第1回に引き続き、Rogers Dyno-Matic ペダルの凄さに迫りましょう。
●スプリング・テンション調整
Dyno-Maticの見た目の大きな特徴として、プレイヤーに向かってスプリングアームが伸びています。この設計により、スローンに座りながら、片手で簡単にスプリングのテンション調節ができます

スプリングの調整方法は、一般的なペダルと大きな違いはありません。はじめに赤枠のロックナットを時計回りに回して緩めます。次に青枠のフィンガーナットを回し、スプリングを好みの張り具合に調整します。最後に赤枠のロックナットを反時計回りに回して固定します。

こちらがスプリング・テンションを強くした状態です。フィンガーナットの先端からネジ山が現れたのが分かります。
●ビーター位置調整
ビーターの前後角度・上下位置は、独立して調整可能です。ペダルボードの角度、スプリングアーム、フレーム全体の高さなど、他のいかなる設定にも影響されることなく、単独で調整できます。ビーターの前方または後方への角度は、赤枠のビーターアングル・ネジを緩めることで調整できます。ビーターの上下位置は、青枠のネジで調整します。

ビーターの前後角度は、ビーターカムを動かして調整します。


ビーターの上下位置は、ビーターシャフトの長さを調整することで決定します。


●ペダルボード角度調整
ペダルボードの角度も独立して調整することができます。調整には、まず赤枠のネジを緩めます

ペダルボードの角度を好みの位置に調整後、緩めたねじをしっかり締めて固定します。
●フレームの高さ設定
Rogersは、あらゆるユーザーの要望に応えるべく、さらなる調整機能をDyno-Maticに与えました。それは、フレーム本体の高さを調整できるというユニークな機能です。つまり、あらゆるサイズのバスドラムにも、最適な位置にビーターをセットすることができます。
フレームの高さを調整するには、赤枠のウィングナットを緩めます。

その後、フレームの上部を持ち上げます。


好みの高さに調整後、ウィングナットをしっかりと締めます。
2つの写真を見比べると、フレームの高さが変わると同時に、ペダルボードとビーターの位置も変わっていることが分かります。それぞれを好みの位置に再調整します。ペダルボードとビーターの角度調整方法は、前項目で解説した通りです。
こちらが再調整後の状態です。

実際にバスドラムに装着してみます。

小口径のバスドラムに、ペダルをセッティングする際によく見られる光景です。ちょうどいい位置にビーターが当たらない場合、従来のペダルではやむを得ずビーターの長さを調整するほかありませんでした。

Dyno-Maticなら、フレームの高さを調整することにより、ビーターの長さを変えることなく、同じ叩き心地のままビーターを思い通りの位置にセットすることができます。
ペダルボードの位置、ビーターやスプリングアームの角度など、それぞれを独立して調整できるため、慣れ親しんだセッティングを維持しながら、あらゆるサイズのバスドラムのスイートスポットを狙うことができるのです。
●ペダルアクションの調整
Dyno-Maticはペダルアクションを変えることで、より速いアタックを生み出すためのオプションを備えています。
ヒールプレートの表面にある赤枠のネジを緩めることにより、ボードの前後位置を調整することができます。

ペダルボードを後方にスライドさせると、チェーンが斜めになっていきます。ペダルボードの位置を後方に動かすほど、ペダルの反応が速くなります。調整後は、緩めたネジをしっかり締めておきましょう。


●各部調整時の注意点
ビーターカム、およびチェーンカムの固定位置が悪いと、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。ペダルを正面から見て、カムが正しい位置にセットされていることをチェックしましょう。

赤枠の溝が見えないように、位置を調整します。


チェーンがまっすぐになるよう、カムの位置をペダルボードの中央に揃えましょう。

●専用ケース
Dyno-Maticには、専用のソフトケースが付属しています。持ち手のほか、ショルダーストラップを装備。中身を入れなくても自立するデザインです。

Dyno-Matic RP100は、さまざまなプレイヤーの好みに合うよう設計されており、あらゆるサイズのドラムに適応する独自の機能を備えています。持ち主によって全く別のペダルに化ける可能性を秘めたキックペダルなのです。