ネモトヘッドレス&ファンフレ でチラッと出た楽器の軽量化について語ってみようという記事です。
〜プロフィール〜
Cheena:ちょっと欲しかったYamaha RGX-A2(2.5kg)とRBX4-A2(3.2kg)が終売してしまったのに気付き中古販売を捜索する日々。
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ネモト:最近軽いのが欲しいのでセミアコが大変気になる。欲しいスペックや音はなかなかないけど。
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ネモトさあ、やっていきましょうか。
軽量化と一言で言ってもアプローチはたくさんあるわけで、とりあえずセミソリッド(チェンバー)からやってみようか。

こちらはクルーズ( http://www.crewsguitars.co.jp/ )になります。
フェンダーだとPBACというモデル名でセミソリッドプレベを出していたり、ハム1発を載せたシンラインプレベも出していた(両方とも廃番)
ギターだとテレキャスターシンラインがロングセラーモデルになってるね。
軽量化?音を求めて作られたんじゃね?と思う人もいると思うけどレオ・フェンダーは軽量化の為に作ったみたいなので軽量化というカテゴリでお願いします。
Cheena:セミソリッド=シンライン系というわけですね。
LEGEND ( レジェンド ) / LTE-69TL Natural
お洒落ながら安価に手に入るホロー系ギターの1つでもあります。
Bacchus Woodline Handmade Seriesもそうかな。桜仕様や雪仕様のやつです。
ネモト違和感なく持ち替えられるのも嬉しいよね。
コンター加工してあるモデル(例えばプレベ)ならスラブボディになっていたりするけどさ…。
Cheena:ちなみにSX Guitar製のストラトシンラインはコンター付きです。強い。
ちなみに何故か公式サイトから消滅してなお大手通販では取り扱われる謎があります。ゆえに画像は検索リンクでご容赦を……
Googleの検索結果を見る
このメーカーは色々と面白い楽器が多いのですが、語ると止まらないのでやめておきます。Tune-O-Matic搭載3Sストラトとか。メタル専用っぽい真っ黒楽器とか。
ネモトそれは強いねw
次はシンプルなやつをやりましょうか。それは、薄くするということ。
基本であるフェンダーのボディ厚は45mm
軽量を売りにしているものは大抵40mm
単純計算だとこれだけでボディは10%軽くなるわけで、数百グラム軽くなる。
厚みって意外と気付いていない人がいる。
Cheena:Ibanez SR30シリーズが良い例ですね。あとは忘れられがちなのがリッケンバッカーのソリッド系、あれもかなり薄めの1-1/2インチです。
ネモト約38mmか。薄いね。 やたらと薄いレスポールもあったね。初めて見た時びっくりしたわ。
Cheena:レスポールは軽量化と音質を求めてチェンバーボディやホロウ構造を取ることが多いですが、完全なソリッドの音と軽量化を両立するとレスポールスペシャルっぽく薄型になるんですかね。 あんまり薄いと倒したときにネック折れやすいのでやめてほしい……
ネモトわかるなぁ。サンダーバード一回折った事があるんだけど、もっとボディ厚ければ…と思ったから。
そんでは次。
これは誰でもわかる、「ボディを小さくする」です。「最初から小さいボディで作る」ではないので注意。
それだと軽量化じゃないし…。
いわゆる「ディンキー」シェイプです。ジャクソンのギターが元ネタ。
ボディが大きいジャズベにもよく採用されているね。メーカーごとに微妙にシェイプが異なるから面白い。
Cheena:ディンキーストラトのボディシェイプの差異だとYamaha Pacifica、Ibanez RG、Schecter C-1あたりを見比べると楽しいですね。個性派、正統派、高級志向、と。
YAMAHA ( ヤマハ ) / PAC612VIIFM TBL エレキギターPACIFICA(パシフィカ)
Ibanez ( アイバニーズ ) / RG421EX Black Flat エレキギター
SCHECTER ( シェクター ) / HELLRAISER HYBRID C-1 TBB
ちなみにジャズべにはあるところジャズマス系のオフセットボディとテレキャス系ボディはディンキーと呼べるものがないか、あっても少ないのは何か理由があるんでしょうかね?
ネモト需要の問題だと思う。メーカーだって商人だもの。
これで終わってもいいんだけどこの一言で終わらせると寂しいので詳しく書く。
ギターの進化で忘れてはならないのがHR/HMブーム。
定番機種(テレキャス、ストラト、レスポール)の中でテレキャスはこのブームに乗れなかった。
当たり前っちゃ当たり前なんだが、太い音を欲しがる人はレスポールを選ぶし、激しいアーミングをするならストラト(というかロックナット+フロイドローズ)を選ぶ。テレキャスはこの需要を満たせない。ハムを載せてもレスポールには勝てないし、ロックナット+フロイドローズを載せるならストラトと異なり大手術になる。もちろんテレキャスを使う人もいたけど、当時のギターヒーローはほとんどこの2つだった。
で、需要はもう一個あった。それが軽量化。ステージではしゃぐ事が多いロックスター達に重いギターは嫌われる。その当時は一晩で5ステージとかヘトヘトになる環境でプレイすることも多かったし(ハコバンは今でもそうかもしれないけど)
つまり、音とパフォーマンスを両立させるディンキーシェイプはHR/HM界隈で流行ったし定番となった。
テレキャスはその流れに取り残され、対立するようにシンプルを売りにした。
やがて時間が経つにつれテレキャスも様々な仕様のものが出てきたけど、ディンキーに関してはやっぱり需要がない。私の周りにはテレにディンキーはいらん、コンターすらいらんというスラブボディ至上主義者は多い。彼らにとってディンキーという時点で買わないとなってしまっているわけで、需要は少なくなってしまう。でもスラブボディ至上主義者は同年代以上が多い。軽くて扱いやすいディンキーは初心者やバイアスが掛かっていない人向けとしてジワジワと支持を広げていくと思うよ。 ジャズマスも同様。15年くらい前は今と比べたらほとんどいなかったもの。
Cheena:シェイプよりパーツをいじる方向に進化したテレキャス、と。

