Rogers「RP100 Dyno-Matic ドラムペダル」。メカメカしいルックスと、どことなくヴィンテージらしさを漂わせる、なんとも不思議な佇まいのドラムペダルです。
Dyno-Maticは、実に汎用性が高く、あらゆる状況に対応するポテンシャルを秘めています。スプリングテンションやビーター角度の調整はもちろん、フットボードの角度やフレーム全体の高さ、ボードの前後位置などといった、ありとあらゆる箇所の調整を可能としています。そんなDyno-Maticの凄さに迫りましょう。
今回は、Dyno-Maticを工場出荷時の状態から、自分好みのセッティングに作り上げるまでを、順番に解説していきます。
まず梱包箱を開封し、ケースから取り出すとこんな感じです。


さっそく調整を始めましょう。まずは、フレーム右側のホルダークリップに取り付けられているチューニングキーを取り外します。

この部分についています。

Rogersと刻まれたチューニングキー。最高にクールですね。ちなみに単品販売もしています。
Rogers (ロジャース) / Rogers Drum Key チューニングキー
●スプリングアーム向き調整
演奏できる状態にするために、まずはスプリングアームの位置を調整します。スプリングアームとは、赤枠のパーツ。

スプリングが横に伸びているのはあまり見慣れないデザインではないでしょうか。実は、このスプリングを支えているアーム、動くんです。動かすためには、赤枠のネジをチューニングキーで緩めます。

アームを動かすと、こんな感じ。

スプリングアームの向きを上へ変えることにより、格段にスプリングのテンション調整がしやすくなります。床に対して垂直にスプリングをセットする一般的なペダルとの決定的な違いは、ドラムスローンに座ったまま、片手で楽にスプリング調整ができるという点です。
ちなみにこのスプリングアームを動かすと、同時にビーターとペダルボードも連動し、角度が変わります。スプリングのテンション調整、ビーターとペダルボードの角度調整方法は、第2回の記事で解説します。まずは、スプリングアームの向きが決まったら、緩めたネジをしっかりと締めて固定しましょう。
●ペダルをバスドラムに取り付ける
ペダルをバスドラムへ取り付ける際、ネジで固定するものが一般的ではないでしょうか。Dyno-Maticは、フープクランプレバーを奥へ倒すだけで、バスドラムフープに素早く簡単に取り付け可能です。

赤枠のレバーを、カチッと音がするまで奥に倒すと・・・

たったこれだけの操作で、バスドラムに固定できます。

赤枠のネジを回せば固定具合を微調整できます。
●クイックフリップ・デュアルサーフェスビーター
標準装備のビーターは、フェルトとプラスチックの使い分けができる2way仕様。実はこのビーター、演奏面を即座に変更できる仕掛けがあります。

ビーターヘッドのすぐ下に、スプリングが搭載されています。

ビーターヘッドを押し下げると・・・

ヘッド部分だけが回転!!

フェルトかプラスチック、いずれかの演奏面まで回転させると、カチッと音がして固定されます。通常の2way仕様の場合、演奏面を変えるにはチューニングキーを使用してビーターごと回転させる必要があります。ところがこのビーターは、道具不要で瞬時に変更可能です。慣れれば曲中に変えることも不可能ではありません。
こちらのビーターも単品販売があります。
Rogers (ロジャース) / RP100B ビーター
●アンカーネジ
Dyno-Maticは、滑り止めのためにフレームの底面にラバーを備えています。そのほかに、調整可能なアンカーネジがフレームの両側に取り付けられています。


カーペットにペダルをセッティングする場合は、ネジを締めアンカーを伸ばすことで滑り止め効果が期待できます。床面の状態に合わせて調整しましょう。
●トウストッパー
ペダルボード上に装着されているトウストッパーは、前後位置の調整または取り付けの有無を選択できます。

チューニングキーを使用して、ペダルボードの裏面にある固定ネジを緩めて調整します。


こちらが手前に移動させた状態。好みに応じて調整しましょう。
Dyno-Maticの凄さはまだまだこれだけではありません。第2回では、さらなる驚きの機能を紹介します・・・。