
ここ数年でアコースティックドラムのような外観の電子ドラムが各メーカーから発売されています。
初めて展示品を見た時は本当に電子ドラムかと目を疑うほどでしたが、価格も目を疑うほど高価なものでした。
そんな新たな電子ドラム市場に驚愕している著者の目に飛び込んできたのがPlaytechのPDS-1000でした。
PLAYTECH ( プレイテック ) / PDS-1000
なんと税込で118000円です。
他メーカーのアコースティック型ドラムが安くても30万円ほど、高いものは80万円なんていうものがあるのでおよそ12万円は安すぎます。
安すぎて買うのが怖くなってしまうくらいの価格ですが実際はどうなのでしょうか?
■ 他社アコースティック型電子ドラムとの比較
同じような構成で販売されているRolandのVAD506と比べてみましょう。
ROLAND ( ローランド ) / VAD506
VAD506は約50万円の商品なので本来は比較することすらおかしな話なのですが、タムやシンバルの数など同じもので探すとこれでも一番安い商品です。
ダブルレッグ
40万円近い差額があるとなるとスタンド類がチープで安定性がないのではと考えてしまいます。
しかし、PDS-1000もVAD506と同じダブルレッグ仕様なので安定性には問題ありません。
そもそもシンバル類は本物のシンバルよりも軽いのでシングルレッグでもそれなりの安定性があるのではと考えられますが、ダブルレッグなのでさらに安心感がありますね。
メッシュヘッド
この価格帯になれば当然の仕様のごとくどちらの商品もスネアやタム類はメッシュヘッドが装着されています。
VAD506のメッシュヘッドはRoland独自技術のマルチプライメッシュヘッドというものを採用しているので多少の違いはあるかもしれませんがPDS-1000もメッシュヘッドには変わりありません。 安価なモデルに装着されているゴムパッドよりも高い静粛性とリアルな打感で練習することができます。
音源モジュール
おそらく一番の違いを感じるのがこの音源モジュールでしょう。
VAD506の音源モジュールはTD-27というリアルなサウンドに定評がある商品でこれ単体でも13万円です。
ROLAND ( ローランド ) / TD-27
モジュールだけでPDS-1000の価格を上回っていますね。
それに対し音源モジュール込みで約12万円のPDS-1000はどうかというとYouTubeに動画がアップされているので聞いてみてください。
これを聞いてがっかりした人には他の製品をおすすめしますが、多くの人にとって練習するにじゅうぶんすぎるサウンドではないでしょうか?
■ アコースティック型電子ドラムの利点
PDS-1000のコスパがいかに素晴らしいかお分かりいただけたかと思いますが、そもそも電子ドラムを使うのにわざわざ大きなアコースティック型を選ぶ必要性がわからないと考える人もいるかもしれません。 しかし、アコースティック型でなくては得られないメリットというのがあります。
本物に近い感覚で練習できる
従来の電子ドラムは良くも悪くも叩きやすいです。 全体的に小ぶりにできているのでいくらでも各パーツの間隔を狭められますし、逆に本物に近い間隔にしようと思ってもそこまでは調整できない商品が多いです。
すると、実際にスタジオでドラムを叩いた時にミスショットが多くなってしまう傾向にあります。
最近はキッズドラマーも多いですが、電子ドラムで練習している小さいお子さんは実際のドラムを前にした時この差にかなり戸惑ってしまいます。
叩いてみた動画で映える
電子ドラムさえ自宅にあればYouTubeなどで叩いてみた動画を頻繁にアップすることが可能です。
しかし、映像を確認してみるとどうしても電子ドラムはあまり見た目がよろしくありません。
そんな時に自宅にあるのがアコースティック型電子ドラムなら見栄えも抜群です。
たかだか見た目の話と言われればそれまでですが、せっかくの動画なので見た目にもこだわればモチベーションが上がります。
■ PDS-1000のイチオシポイント
アコースティック型電子ドラムの中では格安のPDS-1000ですがPlaytechのPDSシリーズの中ではフラッグシップモデルでもあります。
電子ドラムならではの実用的な機能も備えているのでいくつか紹介します。
USB MIDI対応
音源モジュールがVAD506などの高額商品には敵わないというのはありますが、MIDI対応なのでレコーディングなどで使う時には対処することができます。
最近は無料で高品質なドラム音源もたくさんありますし、1万円程度でAddictive Drums2の簡易パッケージ版を購入すればさらにリアルなドラムサウンドで録音できます。
XLN AUDIO ( エックスエルエヌオーディオ ) / Addictive Drums2 Custom 簡易パッケージ版
ダイレクトアウトに対応
これもレコーディング時に役立つ機能です。
各パーツが独立してミキサーに送れるので録音後の音量やEQも個別に調整することができます。
安価なエントリーモデルの電子ドラムにはついていない機能なので、真っ先にコスト削減のために省かれそうなのですがきちんと対応してくれているのは嬉しいですね。
基本的な演奏法には全て対応
スネアはオープンリム、クローズリムに対応、シンバル類はチョークに対応しています。
さらにライドはチョークだけでなく、エッジ、ボウ、ベルを叩き分けることができます。
これだけの機能があればほとんどの曲に対応できますね。
■ まとめ
冒頭にも書いた通り、アコースティック型電子ドラムは50万円前後が相場の楽器です。
本来なら比べること自体がおかしい価格のPDS-1000ですがしっかりと同じ市場でライバル機種に位置しています。
RolandやYAMAHAの製品は高すぎて手が出せないけどアコースティック型電子ドラムが欲しいという人は検討してみてください。
ちなみにPlaytechをはじめコスパに優れたサウンドハウス製品はすぐ壊れてしまうのでは?と不安をもつ人も多いようですがそんな心配はいりません。
サウンドハウス購入品は通常使用の範囲内の故障なら3年保証が付いています。
家電なら1年保証が一般的なので3年はかなり安心感が増しますよね。
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