みなさまこんにちはこんばんは。
今回はDMX OUT側のケーブルが抜けなくなってしまったという症状で運ばれてきたAMERICAN DJ / 12PHEXIPを修理していきます。

AMERICAN DJ ( アメリカンディージェイ ) / 12P HEX IP 防滴 LEDパーライト
Red、Green、Blue、Amber、White、UVの6色のLED素子を12個搭載したLEDパーライト。6色からなる豊富なカラーバリエーションもさることながら、防塵・防水(IP65)の機能を有しており、屋外でも安心してお使いいただけます。

さてさて、確かにケーブルが取り外せない状態です。
ロックの解除ボタンを押しても、コネクタを少しぐりぐりしても、ビクともしません。
以前、コネクタ破損で修理ブログを執筆した時は、外側の金具が破損していたのでケーブル自体は取り外せたのですが、今回は内部の金具が破損してしまっていて外からはどうすることもできません。
(以前のブログはこちらから →サービスマン日記~UNI-PAK IIキャノンコネクタ破損編~)

とりあえず開けてみましょう。
後ろからロック金具のツメを押せばケーブルは抜けるはずです。

しかしながら、目論見が外れました。
さすがに保護等級IP65に準拠している製品なので、すき間というすき間はガッチリと防水処理されています。
となると、もうケーブルを救出するためにはこうするしかありません。

そう、破壊です。時にはパワープレイが必要となるのです。
このために手ノコを用意しました。
コネクタを切断してケーブルを救出します。

ただし、ケーブルごと破壊してしまっては元も子もないので、切断する箇所は慎重に目途をつけます。
内部のロック金具とケーブルの間ぐらいを攻めるのがミソです。

では、勇気の切断といきます…。

うおおおぉおおおおお!!!(シャコシャコ)

うおりゃあぁああぁあああああああああ!!!!!!(シャコシャコシャコシャコ)

切断完了。
奇跡的に、内部のロック金具が当たるか当たらないか、本当にギリギリの部分を切断することができました。
我ながらすばらしい。

コネクタの構造は以下のようになっています。
- 表側のプッシュピンを押す
- プッシュピンと連動して金具が押し出される
- ツメつき金具(コネクタをひっかける用)が押し下げられる
今回は、2と3の金具がうまく連動しないことが原因でケーブルが抜けない状態でした。

つまり3のツメを裏側から押し下げることでケーブルを外せます。
(画像ではピンセットを使ってロックを解除しています。)

なんとか、ケーブルの救出に成功しました。
お客様の大切なケーブルですので、取り外す作業も修理の一環です。
あとは破壊したコネクタパーツを交換して、動作確認をして修理完了です。

(ようやく解き放たれた12PHEXIPに、お疲れ様のサムズアップ)
不良パーツは取り除き、そして新しいパーツに交換。これが修理の基本的な流れですが、今回は防水仕様だったため、不良パーツを取り除く作業の比重が重くなってしまいました。
なによりも、切断作業で腕がパンパンです。
とは言え、お客様の要望にお応えできてよかったと胸をなでおろすのでありました。
以上、修理日記となります。
また次回もよろしくお願いします。