去る2023年3月26日、2017年以来6年ぶりとなる『LOUD PARK』が開催されました。『LOUD PARK』(通称ラウパ)は日本最大級のヘヴィメタル・フェスティバル。復活を望む多くの声がありながら長年沈黙を保っていましたが、2023年「限定復活」という形で戻ってきました。
ヘヴィメタルと共に生き、ヘヴィメタルとともに棺桶に入るつもりの筆者はもちろん参戦してきました!
筆者が見れた出演者のみになりますが、ざっくりとした感想と、LOUD PARKひいてはヘヴィメタルへの感謝を綴っていこうと思います。
Jason Richardson & Luke Holland
この日トップバッターを務めたのは、いまトップクラスの注目を集めるギタリストJason Richardsonと、彼のソロアルバムでドラムスを務めたLuke Holland。
初っ端ということもあり、ややサウンド的にはバランスの悪い場面もあったものの、Jasonの技巧はステージ上でも揺るがず。アリーナもそのテクニックを一目見ようとギタープレイヤーが多く集まっている印象でした。実際、LukeがMCで「ギターを弾いてるヤツいる?」って聞いたときには多くの手が上がっていましたね。シュレッドギターとバッチバチのドラムで「ラウパ始まったな!」って実感させてくれる素晴らしいトップバッターでした。
Bleed from Within
お昼時の休憩や物販の購入を済ませて観たのはスコットランド産メタルコア・バンドBleed from Within。 恥ずかしながらラウパのアーティスト発表で初めて名前を知ったバンドだったので、最初は後方エリアで観るかーって感じだったんですが、大きい会場で大音量で鳴らすメタルコアはズルいですね。思わず前方エリアまで行っちゃいました。
耳を引くメロディアスなリフとメタルコアらしいシャウト、そしてメタルコアの醍醐味ともいえるサビやブレイクダウンにテンションをぶち上げられたアクトでした。
Carcass
小休止を挟んで「リヴァプールの残虐王」Carcass。今年のLOUD PARKで最もエクストリームな出演者だったと言っても過言ではないと思います。アルバム『Necroticism』や『Heartwork』の楽曲を多めに入れつつ、最新作『Torn Arteries』の楽曲も織り交ぜたフェス用攻撃力高めセットをぶちかましてくれました。
そして生で聴くと「Heartwork」は名曲だなあと改めて感じますね。メロディック・デスメタルの雛形を作った大御所の凄みを感じるステージでした。
Stratovarius
筆者の大本命にしてパワーメタル神の一柱であるStratovariusがついに登場です!
最新作『Survive』のタイトルトラックから始まり人気曲を畳み掛けるセットリストで、終始大合唱を起こす様はまさに神。歌ものだけでなく、インスト曲「Stratosphere」におけるMatias KupiainenとJens Johanssonの演奏も圧巻の一言でした。
「元気?」「最高!」など日本語でのMCが多かったのも日本のファンとしては嬉しい限り。正直、フェスの持ち時間では物足りないと感じたのも事実なので、ぜひ単独公演も……!
Nightwish
2023年1月に来日公演を予定していたものの、メンバーの健康上の理由から中止になっていたNightwish。LOUD PARKで6年以上ぶりの来日を果たすこととなり、待ち望んでいたファンも多かったことと思います。
ステージ上で目を引いたのはやはりFloor Jansenの存在感。自身が加入した後の楽曲はもちろん、前任のボーカルが歌唱していた楽曲も歌いこなし、バンドの顔としての役割をパーフェクトにこなしていました。シンフォニック・メタル好きながらお目にかかるのは今回が初めてだったので定番曲多めのセトリが嬉しかったですね。
Kreator
ジャーマン・スラッシュの帝王Kreator。ベーシストが元DragonforceのFrederic Leclercq(フレッド)に交代してから初の来日となります。Dragonforce時代から親日家として知られるフレッドにも多くの声援が飛んでいたのが印象的でした。
実は筆者がKreatorにハマったきっかけは2014年のLOUD PARKだったりします。フロントマンMille Petrozzaのカリスマに当てられたあの日から早9年、再度目の当たりにしたMilleは相変わらずカリスマの塊でした。衰えを知らないあの声で「Enemy of God」をコールされた日にはサークルピット不可避というもの。これからも筆者的最強スラッシュメタルはKreatorで揺るがなさそうです。
Pantera
限定復活したLOUD PARK、その大トリを飾ったのはPantera。メタルの歴史をPantera前後で分ける人もいるほど、後続のバンドに大きな影響を与えたバンドです。サウンドの中核を担っていたDimebag Darrell、Vinnie Paulは既に亡くなっており、それぞれと親交の深かったZakk Wylde(Black Label Societyなど)、Charlie Benante(Anthrax)をサポートに迎えて再結成が実現しました。
Dimebag、Vinnieを欠いたラインナップでの再結成に賛否両論ありましたが、それを吹き飛ばすようなパフォーマンスだったと個人的には思います。楽曲のキーは下げていたものの、その分ダウンチューニングでギターのサウンドは極悪になっており、トリガーバチバチのドラムは「Pantera」以外の何者でもないサウンドを放っていました。Phill Anselmo、Rex Brownのコンディションも良かったようで、最後の最後にすべてをかっさらって行ったパフォーマンスでした。向こう10年はPanteraを見たことを自慢する気がしています。
PANTERA "Mouth for War" March 25, 2023 LOUD PARK 2023 Osaka Japan https://t.co/tX3NbprIYy via @YouTube 🤘🤘🤘 @Pantera @loud_park
— Charlie Benante (@skisum) March 27, 2023
開催から日が経ってしまいましたが、筆者的なLOUD PARKの感想でした!
各バンドへの感想も多々ありますが、『LOUD PARK』の名を冠したフェスへ参加できたことが無上の喜びでしたね。日本発のメタルフェスであり、長年「日本最大のメタルフェス」の看板を背負ってたフェスへ参加した充実感ってのは他では得られない物があります。
予習なしで観たBleed from Withinでぶち上がったり、お目当てのStratovariusで優勝したり、なんだかんだ大トリのPanteraすげえって感想で締めくくったりとフェスっぽい楽しみ方も満喫できました。限定復活、と言わず来年もそのまた来年も続けて欲しいと思ってしまうのは筆者だけではないのでは?
またLOUD PARKが戻ってくることに期待しつつ、感謝の言葉でこの文章を締め括ろうと思います。ありがとうLOUD PARK。