みなさんはラウドロックというジャンルの音楽を聴いたことはありますか?
筆者は中学生の頃にONE OK ROCKというバンドを聞いてからラウドロックにハマりました。
このラウドロックというジャンルは、定義が難しいものではありますが、ハードロックやヘヴィメタルよりも、メロディアスなサウンドが特徴です。
もちろん、楽器隊の重たいサウンドは保たれたまま、ボーカルメロディーが聴こえるので、ポップスの聴きやすさと、ヘヴィメタル系のカッコ良さという美味しい所だけを取って足したジャンルではないかと思います。
ラウドロックジャンルの一番の魅力はなんと言っても、ボーカルメロディーの音域の広さです!楽器隊の重たいサウンドに埋もれることのない輪郭のある声となると、やはり一定の高い音域かつ声量が求められます。
そして、ヘヴィメタルジャンルのような、デスボイスと呼ばれる発声方法も取り入れているボーカルも存在し、たとえポップスが上手く歌えるボーカルでも、ラウドロックジャンルに手を出すのはハードルが高い印象です。
筆者はボーカルということもあり、歌声にフォーカスしておすすめのラウドロックバンドを選んでみました!
前置きはここまでにして、早速バンドの紹介をしていきます!
まずはLINKIN PARKです!
彼らはアメリカのバンドです。2000年代を代表するモンスターバンドで、世界中にファンを持っています。DJを含む編成でそれまでになかった新しいサウンドを作り出しました。人気の秘訣はやはりチェスター・ベニントンの素晴らしい声にあります。彼は他のボーカルにはない太く逞しい声を持っています。
一般的にデスボイスと呼ばれる発声にもいくつか種類がありますが、フライスクリーム系の声を多用しています。音圧が高く、響きもあるため他のボーカルが彼の曲を歌うと、みすぼらしく聴こえてしまうほど、卓越した声を持っています。
特に有名な 「Given up」 という曲においての、後半のロングトーンには圧巻です。
こちらの動画の2:25~2:41までの声がフライスクリームによるロングトーンです。
また、チェスターの書く歌詞はネイティブの英語話者にとってもかなり難しい内容となっており、その複雑な歌詞の裏には彼の抱える壮絶な過去の体験があると考えられています。ブログで書くにはかなりヘビーな内容になるため割愛しますが、2017年に自殺して生涯を終えてしまう選択をするほど、彼が今まで背負った精神的なダメージは大きなものだったのだろうと考えます。彼の亡き後も、LINKIN PARKは新たな音楽ジャンルに大きな影響を与え続けています。そんな彼らの作品に、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
続いてはONE OK ROCKを紹介します!
今や日本を代表するロックバンドとなった彼らですが、ラウドジャンルのサウンドは過去の作品に見られます。ボーカルのTakaは幼い頃に、LINKIN PARKの楽曲に感化されバンドを始めたため、音楽性においてラウドロックという共通点が見られます。
ONE OK ROCKは2008年のアルバム、感情エフェクトからラウドロックなサウンドを生み出していきます。それまではパンク寄りのジャンルで、Takaのボーカルメロディーは中音域に留まっていました。その理由は、Takaが自身の声の高さをコンプレックスに思っていたからです。しかし、このアルバムからかなり思い切って高音域にレンジを広げてメロディラインを作り始めました。その頃の日本の音楽シーンは高音域のボーカルに人気が集まり始めており、ハイトーンかつ、エッジのある声で人々を魅了しました。
(ここで使用しているエッジとは、通称エッジボイスと呼ばれる声門閉鎖時に発生する、掠れたような音で、単体で出すとプツプツとした音になります。)
ONE OK ROCKの楽曲において、日本で最も有名な曲と言えるのは 「完全感覚Dreamer」 だと言えます。この曲はボーカル初心者〜中級者にはかなり難易度が高く歌えない曲です。音域のレンジはmid2A〜hiEと広範囲に及び、音程の上下も多く、声の高さを素早く切り替える必要があります。しかし、その難易度ゆえにその曲を歌いこなす本人の凄さを思い知らされます。
彼はチェスターの発声と同じようにフライスクリームを曲中に織り交ぜることが多いです。Takaの発声はスクリームを専門的に歌っている人からすると、独特な発声をしているようで、完全なフライスクリームとは違う地声要素が少し多い声になっています。そして、その音の高さにおいても特徴的であると言えます。
高域が強く出るフライスクリーム発声をしています。筆者もこの声にチャレンジしていますが、ここまで高い音とエッジ要素を併せて発声するには、裏声と声門の閉鎖の具合を絶妙にコントロールする必要があり、少しでも閉鎖感が強いと喉を傷めたり、音が出なかったりと、とても難易度が高いです。
そして3つ目にオススメしたいのは、Coldrainです!
Coldrainはmasatoというハーフのボーカリストがフロントマンを務めています。coldrainの楽曲はずっしりと重たいサウンドがとてもカッコ良く思います。masatoのクリーンで突き抜けるような声が乗っかるとさらにその魅力が際立ちます。このバンドを1人のボーカルとして見ると、masatoの肺活量に驚かされます。曲の中で、一人でメロディアスなクリーンボイスと、迫力あるスクリームを交互に歌いこなしており、実際にライブで彼の声を聴いた際にも、よく息が続くなと思いました。彼も先に紹介したボーカリスト同様にスクリーム系統の声を使っています。彼のフライスクリームはチェスターやtakaのスクリームよりも少し中音域の声質に感じられます。先の2人は、スクリームの声質については高域が出ており、エッジ要素が強いです。(掠れ具合が多く、高い音での発声になっています。)
理由としては高域と低域がバランス良く混ざり、エッジのきめ細かさが全体的に太く感じさせる声質になっているためです。(ベルティング発声による声の太さではなく、あくまでもフライスクリームの声質についての声についての見解です。)
今回は3つのラウドロックバンドをボーカル目線で話しました。今後は第二弾と称してラウドロックバンドのおすすめを、さらにお伝えできたらと思います。複数のバンドに焦点を当てることで比較することができ、それぞれのバンドの個性を理解していただけたらと思います。
また、一つのバンドに焦点を当てて、発声の解説や練習方法についてもご紹介できたらと思っていますので、続きをお楽しみに!