みなさん、こんにちは!営業の手塚です。今回は、「クラシックギター用ピックアップ」についてご案内します。
1. アコースティックギター用ピックアップとクラシックギター用ピックアップの違いとは?
クラシックギター用ピックアップは、アコースティックギター用ピックアップと同様に、弦の振動を電気信号に変換し、最終的に増幅した音をスピーカーから出力します。
しかし、弦の振動を拾う構造が少し異なります。アコースティックギターに使用されるマグネティック・ピックアップは、エレキギター用ピックアップと同じ原理を利用し、磁石とコイルの力を利用して弦の振動を電気信号に変換して出力します。弦が磁石に反応する磁性体、つまりスチール弦やブロンズ弦などの金属弦である必要があります。
対して、クラシックギターの弦には、ナイロン弦、フロロカーボン弦、ガット弦、ナイルガット弦といった磁石に反応しない素材により作られているため、アコースティックギターやエレキギターに使われる、マグネティック・ピックアップは使用できません。
また、クラシックギターには特有の演奏方法などがあり、アコースティックギターとは構造や音色が異なります。そのため、同じ形状をしているピックアップでもプリアンプをクラシックギターの特性に合わせてチューニングしているピックアップがあります。それでは、どんなピックアップがクラシックギターに使えるか早速見ていきましょう。
2. クラシックギター用ピックアップの種類
クラシックギター用ピックアップには、主にコンデンサーマイク、ピエゾ・ピックアップ、コンタクト・ピックアップの3種類があります。また、それらを組み合わせたハイブリッド・タイプや電池を使用するアクティブ・タイプ、電池が不要なパッシブ・タイプに分類することができます。ちなみに、パッシブ・タイプは、外部プリアンプを使用して音を作り込むギタリストにオススメです。
■ ピエゾ・ピックアップ
ピエゾ素子または圧電素子と呼ばれるセンサーを使用して、外部からの振動を圧電効果により電圧に変換するピックアップです。マグネティック・ピックアップでは、磁石の力を利用していましたが、ピエゾ・ピックアップでは弦の振動をダイレクトに電気信号に変換できるため、ハウリングに比較的強く、音の立ち上がりが速いという特徴があります。

FISHMAN / AGX-094 Narrow (2.3mm) Classical & 12-string
FISHMAN / AGX-125 Wide (3.2mm) Classical & 12-string
また、ブリッジ・サドルの下に棒状のピエゾ素子を設置するタイプが一般的ですが、L.R.BAGGSが開発した「Element(エレメント)」や「iBeam(アイビーム)」というピックアップもあります。少し特殊な構造なので、どんなピックアップなのかご紹介しましょう!
■L.R.BAGGS「Element(エレメント)」
厚さ約0.01mmのとても薄くて柔軟なフィルム・センサーをメッシュ構造のピックアップに内蔵。サドルの底面とピエゾ素子を均一に接触させることにより、低音域から高音域までバランスがよく、心地良いサウンドを得られます。

L.R.BAGGS / Element Active System VTC-N

L.R.BAGGS / Element Active System Classical
■L.R.BAGGS 「iBeam(アイビーム)」
重さ約10gの軽量なピックアップをボディ内部のトップ材(サドルの裏側)に貼り付けると、トップ材の振動を忠実にひろい、ギターの生音をクリアに出力します。ブリッジ部の穴あけ加工は不要な点も注目点です。

L.R.BAGGS / Ibeam Active System for Classical

L.R.BAGGS / Ibeam Pickup System for Classical
■コンデンサ・マイク
ボディ内部に高感度のコンデンサーマイクを取り付けることにより、実際にマイク録りしたような空気感を再現できます。

■ コンタクト・ピックアップ
ボディに貼り付けるタイプのピックアップ。主にボディのトップ材の表側や裏側に設置します。弦の振動のほか、トップ材の振動もひろうため、アタック感や空気感を表現しやすいことが特徴。セットアップを慎重に行うことにより、マイク録りに近いサウンドを出力できます。ギターを熟知したハイエンド・ユーザー向け。

FISHMAN / SBT-C Soundboard Transducer for Classical Guitar
■ ハイブリッド・タイプ
上記のピックアップやコンデンサーマイクを組み合わせ、それぞれの長所を生かしたシステム。

「コンデンサ・マイク」と「ピエゾ・ピックアップ」の組み合わせ
L.R.BAGGS / Anthem SL Classical

異なる「ピエゾ・ピックアップ」の組み合わせ
L.R.BAGGS / iMix Classical
3.ピックアップの取り付け方法
通常、エンドピン・ジャックやピエゾ・ピックアップを取り付ける場合、穴あけ加工などの加工が必要です。経験があればそれほど難しい作業ではありませんが、ある程度の専門知識が必要になるため、楽器店やリペアショップの専門スタッフにご依頼されることをオススメします。
サウンドハウスでピックアップをご購入いただいた方には、ギターへの取り付け依頼も承っております!お気軽にお問い合わせください!
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