです。
あとがき
今回はFOCUSRITEのオーディオインターフェイス製品に付属する「Hitmaker Expansion」の一つ、Auto-Tune Accessを紹介しました。筆者も実際に使ってみましたが、無償で付属する製品とは思えないほどの高いクオリティでした。HIP HOPだけでなくソウルやポップスなど、幅広いジャンルで活躍してくれるプラグインだと思います。
「Hitmaker Expansion」にはこれだけでなく、多くのプラグインが付属しますのでそれらについても別の記事で紹介していきたいと思います。
それでは皆様、良きDTMライフをお送りください。