確かに(上から順に)La CabronitaやTroublemakerやTelecaster Deluxeやら、ボディシェイプは基本的に同じでハードだけを替えている。
しっかし、テレキャスター警察が出てきそうな話題ですね。
ネモト怖いなぁ…。人が最も過激になる要因は正義なり。
旧フェンダーUSA(プロフェッショナルがスタンダード、ウルトラがデラックス、オリジナルがビンテージと呼ばれていたころ)だとジャズべのボディサイズ微妙に異なっているのよね。
スタンダードとデラックスは同じサイズだと思っていた。現行シリーズは比べたことないからわからないし、全ての年代で同じかもわからないので悪しからず。そんな時期はあったよっていう話です。
Cheena: 一応こういうサイト( https://www.electricherald.com/guitar-templates/)で年代ごとの図面を確認できなくもないですが大変ですね。
そうそう、ここで気になってるのがKlein Guitarsのエルゴノミックヘッドレス。何故か図面が流出している。
https://kleinsbench.com/

素敵だし、軽そうだ。
ネモトほー、面白い。結構音も良さそう。
このギター、低音側のシェイプで左右対称にしたらハート形になるね。
Cheena:それじゃあ多分人間工学的形状にはならないんでしょうね…可愛いだろうけど、持ちづらそう……
ネモトそうね…。
次の話にしましょうか。
次も単純「軽い素材で作る」です。
主にボディ材として使われるものだと軽いのはアルダー、スワンプアッシュ、バスウッド、アガチス、ポプラ(コットンウッド)
重いものはホワイトアッシュ、ウォルナット、マホガニー。
これらは結構な重量があり、5キロを超えるものも珍しくありません。
私の8弦フレットレス(アルダーボディ)は重量4.9キロなので4弦で5キロというのはなかなかのものだとイメージしていただければ。
Cheena:軽量化が目的の処理ではありませんが、安価なエクスプローラーやフライングV、ランダムスターなどには張り出した部分をバルサやSPFで作って貼り合わせていることがあります。 シェイプがギターの中で大きな比率を占める場合には有効ですね。オールマホ/コリーナなんかより軽くなるし。
ネモトなるほど。強度が求められるところはしっかり作ってそうじゃない部分は弱くてもいいから軽く安い材で作る、と。合理的。
Cheena:あと軽い素材で作るといえばハードウェア。アルミ製のSperzelペグがヘッド落ち対策に有効なことはよく知られています。
ネモトヒップショットのウルトラライトなんかも定番だね。1個あたり43グラム。
Cheena:数グラムの差でもヘッド側だと体感重量にかなり影響しますからね。重要です。
ネモト読者諸兄、軽いペグにすると音も変わってしまうからそこだけは勘案して下さいね。ブリッジも軽いの重いの色々とありますが、かなり音変わるし軽くなってもあんまりわからんので軽量化目的で導入するのはやめた方がいいですよ。
Cheena:ブリッジには逆に重量信仰みたいな部分もありますけどね。とはいえ何事も中庸が一番。
ネモトそういやブリッジは以前記事にしたのでどうぞ(ダイマ) 「ベース用ブリッジについて語りたい」
Cheena:構造と材の選定とで主要な軽量化処理は抑えた…と思いますが、どうですか? 楽器の重量を抑えるのではなく演奏中の荷重を分散する方向ならいくつかありあすけど。
ネモトエルゴノミックストラップとか?やりましょうか。
Cheena:やはりまず上がるのはストラップの工夫ですね。
Gruv Gear ( グルーブギア ) / DuoStrap Signature Black
自作もしやすいのでどうぞ(ダイマ2)
「Playtechで遊ぼう~エルゴノミクスストラップ編~」
あとは、立奏用スタンド。
K&M ( ケーアンドエム ) / 147601
ネモト立奏スタンドベース用も欲しい。ペダルじゃない機材をプレイ中に動かしやすいから…。
ベルトクリップなんかもそれに入れていいかな。
K&M ( ケーアンドエム ) / 14580 ギター用ベルトクリップ
本来アコギ用だけどヘッド落ちの対策になるかもね。
構える高さによって使えるかどうか変わるけど。
Cheena:ベルトクリップ便利ですよね。
ちなみにD&Aから増設肩パッドが出ていたんですが、スタンダードはもう終売してしまいました。作ろうかな。
D&A Guitar Gear ( ディーアンドエー・ギターギヤ ) / GST0100 GIGストラップパッド(スタンダード)
D&A Guitar Gear ( ディーアンドエー・ギターギヤ ) / GST0200 GIG ストラップパッド(ワイド)
ネモトこれ便利そう。肩にタオルを入れる必要がなくなるかも。
Cheena:スーザ吹くときにも使えるかな。検討リスト入り。
※スーザ/スーザフォン…低音金管楽器。立奏やマーチ向きで左肩に掛けて使う。
これ以外、何か負担軽減系のアクセサリーとかってありますかね?
ネモトサテンの服は滑るとか幅広のストラップの方がホールド力高いとか負担軽減だけどアクセサリーではないよね?みたいなのしか思い浮かばない。ここらで締めましょうか?
Cheena:ちと短いか?と思いましたが4500字届いてますね。いつもが長すぎる…
では軽量化回、これにて終演となります。ありがとうございました。
ネモト1万字とか行くからね…。ありがとうございました。
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