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完全DIY機材への道!!2024年 第2弾 決定版!最高のパワーサプライは己で作れ。「アクティブサーボDCサプライの製作」

2024-08-03

テーマ:実録 ! サービスマン日記, ギター

いやいや、暑いですね。
夏にはやはり汗をかきながら、自分のサウンドを磨くための機器を部屋で作るのが正しい過ごし方だと思う。

以前にちらっと予告したことが有るが、エフェクター大好きな皆さんにぜひとも作って欲しい機器No.1がコレ。
今年の夏こそ電源ノイズから解放されようじゃないか。

という訳で、今回のお題目はエフェクター用DCサプライ。
その名も「アクティブサーボDCサプライ」だ。

簡単に説明するとAC/DCアダプターである。
つまり家庭用AC100Vをエフェクター用のDC9Vや、DC12Vに変換する有り難いアイテムである。
今時そんなものは激安で買えるし、なにもわざわざ自作なんてしなくても………と思ったあなた。
あなたのエフェクターボードから電源由来のノイズがどれだけ出ているかこれを作れば良くわかるハズ。
アクティブサーボの威力をぜひとも体感して欲しい。


能書きはともかく、まずは回路を見て頂こう。
……久々に、汚くも味のある手書き回路図だ(笑)。

スイッチングノイズを避けるため、まず大元の電圧変換はトランスにした。
それをダイオードで整流し3端子レギュレーターで安定化させた後、OP-AMPを使用して電源に含まれるノイズ成分をグランドに捨てる。

じつはこの回路は日本のオーディオ界では周知の回路である。
松下電器(Panasonic、テクニクス)が開発した高級アンプにのみ搭載されていた電源回路だ。
OP-AMPを使用しなくても十分エフェクター用の電源として通用するが、さらにノイズを低減させるためにあえてOP-AMPでノイズ成分を抽出し、そのノイズを除去する素晴らしい回路だ。


ではいつものように部品の選定をしよう。

まずはトランス

以下の条件に当てはまるトランスを探そう。
DC9Vの電圧を作るなら12~15V出力のトランス、DC12Vの電圧を作るなら15V~18V出力のトランスを使用する。
同時に、出力可能電流はトランスに表示してある出力電流の60%で計算する。

例)12V1Aのトランスであれば9V600mA出力の電源が作れると言うこと。
例)DC12Vで500mAが必要ならば選ぶトランスは15V0.8A以上あれば良い。

次は整流ダイオード

このぐらいの電圧と電流であればやはり音質面からショットキーダイオードが良い。
日本インターの31DQ04を強くにおすすめする。
もはや音質を最大限に追及するのであれば、これ以外のダイオードはないと断言する。
よく耐圧や耐電流をギリギリの値で選択する人がいるが、危険極まりない。
電圧は2倍、電流値は3倍の値の物を選ぶのが目安。
つまりこの31DQ40だと20Vの電圧で1Aまでの電流を流すのであれば安心して使用できると言うことだ。

3端子レギュレーター

現在、大変品不足な状態ではあるがNJM7809(9V)、NJM7812(12V)を探すべし。
万が一の危険な状態になりづらく、かなり信頼度が高い。
しかも1.5Aまで電流を流せるが、実際のところエフェクター1個の消費電流などたかが知れている。
100mAがせいぜいだろう、であれば1.5A流せるこのレギュレーターで全く問題ない。放熱板があればさらに安心感が増すが、無くても大丈夫。

そしてアクティブサーボの肝はOP-AMP「NE5534」である。

これは「JRC5534D」などでも良い。
シングルOP-AMPなので間違えて5532を購入しないように。

あとは電解コンデンサー

最近、特にこれは良い!!というコンデンサーは無いが日本製の未使用で新鮮なものを選んでくれれば問題はない。個人的にはやはりニチコンかエルナーがよいと思う。

そして、抵抗だが今回は完全に指定する。

電源回路に使用する事を考えると必然的に酸金抵抗になるが、抵抗には電流雑音という物があり今回の趣旨を考え、KOAの金属皮膜抵抗1/2Wクラスが良いと判断した。
入手のしやすさと価格で懐にダメージを与えない国産品だ。


そして今回の「アクティブサーボDCサプライ」に使用する部品の一覧はこちら。

電源トランス
国産品のセンタータップ無し0V-15V。
出力電流は0.5A。
※消費電流による電圧変動をできるだけ避けるために国産品を推奨する
ショットキーダイオード
日本インターの31DQ40×4本
無ければ足が太くなるが31DQ60×4本でも可
3端子レギュレーター
NJM7809(9Vの場合)×1個
NJM7812(12Vの場合)×1個
コレのどちらか。
電解コンデンサー
個人的にはニチコン推し(萌え)。
2200uF/12V~15V(9Vの場合)
2200uF/15V~25V(12Vの場合)
220uF/耐圧は上記の出力電圧に準ずる。
10uF/耐圧は上記の出力電圧に準ずる。
抵抗
KOA金属皮膜抵抗1/2W
33KΩ✕1本
1KΩ✕1本
OP-AMP
NE5534(NJM5534でも可)×1個
セラミックコンデンサー。
33pF×1個
22pF×1個

部品は以上だ。
まずはこれらを入手してくれたまえ!!……次回に続く。

技術サポート / 盛 寿

Bogner、 ENGLのカスタマーエンジニア経験を経てあらゆるメーカーのAMPを修理し続け早や20年、中でもMarshallの修理では他の追従を許さぬほどの経験値あり。Noasharkエフェクターの回路設計者でもあり、あらゆる音響機器に造詣が深く、自分用のエフェクターは自分で作るがモットー。しかしただのビンテージコンデンサーフェチではないか?と噂されている事を本人は知らない。

 
 
 

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