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どれを買う?ヤマハBBシリーズ

2021-10-31

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

みなさん、こんにちは。関西でベースを弾いている「けん@ベース弾き」です。

本日は、私も愛用しているヤマハの現行BBシリーズについて、お話しさせていただこうと思います。

→ YAMAHA NEW BB 一覧

■ ヤマハBBといえば

まず、BBシリーズといえば、かれこれ40年以上国内で親しまれてきた、ヤマハが誇る自慢のベースですね。フェンダー系のベースが幅を利かせるこのベース業界において、「国内メーカーの選択肢」というものを提案できている点も注目です。

著名なベーシストにも使用者は多く、例えば東京事変などで活躍するベーシスト・亀田誠治さんがライブで愛用しているのは、1つ前のヤマハBBシリーズの最上位グレード・BB2024をアレンジしたベース。(BB2024SKとして、限定販売もされていました)

また、先日の東京パラリンピックにおいて、あの布袋寅泰さんとともに登場した若き女性ベーシスト・アヤコノさん。楽しそうにベースを弾く様子がTwitterで知れ渡り、これがきっかけにブレイクした彼女ですが、そんな彼女がTwitterで披露していたのも、ヤマハBB434。「弾きやすい」と絶賛していたのが、とても印象的でした。

■ 現行ヤマハBBのラインナップ

そんなヤマハBBシリーズですが、2021年10月時点における現行ラインナップとしては、大きくは4グレードが展開されています。上から順に、BBPRO、BB700、BB400、BB200の各シリーズですね。それぞれに、4弦モデル(型番に「34」とつく)と5弦モデル(同じく型番に「35」とつく)が設定されています。

どのグレードも、いわゆるPJレイアウトのピックアップと、2ボリューム1トーンの構成は共通しています。リアのボリュームをオフにすればプレベ的なサウンドが出せて、逆にこれを上げていくにつれ、サウンドに高音の「ギャリッ」といった要素が付加されて、プレベらしさを残しつつ、パンチのあるサウンドを繰り出せるようになります。この辺りは、BBシリーズの根底に流れるサウンドの傾向であると言って良いでしょう。

一方で、細かな仕様については、微妙な違いがあり、それが各グレードの個性となって表れています。以下、それぞれの特徴を見ていきましょう。

■ BB200シリーズ

まずは最廉価グレードである、BB200シリーズですが…こちらは機能面ではこれといった特徴がないのですが、その代わりに徹底した価格の安さが最大の特徴。このBB200シリーズ、例えば4弦のBB234をサウンドハウスで購入する場合、なんとあのBBサウンドを3万円台で手にすることができます。初心者の最初の1本としては、非常に心強いのではないかと思います。
→ YAMAHA BB200シリーズ 一覧

■ BB400シリーズ

次に、1つ上のグレード、BB400シリーズ。4弦はBB434、5弦はBB435というモデル名です。こちらは、先ほどのBB200シリーズに、次の機能が追加されています。これらの機能を付加して、お値段としては4弦のBB434で概ね5万円台程度。こちらもかなりお買い得に感じます。
→ YAMAHA BB400シリーズ 一覧

<マイター・ボルティング>

通常のボルトオンネックは、ネックとボディを4本のネジで固定するのですが、このマイター・ボルティングは、これに加えてボディ裏から45度の角度でネックエンドを固定します。これにより、よりロスのない接着が可能となり、サステイン豊かなサウンドを実現できるようになった、ってわけなのです。

なお、過去のBBシリーズの上位グレードでは、スルーネックが採用されていましたが、おそらくこれは価格が高くなりすぎるということで、価格を抑えつつスルーネックに近い特徴を生み出すため…という工夫のもと、こういったことをしてるのかなあ、と勝手に想像しています。

<コンパーチブルタイプ・ブリッジ>

こちらは、ボディ面のブリッジからだけでなく、弦の裏通しにも対応しています。また、その裏通しも、一般的な「真裏から」ではなく、ボディに斜め45度から通すことで、サドル部などでの振動ロスを軽減するような工夫がなされています。

<5ピースネック>

このBB400以上のグレードでは、ネックの木材がメイプルとマホガニーで構成される、5ピースネックという仕様になっています。ネックのそり・ねじれ対策になるほか、マホガニー特有の温かいサウンドが感じられるようになるんだとか。

<メイプル指板モデルもあり>

これは他グレードにはない、BB400シリーズだけの特徴なのですが、このグレードのみ、メイプル指板のモデルが設定されています(他はローズウッド指板のみ)。ルックス面にも鮮やかさが感じられることに加え、メイプル指板特有のサウンドの明るさも魅力的。スラップを多用するベーシストの方には、特に魅力的な仕様かもしれませんね。

