大それた企画がついに始まってしまった……
このブログは毎月更新しているが場合によっては月に2度更新する必要が出てくるかも知れない。
このブログを心待ちにしてくれる読者の熱量次第だ。
連載形式で何回かに分けていくがいきなり製作とはならない。
作る前に理解しないといけないことが多々あるので、まずはその説明から始めたい。
第一章の製作はダイレクトボックス(D.I)だ。おっと、最高音質が抜けている。
ダイレクトボックス(D.I)とはギターや、ベースの信号(ハイインピーダンスでアンバランス信号)をローインピーダンスでバランス信号に変換する装置。
ギターやベースから出た信号は、長いケーブルを通ると音量が下がり力感がショボくなり高音がこもりまくる。
そうならないようにステージによく用意されているアイテムがダイレクトボックス(D.I)だ。 簡単な物ならトランス1個と入出力のジャック2個で完成してしまうぐらい単純な構造だが、複雑な構造で異常なほど高価な物も有る。
そこで、今回は時間をかけてじっくり丁寧にやればだれでも完成できるうえ、市販品にはない機能、さらにはホレボレするほどの音質を目指していきたい。
筆者は部品に大変こだわるが「これだけは譲れない!」と言うもの以外、自由にチョイスしてもらって構わない。ただし、それが最高音質かどうかの保証はできないが……
その1. 音質のコンセプト
ズバリVintage(OLD)NEVEである。
あの音の存在感、マッス(重量感)、しっとり湿った質感など現代の物など比べ物にならない。
全く同じものを作る訳ではなく、NEVEのテイストを残しつつ唯一無二の独自の音を作り上げよう。
RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / RNDI
RUPERT NEVE DESIGNS ( ルパート・ニーブ・デザイン ) / Portico 5017
その2. 使用部品のこだわり
抵抗やコンデンサーも一応指定はするが、自分で使用したい部品が有れば自由に使っても構わない。


部品点数も極限まで絞り抜くので、一つ一つの部品の良し悪しがモロに音に出る。
ただし、筆者も実際に作っているのでその音とかけ離れていくことは覚悟して欲しい。
その3. 専門知識のひけらかしはしない
周波数特性だのRIAA曲線だのノイズ係数由来のSN比だの、普通の人が理解できないような話はゴッソリ省く。
楽しく作り、最高のアイテムを入手するだけの企画である。
注意!
ここで披露する機器はもちろん市販品にはない回路だが、様々な機器からの回路を応用したり参考にしたりする事は頻繁にやる。
過去の偉人たちが知恵を振り絞って考えだした回路を、畏敬の念を持ってお借りしているのだと思って欲しい。
ただ、作ってくれるのはうれしいがそれで商売を始めてもらいたくはない。
今回のダイレクトボックスの特徴を説明したい。
その1
アクティブD.Iである。
ステージ用で使用するだけではなくレコーディングや配信でも威力を発揮する。
己の作る音のかけがえのないアイテムとするために、あえてアクティブである。
また、生音の他にも音色を選べるようにする予定なのでアクティブじゃないと都合の悪い部分もある。
そのため、今回はあえてのアクティブタイプである。
その2
エレキギター、PU付きアコースティックギター、ベースそれぞれに対応したレベル切り替えができる。
当初、ベース用にするつもりだったが意外とギタリスト(特にアコースティック)からの要望も有ったので。
たしかに、ピエゾ系のPUを使用している人はその出力の低さに泣いているに違いない。
その3
大変贅沢なトランスを使用する(Made in England)
※音は贅沢だが値段はチープ。
その4
出力の音質を何種類か選べる。
入力した信号と全く同じ音質でインピーダンスを下げバランス出力にするなど不可能である。
であれば、出力はノーマルサウンドの他にも積極的に音作りしていきたい。
より太い音や、存在感のある音、固い音やソフトな音、滑らかな音など、そんなにたくさんの音をチョイスはできないが、ノーマルサウンドのほかにもう2種類ぐらいは選べるようにするつもりだ。
材料の選定
まず真っ先に入手してもらいたいのがこのD.Iの心臓ともいえるトランスだ。
今回はライン入力のみで贅沢にも入力部分にトランスを使用する。
おっと、今回のブログはここまで。
あえて部品の入手先は記載しないが、今時Web検索でいくらでも探せるはずなので手間を惜しまず探してほしい。
DIYは材料の入手や買い物する楽しさから味わう物なので、めんどくさいなどと思わず楽しんでいただきたい。
では次回のブログをお楽しみに。