今回はエレキギターやベース、エフェクターに使用している部品たちについて語ります。
まずは交換用部品としては、かなりの頻度になるボリュームポットから。

ギターやベースのボリュームポットは抵抗値に様々な種類が有り、使用しているPickup(以下PU)や回路により最善の選択をしています。
例えばシングルコイルPUのフェンダー系でプリアンプを搭載していないパッシブタイプは250KΩ、Gibson系のハムバッカーPUには500KΩが定説です。
なぜこの数値なのか?
それはそれぞれのPUの出力インピーダンスという大変表現しづらく説明が難しい問題が在るので割愛しますが、簡単に結果から言うとどの数値のポットでも使用できるが音が変わるのです。
例えば分かりやすい例で言うと、ハムバッカーPUに250KΩのポットを使用すると500KΩのポットを使用した時よりも高音が減少します。 逆にシングルコイルPUに500KΩのポットを使用するとノイズを拾いやすくなります(高音も若干強調される)。
実はGibson社のギターでは1970年代後半のギターに300KΩのポットを使用していたことが有ります。
これはミニハムPUやP-90のために搭載した訳ではなく、1976年から復活したハムバッカーPUの音質がトレブリーだったために音質補正の意味で抵抗値を変えたのです。
(実際Gibson社ではPU制作にかなり試行錯誤していて、初のハムバッカーを開発したのはセスラバー氏ですが、その後ビルローレンス氏や日本人開発者などによってさまざまな音質のPUが作られました。)
さらにもう一つ忘れてはならない抵抗値で、25KΩと言うシングルコイルPU用の抵抗値の実に1/10の抵抗値のポットも使用されています。
これはアクティブPU(EMGなど)出力インピーダンスが低いPUや、アクティブ回路プリアンプなどに対して使用するのです。
さて、かなりざっくりと抵抗値を説明しましたが、実際にどのようなメーカーのポットが有るのか?それらの音質は?を説明します。
1.まずはUSA製のCTSポット(厳密には現在Mexico製)

ギター、ベースのリプレイスメントの代表格です。
現在出回っている物はほとんどが汎用ポットですが、USAのJANコード(軍用規格に準拠)規格品や様々な仕様のPOTも製造しています。
音質は野太く量感が有ります。PUのパワーをあまりスポイルしない為、多くのギターメーカーがこぞって使用しています。
2.次はAB社(アーランブラッドレー)とCLAROSTAT社(クラロスタット)

いずれも精密機器や高級音響機器など特に信頼性と耐久性が必要な機器に使用されています。
一例を挙げるとワウペダルのポットによく使用されていますね。
また、1990年代のUSA製SCHECTERやロンウイッカーシャムが率いるALEMBICギター、ベースにも使用されていました。
全く色付けの無い音質で入力した信号をスポイルする事がほとんど有りません。繊細な摩擦音まで余すところなく出力します。
また耐久性、信頼性がずば抜けているため、航空宇宙局の機器にも使用実績があるほどです。
難点は入手が難しい事と値段が高い事でしょうか。
3.そして現在1番注目しているのがドイツ製のMEC POTです。

最近は少しだけですが日本でも入手できるようになりました。
WARWICKベースに使用されていますが、実は20年以上前のSCHECTERのボリュームポットもこれでした。
さすがドイツ製だけあって大変ナチュラルな音で誇張した部分が有りません。とても滑らかな音です。
また回転フィーリングや抵抗値もばらつきが無く、やはり滑らかで硬さもちょうど良いのです。
特にスイッチポットは必要以上に出っ張らず「カチッ」ではなく「スチッ」と言う高級感ある感触で好感が持てます。
いかがですか?
かなり絞ってご紹介しましたがまだまだ沢山の種類のメーカーが有ります。
国産品だとALPS、NOBLE、日本光音電波、Copalなど、海外メーカーだとスタックポール、Bourns、alphaなどが有名です。
たとえポットであってもそれぞれに特徴のある音質を持っています
自分の機材に合うポットを探してみましょう。