■ BB700シリーズ

そして、その上のグレード、BB700シリーズ。4弦はBB734、5弦はBB735。お値段は10万円弱にまで上がってきますが、その分、強化される機能も本格的です。
→ YAMAHA BB700シリーズ 一覧

<アルダー・メイプル・アルダーの3プライボディ>

このBB700以上のグレードでは、ボディ材がアルダー・メイプル・アルダーの3プライ構造になっています。ボディ材にメイプルが組み込まれることにより、中音域の強化や、ネックのメイプル材との一体感が感じられるようになります。

<このグレードのみアクティブ>

これは最上位グレードにはない、BB 700シリーズならではの特徴なのですが、このグレードのみ、アクティブサーキットが搭載されています。プリアンプと3バンドイコライザーを活用して、パワフルなサウンドと手元でのよりきめ細かい音作りの双方を手にすることができるようになるのです。なお、パッシブ切り替えも可能ですので、状況や演奏ジャンルによって柔軟にサウンドを変えていくことも可能。この多機能さは、BB700シリーズ「だけ」の売りになっていると言えるでしょう。

■ BBPROシリーズ

そして最後に、最上位グレードである、BBPRO。4弦モデルはBBP34、5弦モデルはBBP35という型番で、お値段は20万円前後と、一気に上がってきます。このBBPROシリーズの特徴は、次のとおりです。
→ YAMAHA BBPROシリーズ 一覧

<シリーズ唯一の国産>

国内メーカーのヤマハですが、生産まで国内になっているのは、この最上位グレードのみ。さすがに最上位グレードといったきめの細かい仕上げは、楽器として、そして工業製品としても、非常に魅力的です。なお、ヘッド裏には「日本製」のロゴが入っている他、製作者のサインが入った公式証明書なども添付されていたりします。

<I.R.A>

最上位のBBPROシリーズのみに導入されているのが、この「I.R.A」という技術。公式ウェブサイトによると、完成直後の楽器に適切な振動を与えることで、完成直後の楽器に内在する塗料や接着剤のストレスを軽減し、楽器の振動を促進させる…というものなんだとか。要は、楽器を弾き込んだときの鳴りの良さを、人工的にあらかじめ与える…ということですね。

<ハードケースの採用>

このBBPROシリーズは、ケースがハードケースになっています。さすが最上位グレード、って感じで、所有欲が高まりますね。一方で、ライブ等に連れ出すときの実用性はイマイチなので、別途ギグバッグ等があった方が良いかとは思います。

■ おすすめグレードはコレ!

…と、このように、現行ヤマハBBシリーズの4グレードの特徴を見ていきましたが、こうなってくると難しいのが、「どのグレードが1番良いのか」ということ。ヤマハBBの場合、下位グレードにしかない特徴があったりするので、単純に「予算の範囲内で一番上のグレードを」と言えないのが、面白くもあり、悩ましくもあるところ。

個人的には、ヴィンテージ志向、ナチュラル系のサウンドが好み、落ち着いた音楽が好き、ということであれば最上位のBBPROかBB400のうち予算の許す方を選び、モダンなサウンド、ハードな音楽が好きな方であれば、唯一無二のアクティブタイプであるBB700シリーズを選ぶと幸せになれるんじゃないかな、と思っています。

また、初心者の方が最初に選ぶ1本としては、もちろんBB200シリーズの価格の安さは圧倒的な魅力がありますが、もし可能であれば、少し奮発してBB400シリーズを選んだ方が、価格差の割にプラスアルファが大きく、後々も大事に使っていけるんじゃないかな、と思います。

■ まとめ

この現行ヤマハBBシリーズ、全体的にお手頃な価格で、非常に優れた性能を発揮する、とても良いベースです。ぜひぜひ、多くの方に手にして、国内メーカーのベースサウンドを満喫していただきたいな、と思っています。

ちなみに私も、ヤマハのBBP34を愛用しています。国産の最上位グレードのベースとしてはお手頃な価格と、プレベ的なサウンドも含めた幅広いサウンドバリエーション、弾きやすさなどが非常に魅力的で、SagoのOveと並んで、自分にとって欠かせないベースの1つとなっています。

この楽器の魅力が、一人でも多くの方に伝わりますように…。

最後までお読みいただきまして、まことにありがとうございました。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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けん@ベース弾き

プロフィール:新型コロナ対策にかかわるベース弾き。SagoのOveとヤマハのBBP34を愛用。関西→東京→関西。ギターやピアノも少々。元新聞記者。音楽はロック、ゲーム音楽、クラシック等を指向。最近はDTMにも関心。好きなもの→写真、ドラクエ、ドラえもん。秘書検定2級、簿記2級。スバリスト。記事はすべて私見。
Twitter https://twitter.com/ken_bass_sc

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